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お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか  作者: EPO
第1章 告白から1週間の間に
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5月17日 (火) 振替休日 初デートは……

 初めてのデートという事で緊張している中、時間より15分ほど早く待ち合わせ場所に着いた。

 服装は概ね普段とそれほど変わらず、中でも春先なので薄手のパーカーにジーンズという程度で自分的に多少良さげなセレクトかと思う。

 元々あまり衣服には執着していないからこんなものかな。

 そのままスマホで時間を潰していると、しばらくして岡田さんが来た。

 

 「おはよう」

 「おはよう!」


 岡田さんは楽しみにしすぎていたのかかなり元気で、ややハイテンション気味。

 こちらは至って普通に見えているはずだ、多分。

 普通を装っているけど、初めてのデートなので未だに結構緊張しているがばれていないだろうか。


 「待ち合わせ時間自体早めに設定してた上に10分くらい早いからどうしようか。

  チケットを買って近くのワックでお茶してる?」

 「そうしようか」


 という事でお互いチケットを買ってワックで飲み物を買って話しをしながら待つことにした。

 軽く話をするにしても何を話せばいいのかよく分からず、よく言われる「彼女の服を褒めろ」と言うことで慣れない事をした。


「今日の私服、爽やかなかわいい感じだね。制服と違って」

「なんかほめ慣れていない感じね……くすくす」

「まぁね、初デートだし。一般論にある通りにしてみたけどね」

「服部君は普段通りに着てる感じ?」

「うん、最近パーカーが気に入って、春・秋の上着はフード付きのパーカーを選んでる。

 でもデート的にはどうなの? この格好」

「悪くは無いと思うよ? 私も初デートだし。

 あまり正装よりみたいな感じだと私的には困るかな。映画とかなら普段着くらいで悪くはないと思うけど。

 ただし、清潔な感じなのが条件だけど」

「そっか。そのうち一緒に服を見に行ってもらっていいかな。」

「いいよ」


 そろそろ入場できる時間になったので、映画館の方に戻ると入場し始めていた。

 飲み物は欲しいので、ポップコーンや飲み物を買おうかと岡田さんに聞いてみる。


「飲み物とポップコーン、何がいい?」

「じゃあミルクティーとキャラメルで」

「タピオカ入りもあるけど?」

「それはいいです」

「じゃあ買ってくるからちょっと待ってて」

「支払いは?」

「ここはおごるよ、バイトしてるから懐が温かいんで。それにそれほどの金額じゃないし」


 僕はミルクティー2つと、ポップコーンはキャラメルと抹茶味を買って戻った。

 トレイを片手にもう片方の手を岡田さんの方に差し出し、「お手をどうぞ」と囁いた。

 二人して苦笑しながら席の方へ移動し、始まるまでしばらく今日の映画の話をした。


「服部くん、そういえばアニメだけど恋愛物だけど大丈夫?」

「アニメやマンガの恋愛物は大丈夫。妹の持ってる少女マンガは大体読んでるんで多分は楽しめるかな。

 それに男向けのマンガ雑誌やラノベの恋愛物は、結構男に都合のいい話になってるから問題ないと思う。

 これも確かそうだよね?」

「確か少女マンガが原作ではなかったはずだよ。」

「その辺の作品だと大体彼女がベタ惚れだし、主人公の両親どころか彼女の両親も反対してないなんて普通はちょっと考えられないと思わない?」

「くすくす、そうね……よくよく考えたらそんな展開の話が多いかも」

「その分あまあまでゆっくり観てられるんだけどね。

 そろそろ時間みたい」


 そのまま映画鑑賞の注意事項が流れ始め、本編が始まった。

 約90分間お互いのポップコーンをつまみながら観て、上映が終わった。

 昼食にはちょっと早いけど、平日にもいい時間なのでファミレスに移動。

 映画の感想を「ここが良かった」「主人公の行動が納得いかない」とか話しながら食事をした。

 平日だから近所の会社員が来て混雑すると思ってたけど、そうでもなかったのでそのまま話し込むことにした。


「今後についてなんだけど……」

「今後?」

「そうそう……僕の都合を話しておけば、岡田さんの都合が合えば遊んだり出来るでしょ?

 突然他のことが頻繁に入り込むような事も多分ないから、定期的に遊ぶことも出来ると思う。

 あと、もう2ヶ月もすれば夏休みになるし」

「突然いついつ遊ぼうとか言ってスケジュールが合わないよりいいよね……」


 ということでこちらの都合を予測込みで話していくことにする。

 実際山田達と遊ぶ以外は、小学校時代からの友達の宮崎と映画を見に行くくらいか。

 大体試験が終わった日ぐらいだけど、突然ではないけど試験直前くらいにならないと分からないんだよな。


「土日についてだけど…土曜は山田らと遊んでると思う。学校帰りに山田の家とかまで行って遊んでるかな」

「毎週?」

「多分今のところは。その代わり日曜はよっぽどのことがないとやらないから時間が空けられるよ。

 日曜の方が時間が多いから遊ぶにはいいかと思うんだけど、どう?

