8月20日 (土) 花火大会……
僕の祖父母の家に京子さんと出かける三日間のこの夏最大のイベントも終了した。
宿題もほぼ終わっているけどバイトもあるから、結局ほとんどの日に朝から京子さんの家にいる。
週末、花火大会をみんなで見に行くことになっている以外は、僕は特に予定は無かった。
京子さんは吉村さん達に呼び出されたみたいだけど……
岡田さんSide
吉村さん達とファミレスで待ち合わせ。
呼び出されたとは言っても、元々服部くんのおばあさんの家から帰ってきたら集まる話にはなっていたんだけど。
当然聞かれることは……分かってる。特にやましいこともないので普通に話せばいい……のだけど、なぜか心配。
「京子、服部くんとこどうだった?」
「楽しかったよ?服部くんのお母さんや妹さん達も優しかったし。いい風景の所で、流星群も観れたし。あと、五右衛門風呂に入った!」
「別の意味でも面白いとこだったんだね」
「うちらも行ってみたいね」
「五右衛門風呂入ってみたい」
「お風呂はしかも巻き炊き。いつもの家のお風呂と全然違った。長く入っちゃってのぼせそうになったよ」
「京ちゃん、一緒に入ったの?」
「え?」
突然、ナベちゃんが当然のように答えの困る質問をしてくる。狙ってたんだろう。
お風呂でなければ、「一緒に寝たの?」と質問したはず。
「一緒に入るわけないでしょ。服部くんのお母さん達がいるのに」
「だよねー」
狙ってる。回答に失敗すると絶対にイジられる。
「岡田さん、流星群かぁ、ロマンチックだね。いい雰囲気になったのかなぁ?」
「妹さんと従姉妹の直さんがいたから、特別いい雰囲気にはなってないよ。それに蛇が出るから服部くん、それを気をつけてたみたいだし」
「なぜ蛇?」
「周りが田んぼで山の麓辺りだから草が一杯生えてるから出るんだって。夜は特に出るから、気をつけなきゃいけないんだって」
「しかも妹達と観るとか、ちょっと服部くんの配慮が足りないのでは?」
「それは……直前までご飯を食べながらお話ししてたし。
それに吉村さん達も一緒だと思うけど、何かあるかも知れないと思うから付いてきたんじゃない?」
「確かに……うちらも付いていきそうだ。なあ、ナベ」
そうでしょう。流星群を観るって言っても、二人で一緒に同じ流星を観れるわけじゃないしね。
雰囲気的にロマンティックかもしれないけど、それだと流星群関係なく二人でくっついてるだけになりそう。
せっかくなんだからちゃんと流星群は観たかった。
「服部くんのお母さん達はどうだった?いじめられた?」
「そんなことするわけないでしょ」
「そりゃそうか。色々何か聞けた?」
「まぁそれなりに……」
「どんな話?」
あまり他の人にするような話ではないので適当にごまかさないと……
女の子にケガさせたとかは。
「服部くんが小4の時に色々やんちゃしたって話くらいかな」
「他にはないのかな?何歳くらいまでおねしょしてたとか的なの」
「いやいや、お母さんとはいえそんな話を彼女にするとかないでしょ」
「確かにな。
でも面白い話が聞けたようで、それなら良かった。
仲良くなれたみたいだし、今後の付き合いも問題なさそうだ」
「妹さんに『お姉ちゃん』って言われちゃって、すごく嬉しかったよ」
「京ちゃんは一人っ子だから、そう呼ばれると特に嬉しいよね」
「ほんと、すっごく嬉しかった」
「「「あははは」」」
その後も服部くんとの話を満足いくまでして、イジられるだけイジられ別れた。
皆も楽しんでくれたので、しばらくは大丈夫かな。
服部Side
週末の花火大会、山田達もくる予定になっているが大丈夫かな。
特に武田は心配だ。成績が上ってないとか言ってたから、厳しいかもな。
どう見ても煮詰まってる状態だから、どんだけ勉強してもあんまり頭に入らなくなるんだけどな。
気分転換した方がいいんだけどな。
と思ったら、武田がメールで連絡を入れてきた。
行けないって。
大丈夫かな?あいつ。
了解と体調に気をつけるようメールを送った。
そのまま大戸に花火大会の日が暇か確認のメール送った。
暇だというので誘うことにした。
花火大会当日、吉村さん達と山田、西川、大戸と集まった。
京子さんや吉村さん達は皆浴衣姿で、野郎共は普段と変わらない格好だった。僕を含め皆気が利かないな。
京子さんの浴衣姿は2回目だけど、今日はちょっと大人っぽい感じで綺麗だった。
打ち上げの開始までまだ時間があるので、会場近くの屋台を先に巡った。
僕と京子さんははぐれないように手をつないで歩き始めた。
金魚すくいやヨーヨー釣り、射的等を京子さんとするが、ヨーヨー釣りくらいしか僕は取れなかった。逆に京子さんの方が他は上手かった。
山田達は吉村さん達と仲良くやっているようだった。大戸はフットサルの関係もあって吉村さんと話があっているようだ。くっつくかどうかは分からないけど。
