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 小祭りの夜、小太鼓と小鉦を二人で担ぐ若衆と他の若衆数人が骨太(ほねぶと)神社へと田畑の中の小道を歩いている。なんとも長閑(のどか)な日本文化の風情が広がる。最近では余り見られなくなった神事の光景である。

 氏子総代の切川は骨太神社の社務所でその宮入りを茶を飲みながら待っている。切川の脳裏にふと浮かんだのは、都会の病院時代に過ごしたシリアスな光景だった。切川は父のあとを継ぎ、クリニックの院長として上戸町にやってきてよかった…としみじみ思った。

「音が大きくなってきましたね。そろそろ宮入りですか?」

 宮司の岩口がボソッと口を開いた。

「ですね…。若衆もなんとか数人、残りましたが、あとは中年のOBばかりです」

「ははは…切川さんはまだお若いっ!」

「いやいや、三十半ばになりましたから、もう若くはありませんが…」

「いやいやいや、それは私が言うことですよ、ははは…」

「と、言われますと?」

「もう四十路に入りましたから…」

「そうでしたか。なんだ、私と同い年くらいに思ってましたが…」

「こりゃ、若く見られて嬉しいですね」

 そうこうしているうちに、小太鼓と小鉦を二人で担ぐ若衆と他の若衆数人が骨太神社の鳥居を潜って宮入りをしてきた。

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