 でも、岡田さんの友達と遊ぶ予定が入るならそっちを優先してもいいし、細かいところは直前に調整して決めてもいいし」

「いいの?」

「大丈夫。時間が空いたらゲームしてたりプラモ作ってたり何かしらやって時間潰してるから。

 男手が必要なら荷物持ちで呼び出してくれてもいいよ?なんて」

「あはははは」

「祭日も同じ感じかな」


 岡田さんはふむふむと考え込みながら話を聞いてる。

 土日祝祭日は基本的に山田らと遊んでなければ時間はいくらでも開けられるしな。


「岡田さんの方は何かある?」

「毎週とか急に遊ぼとかでも大丈夫?予定が入ってなければ……だけど」

「多分大丈夫だと思うよ。何か入ってるようなら早くに言うようにするし」

「平日の放課後は?どこかに遊びに行きたいとかって訳ではないけど、話をしたいときもあるかな」

「部活もしてないから時間があるよ。放課後はせいぜい本屋とか買い物行くことがあるくらいしかしてないから。

 で、大抵まっすぐ帰るくらいだしそのあとはまず出かけないから大丈夫だよ。」


 基本インドアだから学校帰りに買い物を済ませてずっと家にいるんだよね。

 夜もコンビニに行ったり出かけないからな。山田の家とかそれこそ遠くて行かないしな。

 小中学校の友達なら近いから行けるけど。


 そういえばあと2か月もしない内に夏休みだから、夏休みの時の予定も話しておこうか。

 岡田さんの友達と何か約束してるかもしれないし。


「夏休みはどうしてる?

 僕の方はお盆に3日ほどばあちゃんちに泊まりに行ってるくらい。

 後はたまに予定が入るくらいで、大抵は宿題して本屋やゲーセン行ったり家でゲームとかしてるくらいかな。

 だからいくらでも予定が空くよ、多分」

「夏休みか……宿題が……どうしてるんです?」


 岡田さんは遊ぶことより宿題の方が心配らしい。

 僕もそうだけど特別なことはしてないけどね。


「え?宿題?普通に1日何ページかずつやってってるけど?日数で割って、今日はこれとあれ、明日はこっちとあっちって感じで。

 8月に入ってちょっとすれば大半終わってるけど」

「……なんでそんなに計画的なんですか??」

「小1の時に宿題忘れて・・・というかやらなくて立たされたからかな。それからは計画的に終わらせてるよ」

「意外に小さい頃は不真面目だったんだ。あはは」

「今もそれほど真面目じゃないよ?やらないといけないことをやってるだけで、別に予習復習とかはしてないし」

「それで試験の点は?」

「全科目の平均で80超えるくらいかな?」

「ええーーーー、そんなのでそれだけの点が取れるの?」

「試験前1週間くらいしか勉強はしてないけどね。国語はそんなに良くないけど、暗記系は結構点が取れてるからそれなりの点になってるかな。

 そういえば月末から中間試験だけど大丈夫?」

「ああああーー、思い出させないでほしいぃぃ」

「次の日曜にでも勉強会でもする?あと、夏休みの宿題も一緒に」

「後日相談させて下さい。」

「ははは、いいよ」


 休みの予定と想定外に試験勉強や宿題の話までしたから、他に聞きたいこととかの話をし始めた。


「他に何かあるかな?」

「今のところまだまだよく知らない部分があるし、都合とかは色々教えてもらったから遊んだりしながら気になったら言うわ。

 でも、なんか私の方に都合のいいようにしてくれてるみたいだけど大丈夫?山田くん達との付き合いなんか」

「大丈夫。土曜は基本遊んでるんだから。

 それに始めての彼女だし、なるべく優先したいから」


 とか言ったら、岡田さんの顔がぽっと赤くなっていた。

 そろそろいい時間になってきたのでお開きということになりそうで……

 出来ればもう少し話をしたいかな。


「家はどこ? バスとかじゃないなら送っていこうか?」

「ここまでは歩きですよ。じゃあ、送ってもらおうかな」


 こちらは自転車を押しながら、バイトのことや妹のことを話し、岡田さんとこの家族の話をしつつ岡田さんの家まで送って分かれた。

 その時、家の方からこちらを見ている視線があったのだけど、僕たちは気付かなかった……


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