そのままみんなでたこ焼きやお好み焼き、焼きそば等食べ物を買い込んで、会場から少し離れた土手に移動しレジャーシートを敷いて座った。
僕と京子さんは、吉村さん達や山田達の視界に入らないように後ろに座る。
花火を観る態勢を整え、始まるまで買い込んだ食べ物を食べながら話していた。
「服部、宿題終わった?終わってるよな、岡田さんとイチャコラしてるくらいだし」
「山田、イチャコラしてねえよ。読書感想文以外は終わってる」
「写させて?」
「終業式の日にちゃんとやれよと言ったような気がするんだがな?休み明けにテストもあるから写してもバレるぞ」
「いいよ、それ位」
「帰りにスマホで撮ってけ。答えが合ってるかは知らんけど」
今日は花火大会で遅くなるから、山田と西川はうちに泊まってく事になってる。
「俺も見せて」
「大戸、お前もやってないんか?」
「いや、分からないとこがあるから見せて。ついでに解説も」
「分かった分かった。西川は大丈夫か?」
「俺はちゃんとやってるから。俺も合ってるかは分からないけどな」
ということで、野郎どもはうちでお泊りとなった。
「朝飯はホットケーキでいいな」
「「やったー」」
「なんかあんの、服部」
「服部の飯は美味いんだよ」
「市販のホットケーキだけどな。トッピングのアイスはないけど」
「「「「いいなぁ」」」」
「彼女の私だってまだ服部くんの家に行ってないのに……」
「一人暮らしなんだから女の子連れ込むとかダメでしょ」
「ぷーーー」
話をしていたら花火が始まった。
ヒュ〜~~~ ドーーーン
ヒュ〜~~~ ドーーーン ドーーーン
夜空に様々な色のひまわりのような大輪の華が現れた。
始まりの号砲に皆固唾を呑んで見入っていた。
僕と京子さんも手をつないで、くっついて花火を見ていた。
ヒュ〜~~~ ドーーーン
ヒュ〜~~~ ドーーーン ドーーーン
いろいろな形の花火も打ち上がり、徐々に終盤に向けて盛り上がっていった。
クライマックス直前に、僕と京子さんは顔を見合わせ見つめ合い……
クライマックスの最大の花火に合わせて…………キスをした…………
お互いに気持ちが落ち着き、触れていた唇同士を離し、花火を見ようと前を向いたら……みんなこっちを見てた……
「「「「「「ニヒヒ」」」」」」
みんな、目と口を三日月のように曲げ、ニヨニヨとした笑いが顔に貼り付いていた。
僕と京子さんは一気に現実に戻り、顔が真っ赤になった。
そのまま僕達は固まったまま花火大会は終わり、周りの人達が居なくなってしばらくしてようやく復活した。
「服部、ようやく復活したか?そろそろ帰るぞ。吉村さん達も遅くなるとまずいだろ」
「うちらは京子のところに泊まる事になってるから、そのまま服部が送ってくれるだろ」
「それなら俺らも一緒だから問題ないか」
「山田達は服部の家に泊まるんだったな」
ようやく落ち着いたところで片付けて移動し始めた。
僕達はみんなの後ろをぼーっとしながら手をつなぎ歩いて行った。
京子さんの家に着き、両親にあいさつするけど……
「あらあら、京子も服部くんもどうしたの?」
「ああ、花火大会のクライマックスで二人がキスしいてたんですよ」
「「うわああああ」」
「まあまあ、京子、良かったわね」
「うんうん、服部くん、そのうち話しを聞かせてもらうよ」
うう、恥ずかしい。見られてたとか、そっと見ないふりしてろよ。
絶対確信犯だよな。そんな事する素振りも見せて無いだろ。
僕達だってそんなつもりは直前までなかったんだから。
とりあえず早々に別れて、野郎どもは家の方へ移動し始めることにした。
そうすれば被害は半減出来る。さっさと帰ろう。
京子さんには明日午後に行くことをチャットアプリで連絡を入れておいた。
ホットケーキの材料は準備しているので帰るだけだ。
岡田さんSide
キスしちゃった。
盛り上がってというか、雰囲気に流されてというか……
嬉しいけど、みんなに見られて恥ずかしい。
なんであのタイミングでしちゃったんだろ。
花火マジック?
明日うちに来るって言ってたけど、お父さん達にいろいろ聞かれるんだろうな。
それよりこれから吉村さん達の追求をどうするかの方が心配だなー
誤字訂正
100行目:「帰りにスマホで撮ってけ。答えが合ってかは知らんけど」
→ 「帰りにスマホで撮ってけ。答えが合ってるかは知らんけど」
2025/09/02
現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。
「 遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?」
https://ncode.syosetu.com/n0014kk/




