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 ここで、これまでの三竦(さんすく)みの構図を分かりやすく解説してみよう。神[紙]は石[岩口]をスッポリと骨太(ほねぶと)神社内に包み込み、その石[宮司の岩口]の力を利用して鋏[医者の切川]に切られることをから身を守っている。その鋏[医者の切川]は石を切れない身の上だから氏子総代の立場を利用して神[紙]を切ろうと必死に奮戦していると、まあ話はこうなる。この構図は少し誇張して解説したもので、当の本人達は、それほどギクシャクとは考えていなかった。要するに、持ちつ持たれつ…くらいの気分で臨んでいたのである。

 梅雨が明け、骨太神社に夏が、キタワヨっッ! とばかりに、笑顔でやってきた。ギラつく太陽の(もと)、岩口は[夏越(なごし)(はら)え]という神社の行事で、暑い最中(さなか)、拝殿前の幣殿(へいでん)祝詞(のりと)を上げている。ご苦労さまです。^^

「ドウノォ(ドウタラァ)~~コウノォ(コウタラァ)~~」

 拝殿の下で見守る悠馬には意味不明でチンプンカンプンだったが、邪魔はしないでおこう…とは、子供心に思いながら祝詞を上げる岩口を見続けた。一方、無邪気に境内で遊ぶ智花は拝殿を囲んで置かれた玉石探しに余念がない。

「お兄ちゃん!! これなんかどぉ~~」

 見つけたいい形の玉石を手に、明るい賑やかな声を出しながら悠馬の近くへ駆け込んできた。

「シィ~~!! 静かにしろっ! パパは今、お仕事中なんだぞっ!」

 悠馬に叱られ、智花は一瞬にして沈黙し、動かぬ石になった。

「だって、これ…いい石だもん」

「ああ、分かった分かった。向こうでな…」

 悠馬は智花の手を繋ぐと、拝殿から後退(あとずさ)りして遠ざかった。

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