12月13日 (火) 三者面談 二学期……
期末試験も終わり、冬休みまで2週間ほど。
その間にまた三者面談がある。
その日は母さんが日帰りで戻って来る。
今京子さんの家にいて、夕飯を頂きながらその話をしていた。
「服部くんのお母さん、英代さんが戻って来られるのよね」
「はい、三者面談のスケジュール的には京子さん達の後になってます」
「英代さんが三者面談の後、うちに来て話をしたいって」
「正直くんのお母さんが来るの?」
「そうよ、また京子と話したいって」
「僕の方にはそんな連絡来てないんですけど……」
知らない内に京子さんのお母さんと連絡取ってるんだろうな。
何を話してるんだろう?
とうとう三者面談の日が来た。
成績の点では特に何か言われる心配はしていないが、その後の京子さんの家での方が心配だ。
京子さんの方はしばらく前に終わって、京子さんのお母さんとうちの母さんを待っている。
次がうちの番だから、そろそろ来て欲しい。
と思っているとやっと来た。
「まーくん、お待たせ」
「学校でまーくん言うな」
「京子ちゃんも久しぶり。優子さんもご無沙汰してます」
「正直くんのお母さん、こんにちは」
「英代さん、電話でよく話してますけどご無沙汰してます」
「うちの正直が迷惑かけてるかと思いますけど、今後もよろしくお願いしますね」
「服部くんはうちでよくやってくれてますよ。京子に勉強教えてたりとか、家事も手伝ってくれたりとか」
と、雑談してるうちにうちの番が来た。
「待ってますね」と京子さんのお母さんが言って、僕達は教室に入った。
「服部くんに成績については、特に問題はありません。もうちょっと頑張ればまだまだ成績は上がりそうですけど」
「そうですか。この子はあまり全力を出しませんからね。
何か問題を起こしたりとかは……」
「球技大会でMVPを取って一時的に人気が出たくらいですか」
「は?何ですかそれ?」「先生、それ問題じゃないですよね?」
「家では何も言ってなかったんですか?ああ、今仕事の関係で一緒に住んでなかったんでしたっけ」
先生、そんな余計な事ばらすなよ、あとでうるさいんだから。
それに普段目立たない奴が、そんなの取ったら心配するでしょ。
先生を睨んでたらようやく気付いてくれた。
話しを切り替えてくれた。
「来年は3年生ですが、進路については?」
「近くの大学のコンピュータ系の学科か、コンピュータ系の専門学校を考えてます」
「は?初めて聞いたんですけど?」
「初めて言ったし」
「前に学校で受けた模試の成績であれば大丈夫そうだけど。来年はしっかり模試もやらないとな」
模試で休みが潰れるんだろうな。
でも大学受けるなら仕方ないし、京子さんも受けるだろうから一緒にはいられるか。
「そういえば同じクラスの岡田と仲良くしてるようだけど、ちゃんとしているのか?お母さんの方は知ってますか?」
「岡田さんと付き合ってるのも知ってますし、お互いの家族で認めてますから、何かあっても問題ありません」
「服部くんは解ってくれているので大丈夫だと思いますが、親御さん達が初孫とか言ってせっついたりしないでくださいよ」
「……はい」
うちの母さんは解ってくれたのだろうか。
当人が節度を守るしかないんだけど。そうしないと京子さんを護れない。
「先生、これって岡田さんにも言ったんですか?」
「ああ、岡田のお母さんもおまえのお母さんと同じ考えだったな。
だから、お前と岡田だけが頼りだ。するなとは言わん。ただ、きちんと避妊しろ」
「避妊したって絶対ではないでしょ。責任取れる立場になるまでしないつもりです」
「まぁ、頑張れ」
修学旅行の時もそんな話をしたと思うけど、自分だけの人生じゃあないから、ちゃんとしないと。
京子さんに迷惑かけたくはない。迷惑とは思わないかもしれないけど。
三者面談も終わり、京子さんと合流し京子さんの家に行く。
前回と違い、今日は京子さんのところまで自転車で行ってから、一緒に徒歩通学。学校から自転車を飛ばして京子さんの家に行く必要はない。
「「ただいま」」
「お邪魔します」
荷物を京子さんの部屋に置いて、ダイニングの方でお茶をしながら話を始める。
うちの母さんは聞きたい事がいろいろあるらしい。
「京子ちゃん、まーくんと仲良くしてるよね?先生が心配するぐらいに」
「えっ?先生って?」
「三者面談で僕と京子さんが仲が良過ぎて、子供作っちゃったりしないか心配してるんだよね」
「へ?そんなことまで言われたの?」
仲がいい所はちょっと見てれば分かるだろうし、結構噂になってるんじゃないかな。
子供を作っちゃうかは別として。
「先生が言ってたけど。、球技大会でまーくんがMVPを取って人気が出たとかって聞いたけど」
「ああ、それですね……
今年の球技大会、男子はサッカーとバスケだったんですけど、サッカーの方はのクラスが優勝したんですよ」
「両方ともまーくん得意な球技ね。優勝したのは凄いわね」
「サッカーの方は正直くんは予備要員だったんですけど、ケガ人が出て1回戦の後半から出場したんです。
それで決勝までに2アシスト1得点でMVPになったんです」
「普段そういうの頑張らないのに?京子ちゃんが見てたから?」
「たまたま、いいところにボールが来て、パスしたら上手い奴にボールが届いて点を取ってくれただけだから。
1得点もパスミスがたまたまゴールに入っただけだよ」
元からそれほど頑張ってない。たまたま運が良かっただけだ。
