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お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか  作者: EPO
第9章 二学期後半戦スタート

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11月13日 (日) 京子さんの料理教室……

 釣りに行った次の日、昼休憩に調理室をちょっと借りてニジマスのホイル焼きを温める。

 一つ調理室を使わせてもらうために家庭科の先生に賄賂で、もう一つは山田のために席を空けてくれた高橋さんに。


「高橋さん、これをお納めを」

「何?」

「ニジマスのホイル焼きにございます」

「いいの?」

「昨日の釣り、山田のために席を空けてくれたからね。さっき調理室借りて温めてきたから温かい内に」


 京子さんはこの事を知っているし、吉村さんと渡辺さんはもう昨日食べているので知っているだろう。

 回りの女子が気になって見に来てた。


「「「「服部くん、これは?」」」」

「ニジマスのホイル焼き。昨日京子さん達と釣りに行った時に釣ったニジマスで作ったんだけどね」

「「「「渡辺さん、一口ちょうだい」」」」

「おいしいね。で、成果は?」

「いやー、今ひとつ微妙でね。もう一息かとは思うんだけど」

「そっか。またそのうち、作戦を練ろうかね」

「「「「渡辺さん、一口ちょうだい」」」」


 山田と渡辺さんをくっつけよう作戦は今ひとつだったので、またそのうちにとなった。




 さて、先日約束をした、なるべく簡単に味付けする「肉じゃが」の講習会をする事になった。


「本日の講師は京子さんです。司会進行と解説は服部となります。

 よろしくお願いします」

「「よろしくお願いします」」


 僕が進めながら京子さんが説明し、必要であれば解説する事にした。

 これなら京子さんもやりやすくなるかな。


「さて、本日の料理は『肉じゃが』になります。使用する食材は?」

「お肉とジャガイモ、人参、玉ねぎ、すき焼きのタレになります。正直くんのところは椎茸が入ります。

 お肉は牛の細切れ肉となります。自分で作る時は豚でも鶏でもお好みで」


 本日は岡田家ベースの肉じゃがとなっております。


「食材はどうしますか?」

「ジャガイモと人参は皮を剥いて、食べやすい大きさに切ってください。

 切ったジャガイモと人参は電子レンジで加熱しておきます。

 玉ねぎはクシ切りに、お肉は食べやすい大きさに」

「京子、ジャガイモは何使うの?」

「うちは男爵だけど、正直くんとこはメークインだって」

「男爵はデコボコしてて皮が向きにくく芽も取りにくいけど、ホクホクしてるんだ。

 メークインはデコボコしていないので皮が剥きやすく、煮崩れしにくいのがいいんだよね。

 他にもいろいろジャガイモがあるから、お好みでお試してみるといいよ」


 ジャガイモはインカのめざめとか紫色オレンジ色の品種もあるから、手に入るならいろいろ試したいんだけどね。


「どう調理しますか?」

「鍋に油をしいて、おろしたにんにくとしょうがを入れて、香りが出てきたらお肉を入れて炒めます。

 お肉に火が通ったら、電子レンジで火を入れておいたジャガイモと人参を入れて炒めます。

 その後、玉ねぎを入れて炒めます。

 フタをして時々混ぜながら食材の水分で蒸していきます。水分が少ない場合はあらかじめお湯を沸かしておいて少し入れます。

 玉ねぎが透き通ってきたら、塩コショウして下味を付けます」

「質問!なんで蒸すんですか?」

「水蒸気の方が温度が高いからです。お湯は100度ですが、水蒸気は何度になるでしょう?」

「?」

「加熱していれば100度を超えます。

 なので、煮るより火が通りやすく、食材が動かないから煮崩れしにくいよ」


 水蒸気なら鍋全体に熱が回るし、お湯が対流して食材が動くような事はないから煮崩れしにくいし。

 あらかじめジャガイモなんかは電子レンジで火を入れてるから、煮るにしてもそんなに時間をかけないけどね。


「味付けはどうしますか?」

「すき焼きのタレを使います。

 適量入れて、お湯で薄めて調整します。煮物なんで目標の味より少し濃い目がいいようです」

「なんですき焼きのタレ?」

「すき焼きのタレは、煮物の味付けに使う醤油、みりん、酒、砂糖が入ってるからね。甘く作られてるから煮物にも合うと思うよ。

濃く作られてるから好みに薄めればいい」


 いちいち醤油大さじいくつとかしなくてもいいしね。


「この後は?」

「しばらく煮込みます。ただし、グラグラ沸騰するようなのはダメで、弱火でポコッポコッとゆっくり泡が立つ程度にして。

 しばらく煮込んだら、日を止めて冷まします。

 冷めたらまた弱火で同じように煮込んでまた冷ますを、何回か繰り返すしたら完成」

「なんで冷ますの?ずっと煮込んでた方が味が染みるんじゃないの?」

「味は高温な状態では染みにくく、冷めていくにしたがって染みていくんだって。美味しんぼで描かれてた。

