1月4日 (水) 岡田家の実家から帰る……
今日も京子さんの実家で目が覚めた。
流石に2回目の朝ともなれば、ここがどこだか分からないということはない。
隣に京子さんが寝てる。寝顔が可愛いなぁ。でも、あんまりすやすやと寝てると襲ってしまいそうだ。
健吾は……こっちも今日も僕の布団に入ってた。
さて、そろそろ起きますか。
「京子さん、健吾、そろそろ起きるよ」
「「むぅぅぅ」」
「ご飯の時間になるよね。先に起きるよ」
「まだ正直くんにくっついていたいぃ」
「分かった、起きる」
「健吾は偉いな。京子さん、そんな可愛いこと言ってても、いつまでも寝かせてあげられないから」
「ううう」
やっと京子さんが起き出し、それぞれの部屋で着替えを済ませ、リビングに行った。
今日も白米のご飯だ。味噌汁、塩鯖、黄色いたくあんが付いて、今日も茶碗3杯は食べた。
食事も終わり、ゆっくりお茶を飲んで話をした。今日で帰るのでいろいろと聞きたいこともあったようだ。
健吾の方を構ってたので、あまりゆっくり僕については話してないな、そういえば。
「もういい時間だから帰りますか」
「そうですね、あしたは朝バイトありますし」
「えーー、もう帰るの?まだいいじゃんか、兄ちゃん」
「明日は朝からバイトだから、帰らないわけにいかないんだよ」
「もうちょっといいじゃんか。ねぇ、兄ちゃん」
帰らないわけにはいかないし、どうするかなぁ。
「どうしますかね、帰る時間を遅らせる位かな」
「そうだな、夕飯前に帰り着く辺りが限度だなぁ。
渋滞とかも考えると3時頃までだな」
「健吾、3時頃までな。またゲームするか?」
「うん、サッカーゲームやろう」
随分懐かれ過ぎたかな。最初は嫌われてたのに。
うちも妹しかいないから、弟みたいな健吾を構うのは楽しかったからなぁ。構い過ぎたかな。
「健ちゃんに随分懐かれちゃったね、正直くん」
「こんなに懐かれるなんてね。最初は思わなかったけど」
「もう兄弟みたいな感じだよ。私的には彼氏を取られたようなもんだよ」
「ごめんね。うち、妹と直の女兄弟とかしかいなくて、男兄弟いなかったから、懐いてくれるのが楽しくて」
「それなら仕方ないけど、ちょっとさみしい」
さみしい想いさせてたとは思ってたけど、それが寝る時のアレに繋がったのかな。
球技大会の後の時のように、さみしくなるとくっつきたくなるのかな。
なら僕もなるべくくっついていよう。
急遽僕達が延長して居ることになったので、昼食に問題が出た。
ということで、スーパーのデリカで弁当を買って来ることになった。
京子さんと健吾と買い物に出る。最後の買い物となることは分かっているから、健吾の顔が暗い。
「健吾、どうした?元気ないぞ」
「兄ちゃんが帰るから」
「仕方がないだろ?友達はいないのか?」
「休み中旅行とかで居ない」
「そっか……でも、ずっと居るわけにもいかないしなぁ」
「健ちゃん、あんまりわがまま言ってたらダメだぞ」
「むうう」
冬休みで友達が居ないというのもさみしいだろうけど、仕方がないしな。
我慢を覚えてもらうしかないよな。
「せっかく時間があるなら、お母さんに料理を教えてもらったらどうだ?
料理が出来るようになったら、お盆にうちのばあちゃんの家に連れて行ってやろう。どうだ?」
「……料理を覚える。そしたら連れってってくれよ」
「分かった。頑張れよ」
とりあえず健吾の顔にやる気が見えてきた。
料理が出来なくても連れて行ってあげるけど、今は何かしらやらせて冬休みを乗り越えさせよう。
でも、うちのばあちゃんの家に連れて行ったとして、かまってやれるか分からないけどな。真琴や直が構いそうだし。
スーパーへの行き帰りは、健吾の希望であっちに行ったりこっちに行ったりと時間をかけて歩いた。
やる気になりはしたけど、やっぱりさみしいんだろう。
繋いだ手がしっかり握られてた。
それでも時間は来てしまう。
昼食後もゲームをして遊んだけど、すぐに帰る時間になった。
荷物を車に積んで挨拶するが、健吾は目に涙を浮かべていた。
「健吾、何泣いてんだ。
夏にばあちゃんの家に連れて行ってやるから、元気出せ」
「うん、絶対に行くから」
「じゃあな」
「健ちゃん、頑張ってね」
僕は車に乗ると発車した。健吾が道まで出てきて手を振っているのが、バックミラーに映って見えた。
僕は手を挙げて軽く振った。
「健ちゃん、ほんとの弟みたいに懐いてたわね。お母さん達も驚いてたわよ」
「あんなに懐くとは私も思わなかったよ。正直くんをずっと取られてたし」
「友達が旅行とかでいなかったみたいで、遊び相手が出来たからじゃないですか?