それでMVPとか言われても困るんだけど。
「ふーーん、たまに頑張ってもいないのに活躍してた話は宮崎くんの方からも聞いてたけど、そんな事になるのか……
バスケの方は?」
「1回戦は勝ったけど、2回戦で宮崎のクラスに当たって負けた。宮崎をマークしてたけど、止められなかったし」
「でも、試合は凄かったですよ。止められなかったって言ってますけど、結構何回も止めてましたから。
それにあんなシュート素人じゃあ簡単に止められなくても仕方が無いです」
「バスケもそれなりには活躍したって事ね。
でも、京子ちゃんなんか寂しそうな顔してたけど、何かあったの?人気が出て、調子に乗ったまーくんが浮気したとか?」
「そんなことしてねぇよ」
そんなことするわけ無い。他の女子に目もくれないで京子さんだけなんだけど。
「球技大会中も結構見てる子が正直くんの近くに来てたんで、牽制で膝枕してラブラブなところを見せつけたんですけど……」
「仲良くていいわね。それで?」
「学校でMVPが発表されたら教室に一杯女の子が来てしまって……私が不安になっただけなんです」
「まーくん、それでどうしたのかな?」
「学校で突進してきて顔をくっつけたまま上げてくれないから、無理矢理上げさせて頬にチュウして、その後は休憩時間の度に一緒に居たよ。
土曜だったから午後も一緒に居たし、次の日曜も一緒に居て肉じゃがを作った」
あんなに不安な顔してる京子さんは見たこと無かったし、僕としては他の女の子より京子さんだったから。
それにずっとくっついていても良かったから、僕としても嬉しかったし。
「京子ちゃんはそれから大丈夫だったの?」
「はい、すぐ教室に来てた女の子達はほとんど来なくなったので」
「なんで?」
「あれだけラブラブな彼女がいるんだからって。単純に彼女の座を狙って来てた子が多かったらしい。
それ以外も大半ちょっと見に来ただけだって。ただ、それ以外がまだ居るとか」
「何それ?」
「聞いた話だと、京子さんを大事にしている服部くんを見る会みたいなのがあるらしい。
修学旅行でも、上野の公園で京子さんを膝枕した時に回りに何人かいたし」
「何か怖。まぁ、それだけ仲良くしてるならいいか」
この不思議な会のメンバーは、京子さんを不安にさせてないから気にはしていないけど、ちょっと怖いのは確か。
その後は、それ以外の学校や家での話を京子さんとうちの母さんがしているのをお茶を飲みながら聞いていた。
そろそろお昼という時間になったので、事前に作って冷蔵庫の中に入れておいたサンドウィッチを出す。
多く作っておいたので京子さんのお父さんや社員の方にも出した。
「いつも作ってるサンドウィッチだけど。チキンカツ、ポテサラ、タマゴ、ベーコンレタス」
「何?京子ちゃんにはいつも作ってるの?うちだと作ってくれないのに」
「作ったのも動物園に行った時とフットサルの時のまだ2回だけだ。それに同じ物を作ってるって意味だ」
「英代さん、服部くんはこうやって料理とかも作ってくれるし、京子のことをよく考えてくれてて、いつもいい子にしてますよ」
「まぁ、しっかり猫を被ってるんだとは思いますけどね。こんな息子ですけど、今後ともよろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそ」
昼ご飯を済まし、そのまま京子さんのお母さんも交えた歓談が始まった。
僕は裏方に徹し、お茶やお茶菓子を準備して無くならないように出していった。
流石に3時頃になるとうちの母さんは帰らないといけない時間になったので、京子さんと一緒に駅まで送っていった。
「京子ちゃん、今日も楽しかったわ。うちの息子をよろしくね」
「はい。と言うか私の方こそ今後もよろしくお願いします」
「まーくん、ちゃんと仲良くするのよ」
「大丈夫、他の子に目移りしたりしないから。
そういえば真琴の試験勉強は大丈夫なの?うちの高校受けるんだよね?」
「一応模試とかも大丈夫にはなってたけど」
「ならいいけどね。じゃあ、身体に気を付けてね」
「まーくんの方こそ気をつけなさいよ」
と言って帰って行った。
仕事は順調みたいだから後3ヶ月くらいで戻ってくることにはなっているけど、直近の心配事は真琴のことだろう。
受験に失敗しましたとかは止めて欲しい。
そのまま帰りにいつものスーパーに寄って、食材を買って帰った。
今日は京子さんのお母さんにお任せして、僕らは京子さんの部屋でテレビの録画番組を観ていた。
小さい人や動物が仲良く生活する世界で、いつもいろいろなトラブルに見舞われる二人の小さい人のアニメを観た。
ああいうのんびりした世界がいいよね、試験もなさそうだし、とかいってた。やっぱり試験勉強は疲れるらしい。
もうちょっと何かご褒美でも準備しておかないとダメかな。
その後夕飯を頂き、その後もしばらく話し込んでから、家に帰った。
京子さんのお父さんは年末年始、僕が京子さんの家に居ることが楽しみらしい。早く大晦日にならないかなと気の早いことを言ってた。
誤字訂正
59行目:「服部くんは解ってくれているので大丈夫だと思いますが、親御さん達が初孫とか言ってせっついたりしないくださいよ」
→ 「服部くんは解ってくれているので大丈夫だと思いますが、親御さん達が初孫とか言ってせっついたりしないでくださいよ」
2025/09/02
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