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「えぇ~~っと、豚尾さんのお宅はと…。\2,200でございます」
どこの家もお札代は毎年、\2,200と決まっているのに、切川は、少し偉ぶってわざとらしく額を伝えた。
豚尾は用意していた\2,200の金額を低姿勢で切川に手渡した。
「確かに…」
切川は収納袋にその金額を入れると、名簿が書かれた各戸の豚尾の欄に〇をボールペンで記した。砥石は祝詞が読まれている間、次の家に手渡すお札を確認していた。
祝詞が読み終えられ、岩口と切川、砥石は豚尾が準備したお茶が淹れられた茶を飲むと、次の家の牛毛の家へと向かった。こうして、十数戸にお札は配布されていった。
「ご苦労さまでした。明日は午前と午後の二度に分けて、残りの家を回らせて頂きますので…」
宮司姿の岩口は、最後に回った鳥崎の家の前で切川と砥石に軽く頭を下げた。
「ご苦労さまでした…」「ご苦労さまでした…」
切川と砥石は軽く頭を下げ、岩口の労を労った。こうして、二十日のお札納めは終了した。




