5月18日 (水) 友達と相談……
服部Side
付き合い始めて最初の学校……
周りにはほぼ知られていないので、岡田さんと教室で話をするのはまだちょっと恥ずかしい。
いつもの友人のところでHRまでしゃべってることにした。
当然あのことは知ってるのでからかってくるだろうけど……
「あの後帰ってこなかったけど、上手くいったんか?」
「ああ、ごめん片付け手伝わなくて。
うん、付き合うことになったよ。で、昨日映画を見に行ってご飯食べて話し込んできた」
話題作のアニメ映画を見に行ったことやその後の食事やお茶をしながら話したことを伝えた。
山田は笑っていじってきた。
「へぇぇ、そりゃあ良かったな。
今後は岡田さん優先なんだろ?俺たちの付き合いはもう終わりなのか……よよよよ」
「そんなわけないだろ。土曜日はここのところと同じ大体お前らと遊ぶように話してあるよ。
日曜は岡田さんに割り当てる話になってるけど、泊まりで遊ぼうとかなったらその辺は相談する事になってる」
と話すと、山田達はぽかんとした顔になり、申し訳ないような顔で話してくる。
普段はそんな顔しないんだけどな。
結構気にしてるのか?
「そんな感じでいいって言ってるの?岡田さん」
「日曜日には遊べるって話にしてるから、特にダメとか言われてないよ。
それにまだお試しって感じだから長く付き合うならおいおい調整するとこになると思う。
そうなったらお前たちと遊ぶ時間がほんとになくなるかもな。
それに岡田さんも友達がいるからそっちの時間も必要だろ?ちょうどいいんじゃない?」
「理解ある彼氏さんなのか、合理的に時間を割り振ってるのかよう分からんが……」
「急にお互いの予定をぶつかって、喧嘩になってもしょうがないだろう?」
「そりゃそうだけどね」
こちらとしてはどうすればいいのか分からない手探り状態だから、ダメならダメと岡田さんが言ってくれないと分からないのが実情。
少しぐらい衝突して喧嘩するぐらいがお互い分かり合えるのかもな。
どのくらい喧嘩していいのか分かんないけど。
「彼女と付き合うなんて初めてなんだから、ある程度決めておく方が困らないだろ?
まぁ、でも岡田さんが土曜に遊びたいとか言ってきたらそっちを優先するけどな」
「やっぱり俺らが捨てられるんじゃん」
「「「あはははは」」」
でも「分かるように努力しろよ」とも言われた。
努力するけど分かるようになるかは不明なんだけど。
岡田さんSide
私の方も同様のようで友達と集まって話しています……
「早速昨日デートだったんだって?」
「そう、今人気の話題作を見てきたよ」
「「「ほうぅ……で?」」」
吉村達は興味津々といった感じで聞いてきたんだよね。
でもペラペラしゃべれるほど惚気られるわけでも無くて……
「で?って?」
「そりゃあ、デートでどんなことしてたのかって話よ」
「映画見て、お昼食べて、そのままお茶しながら話をしてました」
まぁ、どんなことをしてたか全部話しても今一つ満足してくれないよね。
だからさらに詳しく話さないといけないなんて恥ずかしすぎる。
「映画の話とか、今後の遊ぶ日程についてとか、夏休みどうするとか、もうすぐ中間試験だけどどうするの?とか」
「今後の遊ぶ日程って?」
「服部くんの方が友達と土曜の放課後に遊ぶんだって。なんで日曜日は空いてるよって。
日曜なら長く遊べるからいいのかなって」
「ふーーん、うちらが日曜に遊びたいって言ったら?」
「友達の方を優先してもいいよって。なんなら荷物持ちでもしようかって言ってた。
細かいところは要相談って話」
「ずいぶん紳士的というか物分かりいいというか……服部くんってどうなん?」
あまりにも私優先な感じの服部くんに疑問があるらしい。
でもお互い彼氏彼女と付き合うのが初めてだから、どうすればいいか分からないし……
「優しいし、こっちのことも色々考えてくれてる感じでうれしいかな」
「まぁ、向こうも始めて女の子と付き合うんだから優しくしてるんだろうけど」
「そうだよね,いきなり鬼畜プレイや放置プレイなんかしないって」
「ナベ(渡辺)がまた妙なことを……あんたの頭の中身もちょっとどうかしてそうなんだけど……」
「服部くんはそんなことはしないよ?文化祭の時も色々手伝ってくれたり気をつけてくれたりしてたから」
「まぁ、ナベの言動は放っておいて……」
「吉村ちゃんの放置プレイ」
ナベちゃんがまた妙な事を言い始めて、吉村さんと言い合いになっているのをしばらく聞いてた。
でも、話が戻ってこれからの日程の話をしてくる。しかも中間試験前の勉強会。
吉村さんやナベちゃんと定例でしてる勉強会以外で
「中間試験の話はどうすんの? テスト前勉強に付き合ってくれるって?」
「普段からあんまり勉強に時間を使ってないみたいだから、教える時間があるって。
教科によるみたいだけど全教科平均で80超えるくらいだって。国語はあんまり良くないらしいけど」
「マジですか、結構良くない?……京ちゃんは教えてもらったら?」
「うん、その方がいいんじゃない?」
「じゃあ、みんなで教えてもらう?」
「いきなりそれは流石にちょっと……まずは京子が教えてもらってからで、良さそうならうちらも」
じゃあ、次の日曜日は服部くんと勉強会と行きましょうか。
どこでやろうかな?いきなり私の家は服部くん的に厳しいよね?
