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お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか  作者: EPO
第10章 高校2年生の年末年始

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1月2日 (月) 岡田家の実家に行く……1

 朝目を覚ました、ドアをノックする音で……


「服部くん。京子が部屋に居ないんだけどここにいる?開けるわよ?」


 その声にようやく頭が回り始め、「京子さんは夜部屋に帰ったのかな?」とか思いながら横を見ると、僕の腕の上に京子さんの頭があった。

 さらに僕にしがみつくようにまだ寝ていた。


 やばい。


 とか思ってももう遅かった。

 京子さんのお母さんがドアを開け、部屋の中を見ると……


「あらあら、まあまあ」


 とか言いながら、スマホを取り出し写真を撮り始めた。

 その頃になってようやく京子さんが目を覚ました。「正直くん、おはよ」とか言って。

 京子さんの頭もまだ覚醒しきっていないようだった。

 しかし、京子さんのお母さんのスマホのシャッター音とフラッシュで、ようやく覚醒し、瞬時に顔が真っ赤になって布団に潜り込んだ。

 「可愛いなぁ、京子さん」とか思ってても、この状況は覆せない。


「寝てただけなんで。手は出してませんよ、多分。ねぇ、京子さん」

「うん。寝てただけ。私も手を出してないよ」


「ふふふ、どちらでもいいわよ。早く起きなさい」

「「はーい」」


 時計を見るともう8時半。いつもならもうとっくに起きている時間なのに、やっぱり遅くまで京子さんと話をしてたからかな。

 京子さんは枕を持って急いで部屋に戻って行った。そういえば枕を持ってたなぁ。ここで寝る気満々だったという事だろうか?


 こちらも急いで着替えてキッチンの方へ行った。

 昨日と同様お雑煮の準備。つゆを温め、具を軽く温めておく。水菜も刻んで。

 揚げる油は昨日のまま使用。減った分をちょっと足すぐらい。つゆが温まり次第、餅を揚げ始めた。


 京子さんも降りてきて、お雑煮の準備も出来たので出した。

 京子さんのお父さんも揃って食べ始める。


「「「「いただきます」」」」


 今のところさっきの事は京子さんのお母さんは話しに出してこない。食べている間は勘弁してくれているのだろう。吹き出してしまう可能性があるから。

 他の話をしながらお雑煮を食べ、食べ終わったところで話しが出てくるのだろうか……出てこない。

 どういうことだろうと思いながら片付けをし、お茶を出す。

 お茶を飲みながらこれからの予定が告げられた。


「10時前には出かけるから準備しておいて」

「分かりました」


 と言っても、小分けにしたあった着替えの一部をデイバックの方に移すだけ。すぐに準備が終わる。

 服装も初詣に出かけたのと同じ格好でいいかな。それ以上の服はないし。

 時間まで京子さんの所へ行って話をする。


「京子さんのお母さんがあの話をしないんだけど……」

「そうだよね。いつもならすぐにお父さんに言って、お父さんがからかってくるのに……」

「このまま言わないって事はないよね。うちの親にはもう写真を送ってそうなんだけど」

「おばあちゃん達の前で言ったりしないよね?」

「それが一番ありそうかな、既成事実ということで。

 そんな事しなくても……ねぇ」


 京子さんの顔がぽっと赤くなった。そして、嬉しそうに微笑んでた。

 僕としてはそのつもりなんだし。




 もう時間になるので、僕達は荷物を持って下に降りた。

 もう車が家の前に出されていた。

 それを見て急に現実感が湧いてきた。京子さんの実家に行くことに緊張してきた。やばいやばい。

  ぎゅ

 京子さんが腕に絡みついて、僕の顔を見上げてきた。

 じーーっと僕の顔を見てる。


「大丈夫?」

「へっ?何?どうかした?」

「なんか、全然反応がなかったから」

「そうだった?なんか、急に緊張してきちゃって」

「へぇー、正直くんでも緊張するんだ?」

「するよ?普通の人間なんだから。

 うちの実家に来た時、そんなに緊張してなかった京子さんの方がすごかったよ?」


 目に見えて緊張してなかったよな、京子さん。

 逆に僕の方はガチガチみたいだ。向こうに着くまでになんとかなるかな?


