表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/57

-46-

「ああ、そうして戴ければ、それで結構です…」

「では、次を…。砥石(といし)君、そこのお札を、戸数分、ひと(まと)めにして木箱へ…」

「はい…」

 砥石は切川クリニックで働く男子医療の若手スタッフである。切川はこまめに働く砥石を何かにつけて重宝し、クリニック以外でも使用していた。切川の鋏[メス]は砥石によってスリスリ・・と磨かれ、切れ味を維持していたのである。^^

 そんな切川を遠目に見ながら、岩口は厳かな所作で年末の神事の準備に余念がなかった。各戸に配布されるお札は、氏神である骨太(ほねぶと)神社のお札、分祀されてお祀りする天照皇大神宮のお札、比売(ひめの)神をお祀()りする春日大社のお札、天之常立(あめのとこたちの)神をお祀りする出雲大社のお札の四枚のお札だった。

 骨太神社の上戸町に奉仕する氏子の戸数は三十八戸で、それだけの戸数を年末のお札納めに(おとな)うのは結構な手間だったから、岩口は三日に分けて訪うことにしていた。氏子総代の切川を伴って、である。その切川は砥石にお札箱を持たせて伴ったから、三人連れで各戸を訪うのが常だった。

 師走に入ると、岩口は過労になるほど多忙となる。それでなくとも、いつもながら自信ありげに応諾する砂場の言葉に、岩口は少し疲れが和らぐ思いがした。岩が砕けて石に、石が砕けると砂になる訳だから、細部のことは砂の得意とするところなのである。^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