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「なんでしたら、私が休憩時に(おも)な行事として頂くことをお教えしますが…」

 相変わらず、岩口は部下に対する話し方ではなく、敬語で話していた。

「それは有難いです…」

「いやいや、仕事面では大変、お世話になってるんですから…」

「それほどのことは…」

「私はデータ関係の数値に、てっきり弱いもんで…」

「あと数年もすれば、お馴れになりますよ」

「その頃は他の課へ異動してるかも知れませんが…」

「ええ、まあそういうこともありますか…。取り敢えず、氏子の件はそういうことで…」

 携帯が切れたあと、岩口はしばらくポカ~ンとしていた。図書館へ来た目的をド忘れしたのである。

 しばらくして、図書館に来た目的を岩口は思い出した。

『そうそう、岩口家の先祖が伊勢神宮から遠く離れた骨太神社へなぜ移り住んだか? だったな…』

 よぉ~~く考えれば、そんな文献や参考となる専門書が図書館で見つかる訳がないのである。それに気づいたとき昼が近づいていた。図書館に来ている人々も一人去り、そしてまた一人と図書館から消えていった。

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