「あの時はメチャメチャ緊張してたけど、正直くんが手を握ってくれてたから……」

「そうなの?」

「うん」


 僕の腕に京子さんが絡みついてくれてるんだから頑張らないとな。

 これ以上情けない姿は見せられないかな。


 「さあ、行くよ」と言われ、車に乗り込む。

 これから1時間ほどかかるということで、後部座席でゆっくり京子さんと話をしていた、緊張を紛らわせるために。

 それを京子さんの両親が微笑ましく見ていた。


 1時間ちょっと経過した頃、とうとう到着してしまった。もうちょっと遅くても良かったのですけど。

 車を降り、京子さん達と車を駐車しに行った京子さんのお父さんを待つ。

 待っていると、家の中から年配の男女が出てきた。多分京子さんのおじいさんとおばあさんなんだろうな。


「おじいちゃん、おばあちゃん、来たよ。彼氏も連れて来たよ」

「よく来たね。君が彼氏くんかい?」

「はじめまして、服部 正直(まさなお)です。よろしくお願いします。

 これ、お土産です。お納めいただければと」


 あいさつし反応を待った。

 すると笑って京子さんに声をかけてた。


「礼儀正しいいい感じの子だね。京子、いい子を捕まえたじゃないか」

「そうでしょ?料理が美味しいし、勉強も教えてくれるし、サッカーやバスケも上手いよ」

「京子さん、ほどほどにできるだけだよ」


 そんなに持ち上げてくれても何も出ないよ?うれしいけどね。

 とりあえずいい評価を頂いたようで、京子さんに迷惑をかけなくて済みそうだ。


「外は寒いだろ。優子さんも早く中に入って入って」

「正直くん、入ろう」「服部くん、どうぞ」

「はい、お邪魔します」


 うちのばあちゃんの家は五右衛門風呂や井戸、土間もある古い家だったけど、こちらは普通の家で綺麗に掃除されている。

 もしかして僕が来るから綺麗にしてくれたのだろうか。歓迎されてるようだ。

 中に入ろうとすると、奥から高学年の小学生位の子が走って来た。


「京子お姉ちゃん!ああ!」


 満面の笑みを浮かべて走ってきたけど、突然ストップした。

 僕達の方を指差して、怒ってるような感じだった。

 僕達は今京子さんが僕の腕に絡みついた状態だったんだ。


「健ちゃん、久しぶりね。元気にしてた?

 この人、彼氏の正直くん。仲良くしてね」

「健吾くん、服部 正直です。よろしくね」

「べぇーー」


 逃げられた。

 嫌われてる?初めて会ったばかりなんだけどな。


「年上の男が嫌いなのかな、健吾くん」

「いとこのお兄ちゃんには懐いてるよ?」

「反抗期?僕は反抗期が無かったって母さんには言われたけど」

「どうなんだろうね?」


 うーーん、基本的に他人にそんなに嫌われた事は無いんだけどな。

 となると嫌われる原因があるということか……


 今度はうちの母さん位の女性が出てきた。

 聞いてる話だとおばさんかな。健吾くんのお母さん。


「おばちゃん、来たよ」

「あらあら、よく来たね。そっちの子が彼氏?」

「はい、服部 正直です。よろしくお願いします」

「よろしくね。健吾が走ってどっかに行ったけど、何かあったの?」

「さあ?正直くん紹介したくらいなんだけど」

「いつもは京子ちゃんにべったりなんだけどね」

「そうだよね?」


 ん?それはもしかして……

 大好きなお姉ちゃん盗られたってやつですか?僕には経験ないことだけど。

 これだと仲良くなれないかな。



 リビングに通され、いろいろあれこれ聴かれた。

 どっちから告白したのかとか、僕がどんな奴かとか、何処まで進んでるのとか……

 このタイミングで京子さんのお母さんがあの写真を投入してきた。

 あかん。やばいやろ。おじいさんは怒るんじゃあ?


「大輔も同じ年の頃に優子さんに手を出してこんなことしたから、きつく叱った事があったなぁ」

「すみません。でも、一緒に寝てただけでやましい事はしてませんので」

「そうなのか?うちの孫を大事にしてくれてるようで安心だよ」

「父さん、俺としては早く孫の顔が見たいんだけどな」

「おまえは……そういうところは服部くんの方がしっかりしてるな」


 京子さんは顔を真っ赤にしてたけど、おじいさんの僕に対する好感度は上がったようだ。

 僕の事は大体分かったようだった。おじいさんを始めおばあさんもおばさんも温かい目で見守ってくれるようだ。

 しかし、未だに健吾くんが帰ってこない。大丈夫なのかな?


「健吾くんが帰ってこないですけど大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃない?始めて来たわけじゃないし。お姉ちゃん取られて泣いてるだけだから」

「やっぱりそうなんですね。京子さん、この辺を案内してくれない?

