10月28日 (金) 修学旅行 4日目……
今日は修学旅行最終日。
1カ所江戸東京博物館を見学してから地元に帰る事になっている。
江戸東京博物館は両国国技館の隣にあり、大きなジオラマがいくつも展示されているらしい。
ホテルからしばらくバスで移動。
京子さんの隣に座って話をする。
「京子さんの方はあれからからかわれたりした?」
「からかわれはしなかったけど、いろいろ正直くんとの話を聞かれたよ。
どんな風に告ったのか、何処に行ってるとか、普段どんな感じなのかって」
「そんなにドラマティックな話しじゃない普通な話しなのにね」
「でも、正直くんが優しくしてくれて、いろいろしてくれてるのは分かってくれたよ」
「なんか恥ずかしいな」
その後は江戸東京博物館の話をしている内に目的地に着いた。
クラス単位で中に入り、後は中では自由。
早く見終われば、常設展示ではない小展示場や隣の国技館までは移動が許可されている。
流石に回向院までは許可されなかった。
宮崎が合流するのを待って、まずは江戸時代の展示スペースに。
まず、目を引いた江戸の街を再現したでかいジオラマを見ていた。
テレビでも紹介されていた面白い行動をしている人形があったりするのだけど、小さいのでよく分からない。
京子さんにもその話をして探してたみたいだったけど分からないようだった。
「ほんとにあるの?」
「うん、あるはずだよ。テレビで映してたし」
「うーーーん」
その他、実物大の庶民の長屋や当時の橋、品物なども再現されていた。
意外に中は広く歩き回れるので、ゆっくり京子さんと二人あちこち行ったり来たりして見て回った。
別のフロアは明治から昭和にかけての展示が行われていた。
こちらも明治頃の銀座の町並みのジオラマや主要な建物の模型が展示されていた。
洋館や馬車の実物大模型や古い昭和初期の家電なんかも展示されていた。
馬車は乗れるので一緒に乗って写真を撮ってもらったりした。
色々見て1時間半くらい、二人して手を繋いでゆっくり話ながら歩き回った。
ジオラマは見応えがある程作り込まれてるけど、高校生にはそれほど面白くは無かったかな。
江戸東京博物館館内は見終わったので外に出た後、隣に国技館があるって話だったのでそちらにも行ってみる。
相撲をやっているタイミングでは無かったので力士がいたりという事はなく、売店には行けるみたいなので行ってみた。
相撲関係のグッズやお菓子などがあったので土産に買ってみた。
売店の案内を見ると相撲の場所中は入場しないと買えないという事なので、土産を買うだけなら相撲をやってない方が都合がいい。
バスに戻り、山田達や吉村さん達の所に行く。
山田がこちらに来て話しかけてきた。京子さんは吉村さんに連れ去られたけど。
「服部、どこに行ってた?」
「国技館の売店。相撲グッズとか売ってたから土産にと思って」
「入れんの?」
「相撲の場所中じゃなかったら入れるって」
「もう時間ないよな?行ってくれば良かった」
「相撲好きなの?」
「ばあさんがな」
「じゃあ、山田のおばあさんにあげて。欲しいものは無いかもしれないけど」
「いいのか?悪いな」
山田のおばあさんには叔父さんも世話になってたし、このくらいどうということはない。
お菓子は京子さんも買ってるし、少しくらい食べさせてもらえるだろう。
時間になったので東京駅に向かう前に、近くの宴会場のある飲食店で昼食。
土俵があるとか聞いてたけど、見る前に宴会場に入った。
京子さんはここでもまた離れた場所となった。自由行動の時しかそばで食事ができていないな。
料理は和食で、ホテルとか洋食ばかりだったからちょっと嬉しい。
食事のあとは、もう東京駅に移動して地元に帰るだけ。
これで修学旅行が終わる、3泊4日の旅行が。
なんだかんだですぐに終わったな。
久しぶりに叔父さんにも会えたし、京子さんと二人でいろいろ回れたし、いい思い出が出来たかな。
新幹線に乗り込み、京子さんの隣りに座った。
しばらく京子さんと話していたけど……僕は意識を手放し京子さんの肩に頭を乗せても寝てしまった。疲れてたらしい。
そのまま僕の寝顔を見てたらしいけど、京子さんも眠ったみたい。
それを見ていた山田達や吉村さん達が写真を撮っていた……らしい。
恥ずかしいだろ。
地元の駅までもうしばらくという所で、僕の方が先に目が覚めて京子さんの寝顔を眺めていた。
そうしてると京子さんも目を覚ました。
僕がじっと顔を見てるのに気付いた。そしたら顔が真っ赤になった。
「正直くん、恥ずかしいよ」
「えー、可愛いからずっと見ていたいよ」
急に京子さんが手で顔を隠してしまった。
もったいない。
駅について、教師の挨拶が終わって解散となった。
僕は京子さんと一緒に京子さんの家まで帰って来た。
「「ただいま」」
「おかえりなさい。旅行は楽しかった?」
「うん、楽しかったよ。それにいいこともあったし」
「そうなの?夕飯食べながら話してちょうだい」
そのまま夕飯をご馳走になりながら、修学旅行であったことを話した。
うちの叔父さんが来て、京子さんを紹介したことも話した。
いろいろなお土産屋さんを回ったとか、水族館のカワウソが可愛かったとか、執事喫茶のお姉さんがきれいだったとか、ちょっとした事を話した。
友達と夜ふかしして恋愛相談したりした事も京子さんが話してた。
野郎共が修学旅行中に告られて女子の方を優先した裏切り者を、粛清するとか言い始めた話とかも。
食後も話は終わらず、お茶を飲みながら話は続いた。
そんな中、京子さんのお母さんが京子さんの左手の変化に気付いた。
「あら、京子。左手のそれって……」
「「えっ?」」
「あらあら、指輪じゃない。どうしたの?薬指にはめてるけど。
服部くんに貰ったのかな?」
「何?結婚指輪か?」
「お父さん、その前の婚約指輪でしょ?」
「ああ、そうだな」
いずれ指輪には気付かれるとは思ってたけど、もう気付かれた。
女の人って意外に目ざとい。
「婚約指輪 (仮)ですよ」
「婚約指輪 (仮)?」
「京子さんにこんな安い指輪でなんて失礼じゃないですか」
隣に顔を顔を赤くしてる京子さんがいた。
でも、顔は嬉しそうでちょっとニヤけてた。そんな顔も可愛いから。
「京子、良かったわね」
「うん」
京子さんが喜んでくれるとか、指輪を贈る事ができて良かったよ。
その後も指輪の話やお父さんのからかいに京子さんが怒ったりで、楽しい時間を過ごした。
「服部くん、明日は学校休みだよね?
疲れてるだろうから泊まっていきなさい」
「いいんですか?」
「もう、うちの息子みたいなもんだから、遠慮せず泊まっていきなさい」
「お父さん、またからかってる?」
「ち、違うよ?もう毎日のようにうちに来てるから、家族のようなもんだよって事だよ。
それに、お父さん、息子も欲しかったんだよ」
そういう気持ちもあったから、入り浸ってても嫌われなかったのか。
うちの親父は単身赴任でなかなか帰って来ないからな。どうしてるんだろ。
「明日は朝のバイトは休みを取ってるんで、ゆっくり泊まらせてもらいます」
「朝ご飯は準備しなくていいから、ゆっくり寝ててね」
「分かりました。その代わり夕飯は作ります」
「いいの?いつも悪いわね」
その後話し込んで普段より遅くまで起きていて、そのまま泊まっていった。
2025/09/02
現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。
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