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 一時間後、砂場が運転する公用車がイベント会場に到着した。助手席に乗った岩口が停車とともにドアを開け、ゆっくりと降り立った。桜は七分咲きで、その美しさを誇らしげに展開している。

「そうですね…。これでいいと思います。設営はこれでいいと…」

「例年どおり町民へは広報などを通して周知徹底を進めています」

「そちらも抜かりなさそうですね…」

 砂場の返答を聞きながら辺りを見回し、岩口は、それとなく思った。

『コロナなどの蔓延する(やまい)は、石のお地蔵様が医学[鋏]を抑え、その力を利用してシャキシャキと神[紙]を切り、死者を増やす現象・・と捉えられなくもない。だがそれでは、お地蔵様が悪者になってしまうから、それはないだろう…』

 岩口は自身がお馬鹿になったようにグチャグチャと巡った。

「課長!! タイマーは、それでよろしいですね」

「んっ?! 聞き洩らしたので、もう一度お願いします」

「pm.6:30~pm.11:00に設定しましたがっ!」

「ああ、それでOKです…」

 訊き洩らした岩口は、慌てながらすぐ応諾した。

 恒例となった上戸町のイベント、春の観桜会はその三日後から一週間、盛大に開催された。この間、地元の物産展もイベント会場で起こなわれ、婦人会の奉仕による無料の散らし寿司、豚汁なども振舞われた。

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