10月27日 (木) 修学旅行 3日目……2
ホテルに着いたけど、まだみんな帰ってきていなかった。
荷物を片付けた後、ラウンジで京子さんと待ち合わせて話をすることにして、みんなが帰って来るのを待った。
しばらくすると宮崎と吉村さん、山田達と渡辺さん達が一緒に帰ってきた。
皆笑ってるから楽しめたみたい。良かった。
「「おかえり」」
「おう、ただいま」
「楽しんできたか?宮崎」
「おう、吉村さんも楽しんでたよ」
「イチャイチャしてきたか?」
「「……うっ……」」
楽しんできたようだけど、イチャイチャは足りなかったようだ。
吉村さんが満足してればいいんだけどな。
「山田、メイド喫茶どうだった?」
「普通だよね。もう情報いっぱいあるから目新しいさがなかったし」
「山田は結構楽しんでたよ。オムライスに美味しくなる魔法かけてもらってたし」
「渡辺、ばらすなよ」
「チェキも撮ってたしな」
「わあああ」
「山田……メイド好きだったんだな?」
「今度メイド服着てやろうか?」
「わあああ、やめろ、渡辺」
随分打ち解けたみたいだな。
これ以上つつくと飛び火しそうだ。やめておこう。
「京ちゃんはどうだった?」
「ペンギンもカワウソも可愛かった。アシカのショーも良かったよ」
「それ以外にも何かいいことあったよね?」
「えっ?執事喫茶のお姉さんが綺麗だったよ?」
「何か誤魔化してない?」
ああ、あれは何か気付いてるなぁ。
ばれると盛大にからかわれるけど。
「ないよ?」
「ん?左手、何を隠してるのかな?」
京子さんがこっちを見ながらぷるぷると震えてる。
諦めよう、イジられるしかないよ。
「ああ、それ?京子さんが欲しそうなアクセが安かったんで買ってあげたんだよ。やっと許可が出たから」
「へぇー、京ちゃん、良かったじゃん。この間の指輪がペンダントトップになってるのに続いて2つ目だね」
「宝物が増えちゃったよ」
「で、どんなアクセ?見せて」
「へ?」
「……京子さん、諦めよう?見せるしかないよ」
「……やっぱり?」
どこまで話が広がるか······クラスだけで終わればいいなぁ。
明日は帰るだけだし、土日に忘れてくれてるといいなぁ。
学校でまで話が広がらなければいいけど。
京子さんが左手のアクセを見せた……
「「「「「「「おおお」」」」」」」
「婚約指輪ですかな……」
「すげえな、服部」
「婚約指輪じゃないよ。婚約指輪 (仮)だよ。ね、京子さん。
いずれちゃんとしたのを贈るんだから」
「ぷっ、ははは。うん、婚約指輪 (仮)だね」
これを婚約指輪というには安すぎるよ。
ちゃんとしたものを必ず贈るよ、必ず。
「(仮)でも羨ましい」
「京ちゃんは愛されてるねぇ」
「はっきり行動で示してくれるのは嬉しいですよね」
なんか持ち上げられてるけど、何も出ないからね?
いつまでもここにいても仕方がないので、京子さんとは「また後で」と話して部屋の方へ山田達と戻った。
京子さんはこの後散々イジられそうだけど。
岡田さんSide
婚約指輪 (仮)とはいえもらったら嬉しくてニヤけちゃう。
しばらく平常心には戻れないかも。
「にへへ」
「京子、顔がニヤけたままだよ」
「やっぱり嬉しくって我慢出来ないよ」
「そりゃあ分かるけど……他の人にばれるとイジられるよ」
だけど、嬉しい気分の方が強すぎるよ。
出来れば、今日明日修学旅行中は指輪を着けたままにしておきたい。
見つからないって事はないんだろうけど。
「岡田さん、左手のそれ、何?」
「へ?」
「何どうしたの?」
えっ?もうばれた?
なんで?