そうしたら、吉村ちゃんが真剣な顔をして聞いてきた。
「好みについてはちゃんと聞いた?」
「告ったときに少しだけ聞いただけで詳しくは聞いてないよ。
こっちの好みはあんまり気にしなくていいって言われた。ただ足は好みっていわれた。あはは」
「服部くんは好みを気にするなってこと?
京子が外見的に服部くんの好みとは違うかもしれないけど気にしない?……
いくらか好みに寄せてみる?髪型とか服装とかは少しいじって似合うならいいんじゃないの?」
「その辺は試してみようかな……そういうアプリがあったよね?」
「そういえばあったね……じゃあそれで遊ぼう……ふふふふ」
「じゃあ、勉強会の時に聞いてみる」
勉強会以外に好みを確認するミッションが増えてしまった……
放課後に話をしてみよう。
放課後…………
帰る準備をしていると、岡田さんが僕の席まで来て、また連れ去られてしまった。
山田らに軽く手を振って、彼らの声を背に受けて教室から出た。
「「「じゃあな、気を付けて」」」
そのまま連れだってまた人があまり来ない場所へ移動して話し始めた。
友達に何か言われたのかな?
「岡田さん、友達が何か言ってた?」
「ちょっとね。ずいぶん私優先にしてくれるんだねって」
「ダメなの?」
「ダメじゃないけど、お互い初めて付き合うから仕方ないか、とか言ってたけどね」
「そうなんだよね……どのくらいのバランスがいいのか分からないし、追々調整できるならそれでいいのかなぁと」
「そうよね。私もどのくらい時間を取るようにすればいいか分からないし……」
お互い付き合うのは初めてなので、どうしても加減がつかめなくて決まりが悪い感じになってしまう。
でもお付き合いを始めたのだから、お互いなるべく会うようにはしたい。
何をするかは決まっていなくても……
「次の日曜日はどうする?前にも言ったけど試験前だから遊ぶんじゃなくて勉強会も出来るよ。
僕としては普通に遊んでもいいけど」
「うーーん、勉強はあまりしたくない……でも、あまり成績悪いと遊べなくなりそうだし……
勉強会するならどこで?」
「図書館がいいんじゃない?お昼は近くに食べるところがあるだろうし」
「明日まで待ってもらっていい?」
「いいよ」
他にこちらの友達が言ってた「俺たち捨てられるんだ」という話をして、二人して笑った。
そろそろいい時間になったので帰ることに。
「じゃあ今日も送っていこうか?」
「ありがとう。でも何か用事はあったりしないの?」
「本買ってあと宿題するくらいだから」
「何買うの?」
「パソコン雑誌とエロマンガ」
「ほんと?」
「どうでしょう?ははは」
エロマンガについてはまぁ買うかどうかは分からないけどね。
誤字訂正
129行目:「ダメじゃないけど、お互い始めて付き合うから仕方ないか、とか言ってたけどね」
→ 「ダメじゃないけど、お互い初めて付き合うから仕方ないか、とか言ってたけどね」
2025/09/02
現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。
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