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「ここだけの話にして下さい。こんな話が氏子連中から町民に広まれば、私の居所がなくなりますから、はっはっはっ…」
岩口も切川に負けないくらい大きく呵った。
「いや、しかし今のお話、案外と的を得てるかも知れません」
「ですかね…」
「現に骨太神社に限らず、全国津々浦々の神社仏閣がコロナで影響を受けましたから…」
「参詣する方々が減ったことで、神社仏閣に落ちる金が目減りしたのは確かです」
「神仏がお金の勘定をされる訳はありませんが、関係者や組織がサッパリでした…」
「私の関係はコロナ騒ぎでホクホク顔ですが…」
「ははは…確かに鋏は大儲けですねぇ~」
「私のクリニックは小さいですから、大したことはありませんでしたが…」
「それでもコロナ以前よりは患者さんが増えたんじゃありませんか?」
「ええ、ワクチン接種の関係だけ増えましたが、そんなに儲かってませんよ、ははは…」
「利益目的で開業されてる訳ではないでしょうから…」
二人は無言でニンマリと哂った。




