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 そんなことを岩口が寛ぎながら図書館でゴチャゴチャと調べていたとき、岩口の携帯が振動した。図書館という静寂を義務付けられた場所だから、着信設定を無音のマナーモードにしていたのだ。

「あっ! ちょっと待って。こちらから掛けなおすから…」

 電話は課長補佐の砂場からだった。岩口は椅子から立つと、トイレへと向かった。トイレなら会話できる…と直感したからである。

「お待たせ…。今、図書館なんですよ」

 部下に対し、相変わらずの敬語遣いで岩口は再ダイヤルした。

『ああ、そうでしたか…。どうも、すいません』

「いや、別に誤ってもらう必要はありません。えぇ~と、何でしたか?」

『実は、氏子の件なんですが…』

「ああ、ソノ件でしたか。奥さんと相談すると言ってられましたが…」

『入らせてもらおうかと思いまして…』

「ああ、そうでしたか。でしたら、氏子総代の切川さんか氏子代表の鳥尾さんに、そうお話し下さい」

『いろいろ、大変なんでしょうね?』

「ははは…昔と違い、近年は神社の行事も簡素化されてますから、そう心配されるようなことはありませんから安心して下さい」

『そうですか…』

 砂場の安心した声が聞こえた。

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