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岩口が祝詞を上げ終えたとき、嚏が岩口を急に襲った。
「誰かに謗られてるのかな…」
昔から嚏をすれば、回数によって一謗られ、二笑われ、三惚れられ、四風邪ひくと言われている。岩口は人に謗られるようなことはなかったはずだが…と訝しく思った。そのとき、ふと拝殿の板間の下に一枚の人形が落ちていることに岩口は気づいた。それも去年の夏越しの祓いの人形だから季節外れも甚だしかった。
「…おやっ?」
人形を板間の上へ置くはずがないのである。普通は三方の上なのだ。
『しまった!』
そのとき、天界の雲の上では天常立神がひと言、ボヤかれた。
『どうされました?』
比売神が訝しげに天之常立神を見遣った。
『いやなに…。人形を一枚、落としましてな…』
『あらまあ、ほほほ…』
『ほほほ…』
二柱の女神は顔を見合わせてお笑いになった。神様でもうっかりミスをされるんですねぇ~。^^