僕も同じ経験がありますから」
「そうなの?」
「小さい頃は祖父母の家に行った時は、結構おじさんにべったりでしたよ。
同じ位の歳の子が妹と女の従姉妹だけでし、やっぱり普段生活してる土地じゃないから、知り合いもいなかったし」
「あの位の歳だとあんまり女の子と遊ばないもんね。テレビゲームも興味がある子はあんまりいないだろうし」
相手してくれる男がいれば、年齢関係なく遊んでもらいたくてくっついてくるんじゃないかな。
「それ以外もご飯を作ってくれたりで、うちの両親や健吾のお母さんから良い子だねって言われてたよ。
それに逃がすなとも。京子にしっかり言っときなさいって」
「そんなにですか?嬉しいですけど」
「うん、おばあさん達の命令も出たから、絶対に正直くんを逃さないよ」
「ははは、お手柔らかに」
お互いの親も祖父母も僕らのことを認めてくれてるから、将来的に結婚となっても障害はないと思う。
後はお互い病気やケガがなく、生活出来るよう基盤を作れるようにならないとなぁ。
途中渋滞があったりで大分遅くなったので、帰り着く前にどこかで食べようとなりファミレスに入った。
注文をしてドリンクを京子さんと取りに行って戻った。
「正直くん、今回はいろいろとありがとう。ご飯まで作ってもらって」
「いえ、京子さんも健吾も手伝ってくれましたから」
「それでも嬉しかったよ。お客なのに」
「でも、もう随分お世話になってますし家族みたいなもんですから、ご飯作るくらいはどうってことはないですよ。
うちの実家なんて行ったら、作るのが当たり前ですから」
「家族のように思ってくれてるのは嬉しいね、前にも言ったかもしれないけど何度も言うよ」
その後も岡田家の実家の話や健吾の話、進路の話などいろいろ食事をしながら話をした。
やっぱり健吾のことが一番驚かれていたようだった。
京子さんに懐いていたのが、突然僕にころっと変わちゃったから。
一応夏休み中のお盆に健吾を、うちの実家に連れて行こうと思っている話をした。
大輔さんも健吾のお母さんに許可を取ってくれるそうだ。
予想より大分遅くはなったが帰り着き、荷物を降ろして家に入れていった。
もう家に入る時、自然と「ただいま」と言ってしまうようになっている。
しばらくお茶を飲みつつ、話をしていたら大輔さんが泊まっていくよう言ってきた。
「新聞配達の準備はこっちにあるから、そのまま行けるよね?
朝食はこっちで準備するから」
「明日もお世話になってもいいんですか?」
「ここのとこお世話になってるのは、うちの方なんだけどね」
ということで今日も岡田家に泊まることになった。
残っていたお菓子をお茶請けにお茶を飲みつつ、大晦日からのことを話していた。
振り返ると、行く事が決まっていたとはいえ、向こうでも料理をしてくるとは思はなかった。
でもまぁ、ミッションコンプリートだ。
そろそろいい時間になったので寝ることに。
京子さんも疲れたということで寝るそうだ。
「正直くん、京子、一緒に寝ちゃっていいからね」
「「へっ?」」
「客間の方は布団片してるからね」
「いくら何でも親からそんな事言っていいの?」
「でも、どのみち正直くんの布団に入っちゃうでしょ?」
「いやいや、そんなことないから……」
いやいや、京子さんは元日からずっと僕の布団に入ってたから。
多分今日も一緒に寝てるだろうし。
もう両親公認なんだし、一緒に寝てしまおう……って、おい、両親公認で一緒に寝るなんてどうよ?隠れてすることだろ。
結局最初から一緒に寝る事になった。でも、朝早く起きるから出やすい方で寝た。
起きた時、京子さんはくっついていているだろうから、起こさないように引き剥がさないとね。
【後日談】
健吾の三学期の素行について、健吾のお母さんから連絡があったとか。
料理を覚えると言って手伝うようになって、助かってるって。
更に、学校で女子に優しくなった、と先生に言われたそうな。まぁ、別に
いたずらとかは元々してはいないらしいけど。
料理の件はうちのおばあさんの家に連れてく約束だからだと思うけど、女子に優しくは不明。
阪口さんと仲良くなったか、妙な性教育のせいか……
後者がいい影響を与えたのならあんな話をして良かったと思えるのだが。
京子さんと顔を見合わせてお互い笑った。
2025/09/02
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