 どんなとこか見てみたいから」

「いいよ」


 ということで、周りを案内してもらうことにした。

 うちのばあちゃんの家みたいに田んぼや里山に囲まれた所に在るわけでなく、市街地ほど家が密集しているわけではなく各家の敷地が広い。

 道路も整備されていて、そうそうヘビが出てくるような所ではなさそうだ。


「うちのばあちゃんの家は田舎だったよね?ヘビが出るし」

「でもきれいな風景だったし、五右衛門風呂とか面白かったよ。

 中途半端に市街地でもなく田舎でもないここは、ちょっと退屈だと思うよ」

「まぁ、それはあるかもね。でも、今住んでいる所もおじさんが居た頃は、東側がこんな感じだったらしいよ。駅前みたいにいろいろお店があったわけでもなく、田んぼなんかも結構あったって」

「へぇ」


 山田の家の方がよほど住宅地として開発されてたらしい。

 いずれはこの辺も開発さるのかな。でもこの位静かな感じのほうが住むにはいいかな。


「この辺のスーパーなんかはどうなってるの?」

「正直くんはスーパーの方が気になるんだ。ははは」

「まぁね。生活に必要になるから結構地域性が出るもんだよ」

「じゃあ行ってみようか。15分くらい歩くけど。途中公園もあるから寄ってみようか、健ちゃんがいるかもしれないし。気になるでしょ?」

「そうだね。一人にしておくのも心配だから」


 しばらく歩いていると公園があり、ブランコに座っている健吾がいるのが見えた。

 僕はブランコの方に向かって歩いた。


「スーパーに買い物に行くぞ。お菓子奢るから一緒に行こうぜ」

「……」

「お菓子嫌いか?」

「好きだけど、お母さんが買ってきたの以外ダメだって」

「正月だから特別だ。持って帰らなきゃバレないって」

「いいの?」

「怒られたら俺のせいにすればいい。無理に食べさせられたって。

 俺が怒られるから」

「じゃあ行く」


 京子さんの右手は僕が握ってるから、健吾には京子さんの左手を握らせた。

 そして、スーパーへ歩きだした。

 10分ほど歩くとスーパーに着いた。中は正月のためやっぱり空いていた。

 お菓子のコーナーへ行き、食べたいお菓子を選ぶ。


「健吾、好きなお菓子は?アイスとかプリンでもいいぞ」

「プリンが食べたい」

「じゃあ、生クリームや果物が乗ってるのにしようぜ」


 ちょっと豪華なプリンを3個買って、他にもクッキーやスナック菓子、団子等をまとめてカゴに放り込み、レジに向かった。

 京子さんもお菓子が食べたかったらしい。

 京子さんが他にもカゴに投入し始めた。ま、いいけど。残れば持って帰ればいいし。

 飲み物も買っていこう。


 また、公園に戻ってプリンを取り出した。

 京子さんと健吾の目がキラキラ期待した眼差しになっていた。

 スプーンと一緒に渡して食べ始めた。


「健吾、美味いか」

「うん、美味い」

「なら、良かった。

 健吾は京子さんに彼氏が出来たのが嫌なのか?」

「……うん。お姉ちゃんが好きだったから」

「そっか、悪いな。俺も京子さんが好きだから譲れない」


 子供相手に何言ってんだかな。

 隣の京子さんの顔が赤くなった。可愛いな。


「結婚するの?」

「多分するよ。よっぽど何かない限り結婚するつもりだよ」

「正直くん、多分って?」

「それは僕が事故や病気で死んだり後遺症が残ったりする事もあるだろうし、お互いの気持がすれ違うことがあるかもしれない。

 気持ちのすれ違いはそうならないように努力するけど、抗えない運命のようなどうしようもない場合があるかもしれないってこと」

「絶対にそうならないようにするよ、私は」

「僕もね」


 そう言うと僕の腕にしっかりしがみついていた。

 反対の手で京子さんの頭をなでた。


「へへへ」

「お姉ちゃん、ちょっとキモい」

「なにおぉ」


 健吾も納得したかは分からないけど、落ち着いたっぽい。

 しばらく健吾と最近の小学生の流行りとか話した。

 最近のガンダムは小難しい大人向けなんで、やっぱり流行らないらしい。

 僕の頃も同じか。小学生くらいでも人気があったのは、おじさんの時代のファーストくらいか。


 大分打ち解けたので帰る事にした。

 ただ、健吾と話してて放っておかれた京子さんが不貞腐れてた。

 また頭をなでなでしてご機嫌を取ることにした。

 その様子を見て健吾が爆笑してた。


### 続く ###


2025/09/02

現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。

「 遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?」

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