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お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか  作者: EPO
第2章 僕は友達の前でも料理をすることに
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5月23日 (月) 学校で(勉強会の報告)……

岡田さんSide

 私は昼休みに吉村ちゃん達が集まり、お昼をしながら話し始めた。

 聞かれる内容は決まってるけど……


「昨日はどうだった?」

「勉強会?ちゃんと教えてくれたから理数系はいくらか良くなるんじゃないかな?」

「それ以外だよ」

「それ以外って?」

「両親と会わせたんでしょうが?」

「ああそれね。気に入ったみたい。お父さん、また来てもらいなさいって言ってたから」


 そうなんだよね、お父さんは気難しい方ではないけど割と気に入ったらしい。

 娘の彼氏なんて普通よろこばないよね?


「父親に気に入られるとは……服部はどんな手を使った?」

「え?どんなって……手土産持参で来て、調子の悪いお父さんのパソコン直してた」

「「「おおおーーー」」」

「何それ?高校生が手土産ですか?何持って行ったんですか?」

「高橋ちゃん、ご飯にもお酒にもあう佃煮の瓶詰めだって」

「服部、渋すぎるだろ……」


 確かにね、お菓子ぐらいが定番だと思うんだけどなぁ。

 どうしてそんな選択になったのか聞いていないけどさ。


「その上パソコン直したって……?」

「パソコン雑誌買ってるって言ってたから詳しいのかなと思ってちょっと聞いたんだけどね。

 それでちょうどそれらしいトラブルの話がネットに出てたらしくて……それであっさり直ったみたい」

「「「ほおおーーー」」」


 10分か15分くらいしかからず治して戻ってきたから私もすごいと思ったわ。

 私なんかちょっとアプリが使えるだけだもんね。

 動作がおかしいとか言われても直せないよ。


「ただね、それのせいで予定が狂って、いらないところを見せることになったのよ」

「なになに?」

「両親が昼前に出かけることになったのよ……

 お父さんがパソコンの方が終わってから出かけるから昼過ぎになるようなこと言ってたんだけど、パソコンの調子が良くなったから早く終わっちゃって……

 お母さんがお昼を作ってくれるはずだったんだけど……」

「あらまぁ、それは大変だったなぁ」

「そうなのよ」

「で、エッチなことをしちゃったと?」

「違ーーーう、そんなことしてないってば」

「では、キスくらいは?」

「それもしてないよ。で、お母さんがお昼ご飯作ってあげなさいって言って出かけちゃったのよ」

「切るのは問題ないんだけどね。調理できたっけ?」

「どれだけ出来ないか分かってるでしょ?」

「「「うん」」」


 自慢できるほどどころか、切るのはいいけど焼いたり炒めたりのあたりからほとんど出来ない、って言った方がいい位なのはみんな知ってる。

 だから誰かに作ってあげるとかって困るんだよね。


「それで冷蔵庫にあるものでチャーハンを作ってもらったの……」

「あはははは」

「笑うなぁ。こっちは凹んでるんだから」

「まぁ、そうだろうな。それでおいしかった?」

「……おいしかった……

 手順を説明しながら作ってくれたから、何回か作ればそれなりに出来ると思う」

「なかなか、服部くんはテクニシャンですな。しかも、ご両親まで取り込むとは……かなりの優良物件だったかも」

「ナベ、テクニシャンとかいい方がおっさんくさい。

 とりあえず付き合うのに障害はほぼなさそうだからいいんじゃない?」

「まぁね、優しいし」




服部Side

「岡田さんちどうだった?」

「勉強しに行っただけだけど……どうだったとは?」

「そりゃあ、あんなことやこんなことしてないかという話しで」

「親がいるところでそんなこと出来る訳ねぇだろう。

 とはいえ昼前から居なかったけど……あと、あんなことやこんなことはしてないけど昼飯は作った」

「居なかったんなら出来るんじゃね?」

「付き合い始めて一週間経ってないのに出来るか。そこまで俺が獣だとか思われてんの?」

「男ですから」

「男だから我慢するんじゃあ?」


 野郎同士だからエロい方向にばっかり話しを持って行きたがるなぁ。

 いくら彼女の親がいなくてもな、そんなにすぐにやりたいとか言った日には体目当てに付き合い始めたとか思われるだろうが。

 そんなのすぐダメ出し食らうわ。


「まぁ、いいや。勉強の方は進んだ?それに昼飯作ったってどういうこと?」

「いつもよりはいいかもって言ってた。いくらかは点数が上がってるんじゃない?失敗してなければ。

 岡田さん両親が昼飯作るように言って出かけたんだけど、岡田さんがうまく作れないっていうから。

 で、昼飯はチャーハン作ったよ、おいしかったって。」

「そうか……岡田さんもかわいそうにな。

 お前に料理の腕まで見せつけられて……格好付かないとか思ってるんじゃね?」

「うっ。でも、ちゃんと教えながら一緒に作ってるんだけど」


 確かにそう思う。だから一緒に作ろうと言って


「親が居たっていってたけどそっちはどうだった?」

「手土産渡して雑談して概ね終わった。

 あとお父さんのPCがおかしくなったとかって来たんで、ネットでメジャーな症例だったから直したら喜ばれた」

「ポイント稼いでるね」

「これならこのまま付き合っても障害はねぇんじゃね?」

「「「うんうん」」」

「料理の腕を見せつけて過ぎて、岡田さんの減点を稼ぎ過ぎなければな?」




 放課後、野郎どもと遊ぶ約束はなかったので岡田さんの所に行った。

 ちょうど吉村さん達岡田さんの友達が居たので話しをすることになったのだが……


「なかなかやり手だったとか?」

「へ?何それ?エロい話?そんなことしてないけど」

「いえいえ、彼女さんの家に行ってPCの腕だけでなく料理の腕まで見せたそうじゃないですか?」

「まぁ、確かに」

「おいしかったそうですよ、チャーハン」

「うん昨日聞いた。でも……あまり岡田さんの面子を潰すなよって、山田達に言われて悪かったなぁと思ってます」


 あのときはそう思わなかったけど、周りから言われると自覚してしまうよなぁ。

 結構小さいころから料理やってて、こんなのそんな大層なスキルとか思ってなかったし。


「へ?そんなの気にしてないよ?」

「え?そうなの?でもやっぱり男の方が料理が上手かったりすると嫌だったりしない??」

「うんうん…そう思う子もいるよね?ね、京子」

「自分が料理下手なのは自覚してるよ。今時は男の子でも上手い人が多いかもとは思ってたから……」

「じゃあ、時間があれば試験勉強以外に料理も教えようか……それほど大した料理は出来ないけど。

 あと、お菓子は作ったことがないから出来ないけど」

「いいの?というかお母さんに習いなさいって言われた」

「お家デートという事でならいいんじゃない?」

「うん、いいかも」

「「「……やっぱりテクニシャンだよね……」」」


その後、岡田さんをまた家まで送り、今日はお母さんに捕まりお茶をごちそうになってから帰ることになった。

その時、岡田さんに料理を教えるのと「今度ご飯を作って食べさせてね?」ってお願いされた。

両方まとめてできるからいいけどね。


誤字訂正

108行目 「うん昨日聞いた。でも……あまい岡田さんの面子を潰すなよって、山田達に言われて悪かったなぁと思ってます」

  →  「うん昨日聞いた。でも……あまり岡田さんの面子を潰すなよって、山田達に言われて悪かったなぁと思ってます」



2025/09/02

現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。

「 遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?」

https://ncode.syosetu.com/n0014kk/

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