10月27日 (木) 修学旅行 3日目……1
今日は1日自由行動の日。
僕達は9時30分までに上野動物園に行けるように、朝食を取り準備をする。
執事喫茶に行く子達が、待ち合わせ時間の確認を京子さんとしてもう出かけていった。
意外に見に行くとこがあるらしい。
さあ、そろそろ移動しよう。
みんなで上野まで電車で移動。下調べしておいたからいいけど、出口が多いから迷いそうだった。
駅からそれほど離れていないので、歩いてすぐに着いた。
地元の動物園とは違うなぁ。
昨日来た博物館も近く、東京だからなのか動物園の入口すら大きい。
まずは目的のパンダだ。そちらに移動する。
京子さんと手を繋いで、手を振りながら歩いてる。しかも······
「パンダちゃんパンダちゃんパンダちゃん」
と、つぶやいてた。かなり楽しみだったんだろうな。その笑顔が可愛いかった。
その隣の京子さんの顔を眺めながら歩いていく。
「なに?」
「なんでもないよ、笑顔が可愛かったから眺めてただけ」
「ぷーー」
後ろを歩く吉村さんが羨ましそうにしてた。
「宮崎もあのくらいしてくれたらなぁ」
「えっ?」
更に後ろを歩く山田達は呆れた顔で僕達を見てた。
「宮崎も至近弾食らって大変だな」
「あれで宮崎くん達も同じようにし始めたら、近くに居れないよ」
「服部の方が更に進化したらどうすんだ?」
「進化って?」
「歩きながらチュッチュとキスするんだよ」
「いずれ、しそうだね」
「「「「あああ、確かに」」」」」
なんか後ろで失礼な事を言ってるような気がするけど、すでに京子さんの顔が真っ赤になってきているから放っておこう。
もうパンダの所に来たら、女子達がパンダを見に走っていった。その後ろを宮崎が走っていった。
山田達は更に後ろを着いて見に行く。
今は大分大きくなった双子のパンダがいるので見に来る人が多い。
京子さん達と宮崎は前のめりに見ていて、僕と山田達はその後ろから見ていた。
「正直くん、パンダかわいいね」
「今はおしりしか見えないけどね」
「ぷーー」
「あ、動き出したよ」
「ああ、かわいい」
「そういえば、ばあちゃんの家にあったアルバムに、小さい叔父さんが大きいパンダのぬいぐるみを持ってる写真があったよ」
「「「「何それ。かわいすぎるシチュエーション」」」」
小さいけど叔父さんの写真なんだけどね。ちょうど最初に来たパンダの少し後くらいの時期らしい。
探せば見つかると思うけど、流石に叔父さんの写真だから。
京子さん達が満足するまでしばらくパンダを眺めてから、別れて動物を見に行く。
僕達はふれあいコーナーの方へ移動した。
山羊や羊、モルモット等がいて触れるようになっていた。
「ああ、モフモフ、モフモフがいる」
京子さんが興奮気味に撫でてる。真っ赤になってるけど可愛いな。
僕も横に座り、モルモットをモフモフしてた。
そうしていたら小さい子がこっちにトコトコ歩いて来て、僕が撫でていたモルモットを撫で始めた。
小さい子がモルモットを撫でているのを京子さんが見ていた。
顔が蕩けてますよ?
モルモットを小さい子に抱かせてあげたら喜んでた。
捕まえられなかったのかな?
「こんな子がいいなぁ」
って、ぼそっとつぶやいてた。
「えっ?」
僕の顔が一気に真っ赤になった。いきなり何を言ってらっしゃるのかな?
京子さんの方を見ると、自分も真っ赤になっていた。
「京子さん、いずれ将来的にね?」
「うん、いずれね」
一昨日、先生にも釘を刺されてるから。
きちんと結婚してからね。
モルモットを撫でてた子が僕達の事を不思議に思って首を傾げていた。
すると、その子はそのままお母さんのとこに走って戻って行ってしまった。
京子さんがすごく残念そうにしていた……
そろそろ別の動物の所に移動。
途中向こうを手を繋いで歩く宮崎と吉村さんが見えた。
お互いに笑って顔を見合ってたので、大分改善されたのだろう。
声はかけず、そのまま進んで行った。
京子さんは後でからかうつもりなのかニヤけてた。
「京子さん、何処に行きたい?」
「フラミンゴとかハシビロコウとか鳥を見たいかな」
「ハシビロコウってあんまり動かないんだっけ。マンガに出てきて知ったけど」
「フラミンゴがいっぱいで綺麗みたいだよ」
鳥類のスペースの方に移動してゆっくり見て回る。
ハシビロコウはやっぱりほとんど動かず写真を撮るには丁度良く、フラミンゴは集団で動き出しちょっとした時間ショーのようで綺麗だった。
他の鳥類も見て回り、そろそろ池袋に移動する時間になるので、またパンダの所に集まるようチャットアプリで連絡した。
みんなが集まるまで京子さんの横でパンダを見ていた。
みんなが集まり、それぞれ次の場所に移動するために別れた。
「山田、西川、武田。渡辺さんと高橋さんの事、よろしくな」
「ああ、大丈夫だ。俺達にも都合がいい所に行くからな。助かるよ」
「「うんうん」」
「ならいいけど。しっかり見といてな。なにするか分かんないから」
「分かった」
僕らは山手線に乗って池袋に行った。
そこから乙女ロードの方へ向かうけど、地図アプリとにらめっこしながらなんとか時間までにたどり着いた。
「おまたせ」
「じゃあ行くよ。岡田さん達着いてきてね」
「「はーーい」」
しばらく歩くとお店の入ってるビルの前に。
中に入ると……
「「お帰りなさいませ、御主人様、お嬢様」」
こういうお店の定番のコールを聞き、案内された席に着く。
メニューを見て軽食を注文する。僕がボロネーゼ、京子さんが和風クリームパスタを頼んだ。後、デザートも。
話をしながら食事をした。
「執事って男装した女性なんだ、やっぱり」
「そうじゃないとこもあるみたいだよ、ホストとあまり変わらない感じでちょっと怖いかな」
「確かに。そういうところには京子さんは行かせたくないね」
「私もそういうところなら行かないから」
「服部くんみたいな人が執事やってるとこなら、安心出来そうだけどね」
「そうそう、紳士だもんね」
「「えっ?」」
そんなに信用されても何も出ないよ?
