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大祭日の雨天の場合、あるいは曖昧な天候で榊神輿での渡御に決められた場合、四人で担げる榊神輿なら、氏子の誰もが担ぎたいものである。当然、晴天の場合のように担ぎ手のアルバイトを募集する必要もなくなるのだが、問題は前日、あるいは当日になってみなければ分からない天候の行方にあった。気苦労が絶えない訳です。^^
岩口と切川の会話を少し遡ってみよう。
「どうされます?」
切川が唐突に岩口に訊ねた。
「何がです?」
「降るか降らないか分からない、ややこしいときのアルバイトですよ」
「去年通りでいいんじゃないでしょうか」
「と、いいますと、募集時に雨天の場合はキャンセルになります・・という表記をパンフレットに入れると…」
「はい、そうです。パンフレットといいましても、ネット広告の募集ですから…」
「最近は便利になりました…」
「去年のネット募集で百人前後もありましたから…」
「時代の流れですかね?」
「ええ、時代の流れです」
岩口は当たり前のことを当たり前に切川に返した。大相撲の決まり技、切り返しである。^^




