1月3日 (火) 岡田家の実家にて過ごす……1
朝、目が覚めた。でも、ここはどこだ?
横には京子さんが僕に抱きついて、まだ眠っていた。
京子さんの温かい体温を感じて二度寝しそうになったが、思い出した。
昨日の京子さんとこの実家に来てたんだっけ。
反対側の隣を見ると健吾がまだ寝てた。しかも健吾もこっちの布団に入り込んでいた。
さて、どうしようか。
二度寝してもいいけどそろそろ朝飯の時間になるんじゃないかと思う。
どこからか美味しそうな匂いがしてくるし。
かといって京子さんを無理に起こすのも可哀想だし。
と思っていたら、健吾の方からガサガサ音がし始めた。もう起きそうだ。
この状態を見てエッチな事をしてたと思うだろうか。
健吾自身もこっちの布団に入り込んで来ているんだから、京子さんも同じだと思ってくれればいいが。
別にやましいことはしてないんだけど。
そうこうしてると、やっぱり誰かが来てドアをノックした。
多分京子さんのお母さん、優子さんだろう。
またこの状態を見られてしまうのか。しかも、今日は健吾付きだ。
「そろそろ朝ご飯の時間よ。起きてる?
反応がないわね、開けましょうか」
ドアを開けて優子さんが入って来た。
そして、僕と目があった。
「おはようございます」
「おはよう。今日は健ちゃんも一緒なのね。お楽しみだったのかしら?」
そういうと今日もスマホを取り出し、写真を撮り始めた。
僕としては大きく動くことも出来ず、甘んじて撮られるしかない。
そのシャッター音でようやく京子さんも健吾も目を覚ました。
「正直くん、おはよう」
「兄ちゃん、おはよう」
「二人とも、おはよう。今の状況は分かるかな」
「「ヘ?」」
二人ともやっと優子さんが写真を撮っていることに気付いた。
京子さんは昨日と同じく布団を被って隠れ、健吾は普通に起きだした。
「おばちゃん、おはよ」
「健ちゃん、おはよう。昨日はどうだった?」
「ためになる話が聞けたよ。あと、今日の夜に流星群見に行く約束をしたよ」
「良かったわね。京子はそろそろ服部くんから離れて起きなさい」
「はーーい」
3人は起きて布団を片付けた後、それぞれの部屋で着替えてリビングに行く。
朝飯は旅館の朝食といった感じの焼き鮭にご飯、味噌汁、海苔、漬物。
僕的には朝からご飯のほうが嬉しい。
でも……
「正直くんのおばあさんとこはトーストにスープ、サラダだったんだよね」
「えー、いいなぁ。パンがいい」
「あのね、京子さん。あれは僕が作ってるからで、うちのばあちゃんの家も朝食はここと変わらない、ご飯と味噌汁、焼き鮭って感じだよ?」
「そうなの?うーー」
そうだ、僕が作らされてるから面倒でトースト等にしてるだけ。
やる気があれば朝飯はご飯にしてる。
「服部くんがおばあさんの家で御飯作ってるの?」
「ええ、僕かおじさんが行くと作らされます。何にするかは自由ですけど」
「おじいさんは作らないの?」
「そうですね。おじさんのときから出来た悪しき風習ですから」
「「「「「ははは」」」」」
僕は茶碗3杯ご飯を食べ、お茶を飲んでお腹が落ち着いた。
味噌汁も堪能し満足いった。
京子さん達は不満げに食べてたけど、お昼は満足してくれるかな。
「大輔さん、この辺で街灯の少ない周りがなるべく暗いとこってありますか」
「暗い所?何かあるの?
河川敷辺りが街灯が少ないかな」
「流星群を観ようかと思って。4日5日辺りがピークの流星群があるんで、いくらか流れ星が観れるかと思って」
「そうか。そうなるとやっぱり河川敷が一番か」
「一度午後にでも下見に行ってみます。
その前にお昼の買い物に行きますけど」
しばらく京子さんと健吾とゲームで遊び、そろそろスーパーの開店時間なので出かける準備をする。
「買い物に行くよ」
「「はーーい」」
昨日と同じく三人で買い物に行く。
流石に今日は別にお菓子を買うわけにはいかない。すぐにお昼になるし甘いものだから。
というこで京子さんと健吾には納得してもらう。
スーパーについて先ずは食パンを選ぶ。ダブルソフトを探す。あれが無いと漬け込みに時間をかけないといけないから。
ダブルソフト5斤、あったものをほぼ全部買い占める。
後、卵、牛乳、生クリーム、バターをかごに入れる。蜂蜜は家にあったから買わない。
支払いを済ませて外に出る。
「京子さん、河川敷ってどこにあるの?」
「向こうかな。帰りがけに寄ってく?」
「そうしよっか。健吾はいいか?」
「うん」
スーパーからもと来た道を逸れ、河の方へ向かう。
この辺りは僕達の地元より大分山に入った所にあるため、河は清流といった感じになっている。
先日の釣り堀のところより流れが幾分穏やかで、鮎釣りが出来そうな様相をしている。個人的には河口のようなところより、こういった鮎が居そうな河が好きなんだよね。
砂利の河原に出て回りの街灯や家を確認する。少ない方が天体観測にはいい。
街灯や家もほとんどないから光に邪魔されず観れそうだ。
河のせいでちょっと寒いけどしっかり着込めばいいか。
「健吾、この辺って鮎釣り出来んの?」
「そうみたい。凄い長い竿を持った人が夏にいっぱい来てる」
「そっか、一度鮎釣りしてみたいな」
釣れるかどうかは別として、この風景の中で釣りがしたいってのが本音かな。
釣り上げるだけが釣りじゃあない。