「岡田さんが何か嬉しそうにしてるから、服部くんから何か貰ったのかなと思って見てたら左手に……」
「ああ、ほんとだ。何か着けてる。指輪?」
「「「「「「「えええー?」」」」」」」
「服部くんから?」
「婚約指輪とか、服部くん、男前だね」
「「「「「「「すごいわぁ」」」」」」」
嬉しいやら恥ずかしいやら。でも、どうしてもニヤけるのが止められないよ。
修学旅行だからいきおいで買ってくれたんだと思うけど。
「婚約指輪 (仮)だよ?」
「(仮)でも凄いよね。どんだけ愛されてるの?って感じだよね」
「もう、子供も作っちゃう?」
「それはないから。正直くんが結婚してからねって言ってるし」
「はあー、大事にされてるねぇ」
「そこらの男子なら、すぐにしちゃいそうだよね」
「「「「「「「うんうん」」」」」」」
その辺りの考えは大人を通り越して親って感じだよね。
それに今子供が出来たらそれはそれで幸せだけど、私の人生が微妙に変わっちゃう。
それが正直くんには嫌なのかな?
服部Side
山田達と話しているうちに、うちの部屋のみんなが帰って来た。
楽しんできた奴も多いけど、落ち込んでるのもいるな。
「おかえり。落ち込んでる奴がいるけどどうしたの?」
「こいつ?自由行動中に、好きな子が彼氏らしい奴と歩いてるのを見ちゃってさ」
「ご愁傷さま。その内また好きな子が現れるよ」
「勝ち組のお前に言われたくねぇ!」
「「「「「「「ははは」」」」」」」
こういうイベント事は告るチャンスだし、早く告ってれば違ったかもしれない。恋愛なんて早い者勝ちなんだと思うよ。
僕らの場合は、京子さんが勝ったわけで。
「服部、太情報によると岡田さんに婚約指輪贈ったんだって?」
「へ?もうそんな情報が回ってんの?」
「ほんとなんだ。もう、他のクラスも知ってるんじゃねぇの?」
「マジか。ただ正確には婚約指輪 (仮)だ」
「何それ?(仮)って」
「高校生が修学旅行中に買える程度の指輪で婚約って失礼だろ。京子さんを安く見てるみたいだし」
「確かにな。どのくらいまで出せるかは知らんけど、金額が気持ちを示してる物はあるよな」
高い物を贈らないと愛してないと思われるのも嫌だけど、それなりにちゃんとした物でないとそれはそれで失礼だよね。
だから今は婚約指輪 (仮)。
「そういえば……誰か告られたか急に自由行動女子と回ったやつはいないの?
京子さんが昨日女子が作戦会議開いてたって言ってたけど」
「裏切り者が二人いたな。急に別行動するとか言ってた奴が」
「こっちも一人いたぞ、裏切り者め」
「「「「「「粛清だ」」」」」」
なんかやばい雰囲気になったけど、ほどほどにな。
「服部の方はどうだった?愚問だとは思うけど、成功体験を聞きたい」
「俺?午前中はいつものメンバーで上野動物園でパンダ見たりして、午後はクラスの女子二人と合流して執事喫茶に行ってから、その後サンシャインの水族館に行った」
「クラスの女子二人?どういうこと?ここにも裏切り者が?」
「京子さんとサンシャインに行く事が決まって、他にどうしようかって話してたら京子さんが誘われたんだよ。俺はオマケ」
「「「「「それでも羨ましい」」」」」
裏切り者って。俺は京子さんだけだよ?
京子さんが楽しめなかったら、クラスの女子と合流しないよ。
不安にさせるだけだし。
夕食を取り、入浴を済ませた後で京子さんとラウンジで待ち合わせ。
しばらく話をするとこに。
「京子さん、あれからみんなにイジられたよね?」
「そんなでもないよ。羨ましがられた感じ。正直くんの方は?」
「特にはないかな。でも、婚約指輪 (仮)の話しは他のクラスにも回ってるらしいよ」
「えっ?ほんと?学校始まったらまた見に来る人が増えるのかな……」
「どうだろうね。
あと、告って上手くいったっぽい奴の話しは聞いたけど。
ただ、男子では裏切り者として粛清されるかもしれない」
「ははは、誰だろ。こっちでも調査してみないと。でも、こっちでも裏切り者とかってなるのかな?」
「ははは、女子の方はみんなで作戦会議してたんでしょ?なら、大丈夫じゃない?羨ましがられるとは思うけど」
その後も他愛のない話をしてからそれぞれの部屋に戻るけど、それまで周りに何人かこちらを見てる女子がいた。
なんだろね?京子さんを大事にしてる僕を崇拝してる子達?
2025/09/02
現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。
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