それにそこらの男と僕も変わらないけどな。
「僕が紳士って……そんなことないけどね。
執事してたらお持ち帰りするかもしれないよ?僕だって男だし」
「「「えっ?」」」
「まぁ、冗談だけど。それにお持ち帰りするなら京子さんだけだよ」
知らない子をお持ち帰りする程の度胸もないけど。
「びっくりした」
「……ほんと、岡田さん達仲良いね。羨ましいわ」
「でも、彼氏作るとか、今はちょっと難しいかな」
「ねーー」
それは腐女子だからなのか、男装女子の方に興味があるからなのか、どっちなんだろう?
百合好き男子もいるらしいから、運が良ければ趣味が合って付き合えるのかも。
しばらく他愛もない話をして、皆が執事を堪能したところで御暇する事に。
彼女達二人は乙女ロードを探索するそうなので、何かトラブルがあったら京子さんの方に連絡を入れてもらうよう伝えて別れた。
僕らはサンシャインの方へ移動し、水族館へ向かった。
動物園もそうだったけど、平日で水族館も思ってたより空いてた。
入場したタイミングで間もなくショーが始まるということだったので、まずそっちを見に行く。
ビル内の水族館なのにアシカとかのショーが行われてる。
地元には水族館はないけど、大抵水族館だけの建物になってるからアシカとかがいるのかと思ってた。
水を浴びたりするのはちょっとまずいので、少し後ろの席に座る。
でもショーが始まった途端、京子さんが前の方へ行こうとするので止めるのが大変だった。
かなり間近かで見れると言う事で興奮気味だった。
ショーも終わり、ペンギンやカワウソを見に行く。
こちらにも京子さんはメロメロになっていた。
ペンギンは生体展示ということで泳ぎ回る光景が見ることができる。その速い泳ぎに京子さんが追いかけて走り出しそうになるのを、今度は僕が腕を組んでロックし止めてた。
カワウソもすごく愛らしく、「欲しい飼いたい」と京子さんがつぶやいていた。飼えなくはないらしいけど大変らしいんだよね。
その後、クラゲやサメなどがいる水槽を見て回った。
クラゲが意外に綺麗だった。いろんな種類のクラゲがいろんな色のライトに照らされ、幻想的な雰囲気だった。
「はーー、ペンギンも可愛かったけど、カワウソも可愛かった。
家で飼ってみたい」
「カワウソは飼えなくはないけど、水場も必要らしいから設備的にも大変らしいよ。
しかも、最近人気のせいで乱獲されて密輸されて問題になってるらしい」
「そうなんだ。かわいそうだね。水族館とかで見るだけで我慢しないと。
でも、出来れば触ってみたいなぁ」
「僕で我慢してよ」
とか言ったら、急に京子さんの顔が真っ赤になってた。
その後はずっと、僕の腕に絡みついて歩いてた。
そろそろいい時間なので水族館を出て、サンシャインの展望フロアに行った。
確かに関東平野は遮る山がなく、真っ平らで遠くまで見通せた。
望遠鏡で見てみたけど、流石にここから牛久大仏は確認できなかった。
その後は駅までの途中のお店を見て回った。
服やアクセサリーの店に入ったけど、流石に修学旅行中なんで持ち合わせもあまりなく見て回るだけ。
ただ、高くなくてシンプルだけどいい感じの指輪があったから、買って京子さんの左手の薬指にはめた。
「いいの?」
「いずれちゃんとしたのを贈るから。今は予約ということで」
ノリのいい店員さんに拍手され、「おめでとう」って言われた。
あとは駅まで寄り道することなく歩いて行った。
電車に乗ってホテルまで帰るけど、その間何度も左手の指輪を眺めてた。
ぽーーと嬉しそうにしてるので、かなり気に入ってくれたのかな。
### 続く ###
2025/09/02
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