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 岩口を巡る三竦(さんすく)みの構図は、なにも骨太(ほねぶと)神社[紙]、岩口[石]、医者の切川に限ったものではない。上戸町役場に勤める岩口の職場においても垣間(かいま)見られた。キャリア・ウーマンの係長、餅尾弥希[両親がつけた名前はヤキだが、本人はヤキではなくミキと名乗っている^^]と岩口、課長補佐の砂場の間にも、それとなく生じていた。


 下の図をご覧頂きたい。


  岩口 ━━→ 餅尾 ━━→ 砂場 ━━→ 岩口 

                          という構図である。


 岩口[石]は課長補佐の砂場には難しい数字の仕事を助けてもらっている関係で弱く、よく切れるキャリア・ウーマンの係長、餅尾ク[鋏]には宮司として世話をしたことがあり強かった。そのカミソリのように切れる餅尾は、砂場[紙]を管理職にさせた実績があり強かったが、その弱い砂場も岩口には仕事上、強いという関係である。

 秋が深まりを見せると、そろそろ岩口も慌ただしくなってきた。とはいえ、例年のことだから、さほどバタバタすることもなかったが気忙しくはあった。岩口は骨太神社にまた、スッポリと包み込まれようとしていたのである。

『考えようによっては、この上なく安全だからな…』

 と、自身を納得させながら、齷齪(あくせく)と神社の奉仕を続けるのだった。

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