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「ったくっ! 二人とも、静かになさいっ!!」
美登里が思わず雷鳴を響かせ、二人を叱った。二人はシュン! と委縮して動きを停止し、蛇に睨まれた蛙になった。
「だって、お兄ちゃんの負けなのにトモちゃんにチョコレートくれないんだもんっ!」
聞いた途端、岩口は、この二人はいつも食い物だな…と思った。テレビがドキュメンタリー番組でソマリアの飢餓状態を映し出していた。
「この人達を見なさいっ!!」
「さあ、食事にしよう!!」
三人の状況を見かねた仲裁役の岩口が、サッ! とソファから立ち上がり、リモコンをオフると『いつも国連監視軍だな…』という思いでキッチンへ向かった。三人は無言となり、岩口に追随した。岩口[石]は、こうした一面では機転が利き、硬く強いのである。^^
その頃、砂場は引っ越し後のご近所挨拶回りを妻と二人でしていた。
「次はと…。課長のとこだったな?」
「そうね…」
挨拶回りの贈答品は、前もって特注した調度品だった。




