10月31日 (月) 釣りに行こう 前日譚……
修学旅行も終わった最初の登校日。
期末試験まで特にイベントのない二学期後半戦をどうしようかなと思っていたところで、京子さんのお父さんから釣りの話が来た。
僕達は予定がないので参加するけど、他に4人連れて行けるよという事で吉村さん達や宮崎を誘うことにした。
「宮崎、急で悪いんだけど11月3日は暇?吉村さんと特に予定は合ったりする?」
「無いけど、何かからかう予定か?」
「いや、そういうことじゃ無いんだけど。
京子さんのお父さんが釣りに行こうって話になったんだけど、あと4人行けるからって話で」
「吉村さんの予定は聞いてないけど、吉村さんが行くなら俺も構わんけど」
「分かった。
でも吉村さんの予定くらい把握しとけよ。せっかく休みなんだからデートくらい企画しとけ」
吉村さん的には一緒に何かしたいだろうに。
もうちょっと気を利かせてやれよ、とか思うんだけど。
「修学旅行の疲れがあるから、休みはゆっくりした方がいいかなとか思ったんだよ」
「それでも、ゆっくり出来るデートはあるだろ、お家デートとか」
「わああ。それだと親に紹介することになるだろ。お互いまだ親に紹介するとか恥ずかしいんだよ」
「ヘタレめ」
とりあえず宮崎は吉村さん次第と。
宮崎と別れて教室に入ったら、また何やらキャーキャーと女子が京子さんの近くで騒いでいた。
入り口近くの大戸に話しかける。
「おはよ、大戸。また、何かあったの?」
「服部か、おはよ。修学旅行のアレの続きだよ」
「ならいいんだけど。また、京子さんを不安にさせるような事でも起きてるのかと思った」
「アレもらっててそうそう不安にならんだろ」
「まぁ、そうだけどな」
荷物を自分の席に置いて、京子さんの席の方へ行く。
吉村さん達がいるので、京子さんと一緒に釣りの話をしてみる。
「吉村さん達、11月3日って予定ある?」
「なにかあんの?」
「京子さんのお父さんが釣りに行こうって話しがあって、4人は友達を誘えるっていうんでどうかと。
一応宮崎は暇なんで吉村さん次第だって」
「あたしは予定は空いてるよ。宮崎が行くんならいいよ」
「京ちゃんと吉村ちゃんのイチャイチャぶりを見せられるのか……」
「なら渡辺さんのために山田くんを誘ってもらったら?」
「なっ!何いってんの?」
何か爆弾発言が!
そりゃあ修学旅行で何か仲良くなってた感じがするけど、そういうことなんですか?
京子さんにこっそり聞いてみる。
「京子さん、知ってた?修学旅行で作戦会議してたことなのかな?」
「渡辺さんのはしてないよ。渡辺さんは他の人の計画に楽しそうにのってたから」
自分の事より他人の事って。渡辺さんらしいというか、からかうためにやってたのかな?
「えーーっと、山田とそういう感じの関係になりたいんでしょうか?それなら協力しますけど?」
「違っ、そんなんじゃねぇし」
「いやいや、渡辺さん。3日目の時、結構山田くんの方を見てましたよ」
「違っ、高橋ちゃん」
「渡辺、素直になれよ。仲いい感じだったじゃんか」
「違っ、からかってただけじゃあ」
「まあまあ」
どうしましょうかね?