「鮎釣りって釣り堀で言ってた、おとりを使うやつ?」
「そうそう、特殊な釣りだから」
「兄ちゃん、釣りもできんの?」
「うちのお父さんより上手いよ」
「川釣り、海釣りはちょっと出来るくらいだよ。
フライフィッシングはマジで偶然だから。次も釣れる保証はないよ」
「お父さんはいつも釣れてないから」
いいんですか、大輔さん。京子さんにあんな事言われてますよ。
フライフィッシングは難しいから、ちゃんと技術がないと運次第だと思うけどね。
河の風景を堪能し、京子さんや健吾と遊びながら家に戻る。
時間もちょうどいい頃合いなので、フレンチトーストを作り始める。
「健吾、一緒に作るか?そんなに難しくないから」
「いいの?やるやる」
「じゃあ、手を洗って始めるか。ボールに卵を割ってくれ」
「こう?」
「そうそう。慣れれば片手でも割れるぞ。こんな感じ」
「正直くん、凄い。プロみたい」
これ位もう出来て当たり前なんだけど、京子さんにほめられると嬉しい。
健吾も上手く割れてるな。これなら任せておこう。
「卵を割ったら、砂糖と蜂蜜を入れて甘味を付ける。そしたら、しっかり黄身と白身を混ぜてくれ」
「よしっ。うーーーーん」
「全体をぐるぐる回すんじゃなくて、手前の所だけで小さくぐるぐる高速回転させて混ぜるんだ」
「んーーー」
量が多いから大変だけど、初めてで楽しそうに混ぜてる。
おじさんに教わった時もこんな感じだったなぁ。
「黄身と白身がしっかり混ざったら、生クリームと牛乳入れてまた混ぜる。
牛乳とかと混ざればいいから、高速回転させて混ぜなくていい」
「分かった」
「味見して甘味が足りないなら砂糖を足そう。入れ過ぎてると取り除けないかたら、最初に入れる時は足りないかもくらいでいい」
「ん」
これで卵液が完成。これを食パンに染み込ませてから焼く。
「この卵液を食パンに染み込ませて、バターを溶かしたフライパンで弱火でじっくり焼く」
「分かった」
後はひたすら焼くだけ。
一枚健吾に焼かせてから食べさせる。
「美味いよ、兄ちゃん。そんなに難しくないのに、こんな美味しいのが出来るんだ」
「料理は手間をかけて作るものもあるけど、結構簡単に作れるものもあるんだ。興味が出たなら料理してみるといい。
今日は火を使ってるけど、危ないって言うならホットプレートやIHクッキングヒーターなんかもある。火事にはなりにくいし、やけどさえ気を付ければいい。
野菜とか切る包丁も慣れだ。切ってケガをすることもあるけど、使い慣れればケガもしなくなる」
「兄ちゃんはいつから料理やってんの?」
「小学4年位だったかな。
母さんが料理してるの見て興味があったし、おじさんが教えてくれた」
子供の才能を伸ばすには興味がある事を教えればいい、とか言ってばあちゃんの家で教え始めたんだよな。
家庭料理なら自分の好きなものはいろいろ作れるし、レシピを見てアレンジも出来る。
ただ、料理を覚えたせいで母さんにいいように使われてるけどな。
健吾が食べている間、次々と焼いていこう。
焼けた先から出して、京子さんや京子さんの両親、おじいさん、おばあさん、おばさんと満足いくだけ食べてもらった。
健吾のおかわりはまた自分で焼かせた。
「いつも正直くんのフレンチトーストは美味しいな」
「たまに家で作ってくれるから楽しみにしてるのよね」
「確かに美味しいな、ばあさん」
「作ってくれっていうの?
健ちゃんも作れるくらい難しくないみたいだからたまにならね」
「健ちゃんに教えてくれてありがとね。
あんなに楽しそうにやってるのは、うちでもほとんど見ないから」
美味しいという事とは別に、お礼を言われてしまった。
下の子の面倒を見るのは年上の義務と叩き込まれてるから、自然と身近にいる子はかまってしまう習性なんです。
お昼も食べたし、また遊ぶとしよう。あまり疲れない範囲で。
疲れて夜寝てしまっては健吾が流星群が見れない。
となるとゲームかな。すごろくゲームでもしよう。これなら完全に運だ。
ほどほどに遊んで健吾に軽く昼寝させた。
それにしても京子さんを構ってないか。不貞腐れてないかな?
「ごめんね、健吾ばっかり構って、京子さんを構ってあげられてない」
「大丈夫。帰ってからその分構ってもらうから」
「じゃあ、冬休みの内にどこかまた行こうか?」
「いいの?どこ行こうか」
「近場だと買い物とか映画とかになっちゃうかな、またネコカフェでもいいけど。
帰るのが遅くなるけど水族館とかどこかの観光地に行くくらいかな。
後、究極に構うのなら僕の家でゆっくりと……昼夕、食事付きで」
「うっ、一番最後の誘惑が……水族館とか遠出するぐらいがいいかな」
健吾が昼寝している間に京子さんを構い倒し、とりあえず遠出する場所を決める。
水族館もいいけど、ゆっくりぶらりと歩いて見て回れる観光地がいいと言うことになった。
何駅か先に全国的にも有名な美観地区があるので、そこにでも行こうとかとなった。
### 続く ###
誤字訂正
19行目: またこの状態を見れれてしまうのか。しかも、今日は健吾付きだ。
→ またこの状態を見られてしまうのか。しかも、今日は健吾付きだ。
2025/09/02
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