 60度位が味が染みやすいみたい。だけど、その温度をずっと維持するのは一般家庭だと面倒だから、温めて冷ますを何回か繰り返すしてるんだよ」

「へぇー、美味しんぼか。温めて冷ますなら手間はかからないしいいか」


 前にも作った肉じゃがですが、細かく説明を入れてみました。

 すき焼きのタレを薄めて調整するだけだから、京子さんにも難しくないから作れるって。今日は出来たしね。


「お疲れ様、京子さん。ちゃんと出来てるから肉じゃがは一人でも大丈夫だね」

「ありがと。でも、料理する時は一緒にいてくれると嬉しいかな」

「なるべく一緒に居るようにするよ」


 一緒に料理が出来るのは楽しいし、またいろいろ教えたいしね。

 なるべく一緒にね。


 2回程温めて冷ますをして、お昼に食べることにした。

 京子さんが自分で味見した分には大丈夫だって。大分味がしみてるらしい。

 僕も味見しようとしたら止められて、お昼まで待ってって言われた。

 そんな事されると期待してしまうな。




 肉じゃがと一緒に、簡単に作った豆腐とネギの味噌汁を出して京子さんの両親も一緒に試食会となった。

 京子さんが心配そうな顔して目を閉じ、何かに祈ってるみたいだけど、そうな京子さんもかわいいな。


 小分けにした肉じゃがに、みんなが箸をつける。

 ジャガイモも結構味が染みてるからいいんじゃないかな。


「京子さん、ジャガイモも大分味が染みてるから美味しいよ」


 その言葉で京子さんは満面の笑みを浮かべて、顔を上げた。

 やっぱり笑顔の京子さんの方がいいね。


「大分味が染みてて美味しいわよ、京子。

 この前の服部くんのもそうだけど、あんまり煮込んでないのに随分味が染みてるわ」

「娘の作った肉じゃがが食べられるなんて嬉しいよ」


 京子さんの両親、とくにお父さんは娘の手料理をいたく喜んでいた。

 味付けとか苦手みたいだから、家で作ってなかったんだろうね。

 それより娘の彼氏の手料理が先で良かったんだろうか·····


「味付けと煮込むのがあれだけで、こんなに上手く出来るなら宮崎に作ってあげられるな」

「……山田にこれを作ったら、山田の方から告ってくれるかな」

「ナベ、なんか言った?」

「いいや、京ちゃんがここまで出来るんだから、私も出来るかなって言っただけだよ」

「ふーーん、そうなんですか。渡辺さんが『山田に』とか聞こえた気がしたんですけど」

「高橋ちゃん、そんな事言ってないって」


 渡辺さんがまたイジられてる。やっぱり山田に関係あることなんだろうな。

 二人共素直になれば、そんなにイジられなくてすむと思うんだけど。




 後日……

 昼休みにいつものように山田達と一緒に誰かの席に集まり、アニメやマンガの話をしながら昼飯を食べている。

 今日の僕の昼飯はパンとなっている。朝近くのパン屋で買ってきている。


 食べ始めてしばらくすると、タッタッタッタッとこちらに駆けて来る足音が聴こえた。

 京子さんではなかった。今は不安になるような事はないし。

 ……渡辺さんだった。


 山田の前で止まり、何かが入った小ぶりのタッパーを山田の目の前置いた。


「山田、ホイル焼きじゃあないけど、これで私の魅力も増すかしら?」

「渡辺さん?何これ?」

「肉じゃがよ。美味く出来たからお裾分けよ」

「ありがと。じゃあいただくよ……」

「どう?……」


 渡辺さんが家で練習したみたいだね、肉じゃが。

 向こうで京子さん達が何やら応援しているっぽいんだけど。

 見た目は美味しそうにできてるね。余程のことがなければ大丈夫だと思うけど。


「美味しいよ。渡辺さんの魅力が増したんじゃない?」

「なっ?それだけ?」

「??」


 渡辺さん、山田にははっきり言った方がいいと思うよ。

 向こうで京子さん達も何か言ってるみたいだけど。


 すると、渡辺さんはこちらに背を向けて走り去ってしまった。


「わああぁ」

「??」


 後ろで高橋さんが西川と武田にタッパーを渡していた。


「山田くんの情報提供と後方支援の見返りです。お納めを。

 感想もよろしくね」

「サンキュー」「ありがとね」


 高橋さんが裏でほんとに暗躍してる。

 ターゲットが渡辺さんと山田になっている。くっつけるまで逃さないのだろうか。

 ちょっと怖いな。

 渡辺さん、もうちょっと頑張ろうな。




岡田さんSide

 渡辺さんが頑張ったのに山田くんに通じてないのかな?

 正直くんははっきり言わないとだめなんじゃって言ってたけど、渡辺さんも山田くんに告ることはしないでさせようと思ってるから……

 私達は応援することしか出来ないのかな。


2025/09/02

現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。

「 遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?」

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