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各戸にお札が配布され、すべてのお札配布が終わったのは午後、四時過ぎだった。
「二日に渡り、ご苦労様でございました…」
岩口が宮司装束で恭しく二人に一礼した。紋付き袴姿の切川と普段着の砥石も岩口に一礼した。
「門松祝いの準備と人形の配布は例年どおり宜しくお願い致します。では…」
「はあ、その方は手抜かりなくさせて頂きます…」
岩口の言葉に切川が返し、三人は骨太神社の鳥居前で別れた。
「ただいま…」
岩口が玄関戸を開けたときに発したひと声は、すでに宮司の雰囲気ではなく、町役場勤めの岩口の声だった。
「ご苦労さまでした…」
美登里がリビングから出てきて、玄関上の式台で出迎えた。その後、岩口は衣服を普段着に改め、いつもの岩口家の生活が戻った。土曜、日曜もお働きとは、ご苦労様なことです。^^