ここは高橋さんの協力に期待しよう。
「高橋さんは?予定はあるの?」
「予定が入る予定です」
「じゃあ、仕方がないね。山田にも声かけるか」
「仕方なくないだろ!」
ということで山田にも予定がないか確認しないとね。
どうせなら、ここで山田と渡辺さんをくっつける大きなお世話をみんなで焼いてしまいましょう。
「山田、11月3日暇?」
「特に予定はないけど?何かあんの?」
「京子さんのお父さんが釣りに行こうって話になって、友達もどうかって」
「宮崎と吉村さん達じゃないの?」
「高橋さんが予定が入る予定なんだって」
「なんだそりゃ」
そりゃあそうだろう。
渡辺さんと山田をくっつけようという、高橋さんの策なんだから。
「で、渡辺さんの相手をしてもらおうかと」
「はぁ?なんで?」
「俺と宮崎は京子さんと吉村さんの相手をするのに忙しいから」
「なっ、お前が二人を相手にすればいいだろ」
「山田、服部は岡田さんの相手で忙しいに決まってるだろ。
渡辺さんを一人寂しい思いをさせていいのか?」
西川もこの話に乗ってきた。
適当な理由を付けてくっつけようとしてるのに。
せっかくのこの面白いチャンスを逃せないよな、西川。
「じゃあ他の奴に頼もうか?西川とかに」
「いいんじゃないか?」
「ほんとに?」
「ああ」
「山田、俺が渡辺さんの相手をしていいのか?」
「ほんとにほんと?」
「······分かった、分かったよ。行けばいいんだろ」
「ああ、助かるよ。昼飯は準備するから、よろしく。
あと前日泊まってていいよ。朝飯もサービスするから」
「分かった」
これでからかいのネタが増えるのかな。楽しみだ。
「山田、頑張れよ。ニヒヒ」
「西川、何をだ!」
西川、いい結果が出ることを期待していてくれ
授業が終わり、いつもように放課後京子さんの所に行った。
吉村さん達もいたので山田の事を伝える。
「山田は大丈夫だって。渡辺さんの相手を快く引き受けてくれたよ」
「なかなかやりますなぁ、服部くん」
「いえいえ、高橋さんほどではございませんよ」
「「ニヒヒ」」
「正直くんが悪い顔してる」
「服部、何やってんだよ!」
「えっ?山田が暇だったから釣りに誘っただけだよ?
僕と宮崎が京子さん達の相手で忙しいから、渡辺さんの相手をしてくれるよう頼んだだけで」
ホストである僕と京子さんが、ゲストである渡辺さんと山田に楽しんでもらえるようにするのは当然。
ついでに昼飯も頑張らないと。
そのまましばらく渡辺さんをイジってから、京子さんと家に帰る。
途中、頼まれていた食材をいつものスーパーで買って。
いつものレジに人が生暖かい目でこちらを見て微笑んでいた。
「「ただいま」」
「おかえりなさい。買い物ありがとね」
「いえ、大した事はないので。でも、レジの人が生暖かい目で見てましたけど」
「ああ、『うちの娘が婚約指輪 (仮)を彼氏からもらったの』って話したからかしら」
「お母さん、なんて事を言ってるの?」
「ははは」
そのまま夕飯の時間までお茶をしながら話をしていた。
平日でもたまに僕の方が夕飯を作ることもあるけど、ほとんどお世話になってるなぁ。
もう少し夕飯を作る回数を増やしたほうが良いだろうか。
夕飯も出来上がり、京子さんのお父さんも帰ってきて食べ始めた。
「釣りの件ですけど……吉村さんと宮崎、渡辺さんと山田の4人になりました」
「高橋さんじゃないの?」
「予定が入る予定だそうです」
「?」
「渡辺さんと山田をくっつけようと暗躍している最中です」
「そうなのか、大変だな」
「そうなんです。修学旅行でいい感じだったので、イジって……いや、くっつけてしまおうかと」
「服部くん、何か悪い顔になってるよ」
「そうですか?そんな事ないですよ。友達の幸せのために行動してるだけですよ」
「ほどほどにね」
その後、釣りに行った時の昼食について話す。
釣り上げたニジマスを食べられるという事なんで、おにぎりとかパンだけ準備してもらって、塩焼きやその他は僕の方で準備する事にした。
「何を作るんだい?」
「ホイル焼きとムニエルですかね。ちゃんちゃん焼きもいいですね」
「お、いいね。楽しみだ」
後は前日と当日朝に準備していけば大丈夫かな。
2025/09/02
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