8月2日 (火) 夏休み前半戦……
夏休みの前半戦、午前中は京子さんの家で宿題とバイト、午後はお家デートだったり出かけたり。
問題集以外の宿題の読書などするために図書館に行ったりもした。読書感想文は苦手な部類に入るので早めに読んで済ませておきたい。
他は週の半分ほど昼飯や夕飯を作るので近所のスーパーに京子さんと買い物に出かける。
近所のスーパーはあまり大きなところではないこともあり、ここの所頻繁に通っているために「高校生夫婦」とか常連さんに噂されているとか。
顔なじみの店員さんにそうに話をされ、京子さんが真っ赤になっていた。
店員さんも本当に夫婦なのか気になるようで「そこのところどうなの?」って聞かれた。
当然まだ結婚していないので「まだです」と答えたら、さらに京子さんが真っ赤になった。
流石に高校生なんでどんなに早くても卒業してからでしょう。よっぽど事情でも無い限り高校生で学生結婚なんて……
と、こんな感じで普段は一日過ぎていった。
今日はバイトもない日だし宿題が終わったら、急に吉村さん達とひさしぶりにカラオケに行こうという話になった。
ただ、今回も男は僕一人なので、男を呼んでいいかと吉村さん達に確認してOKもらったので大戸を呼ぶことにした。吉村さんともフットサルの時に一緒しているので大丈夫だろう。
山田と西川は遠いのでやめておいた。武田は夏期講習のはず。
開店前の店頭で吉村さん達と待ち合わせ、大戸は遅れて吉村さんが受付をしているときに合流した。
「悪いな、急に。大戸」
「まぁいいよ、暇してたから。山田達は呼んでないの?」
「あいつら家が遠いから急には呼べない」
「そっか」
受付も終わって部屋に移動し、大戸を紹介する。同じクラスなんだけど。
「「「よろしくー」」」
「大戸、フットサルの時以来だな、よろしく」
デンモクを取り出して曲を入れ始める。僕は前回同様アニソンで。
「大戸は何歌うんだ?僕はアニソンだけど」
「俺は……メジャーどころの何か」
「服部、今日はアニソン何歌うんだ?」
「ヒゲダンとかBUMP OF CHICKENとかMAN WITH A MISSIONとか……鈴木 雅之もあるよ、吉村さん」
「その辺もアニソンがあるのかよ」
「ほぼアニソンしか歌手いないアーティストもいい歌歌ってる人いるんだけどね。その辺もピックアップしてる」
2回目ということもあっていくらか慣れはしたけど、やはりアニソンはフルにテレビで流れないので途中から歌いにくい。
そこで「ガイドボーカル」という物に目を付け、それのある曲はガイドボーカルを付けて歌うようになった。
これなら間違えても少々気にならないし。
他にも京子さんと鈴木 雅之とかのアニソンのデュエット曲を何曲か歌い楽しんだ。
当然うちの叔父さん仕込みの超古いロボットアニメのオープニングも歌った。
大戸は流行の曲が多かった。CMなんかとかにも使われてる曲とか。
6人で4時間ほど歌い、そろそろカラオケは終了となり、そのまま遅いお昼も兼ねてファミレスに移動した。
「京ちゃん、来週末服部くんのおばあちゃんちに行くんだよね?」
「え?それ本当だったの?服部のいい加減な話かと思ってたんだけど」
「ああ、本当なんだよね?京子」
「うん。2泊3日で。
ただ、服部くんのお母さんにしか会ったことがないからちょっと不安があるんだよね」
逆のパターンはもう僕は味わったから分かるけどね。あんまり心配しすぎても仕方が無いよ。
「それは僕も経験したからね。京子さんの家で。
でも、皆さんが良くしてくれてるから嬉しいけど」
「それは京ちゃんが連れてきた婿候補を逃がさないために良くしてくれてるのでは?」
「あはは、よくある話的な?」
「だめだよ、岡田さんのご両親がそんなことするわけないじゃない」
「「知ってるけどね」」
うん、京子さんの両親は本当に良くしてくれてる。からかうための片棒を担がせようとするくらいに仲良くしてくれてる。
もう、ほんとに婿って感じがしないでもない、昼飯や晩ご飯作ってるけど。
「どのみち行ってみないと分からないって、京子」
「服部もそばについててくれるんでしょ?」
「ついているつもりではいるんだけど、排除されるかもしれない。
そうなったら何話されるか分かんない、色々僕の恥ずかしい話とか」
「「「「恥ずかしい話?」」」」
「そりゃ子供の頃には色々と恥ずかしいこともしてるって。大戸もあるだろ?」
「まぁな」
うちの母親も妹もばあちゃんも絶対に話すに決まってる。
付き合ってるからまだいいかもしれないけど、付き合っていなかったらふられかねない内容を……
「……服部くんの恥ずかしい話……聞きたいかも」
「京ちゃんも興味が湧いてきたみたいだね。帰ってきたらよろしく」
「楽しみが出来たからなんとかなるだろ?京子」
「うん」
「服部……」
「ん?」
「岡田さんと仲がいいのはいいけどさ、恥ずかしいことを親とかに吹き込まれるとはな。ご愁傷様」
「えーー、そこまで恥ずかしい話はない……はず。いくら何でも親なんだから手加減してくれるだろ?」
「親だから手加減なんぞしないだろ、うちの親もそんな感じだし」
「こっちが心配になってくるよ!」
とりあえず京子さんの不安より興味が勝ったのならいいけど、聞かれたくないことをうちの親が言わないといいけどな。
そんな不安をよそに渡辺さんが次の話題を振ってきた。
「うちの親がスーパーで聞いてきたらしいんだけど。うちの親が行ってるスーパーって京ちゃんとこの近くだと思うんだけど」
「……なんか嫌な予感が……」
「もう結婚したんだっけ?」
「ああ、やっぱりその話?」「それかぁーーー」
「何々?」
「大戸くんも興味ある?そのスーパーで『高校生夫婦』って噂になってるんだって」
「はい?服部、ほんとに結婚してんの?その報告におばあさんちに行くのが本当の目的か?」
「……してないよ。それだったら結婚する前に報告に行くだろが」
近所の奥様だけに噂になってるだけならまだいいけど、下手したら京子さんの中学校や小学校時代の友達とかが聞いてそう。
またしばらく真っ赤になったまま復帰しないかも。
「僕らも昨日スーパーの店員さんに聞いたけど、ちゃんと否定しといた。
夏休み中は頻繁に一緒に買い物に行ってたからそういう噂が立っただけだよ」
「そうか……ってそんなに頻繁に会ってんの?」
「夏休み中は平日は宿題を一緒に片付けてから、あと週3日京子さんのお父さんのところでバイトしてる。
で、昼飯や夕飯を作ったりするときもあるから、結構一緒に件のスーパーに買い物に行ってる」
ごちそうになってばかりもいられないから、代わりに料理してる。
そんなに凝った物は作ってないんだけどな。
家庭料理の煮物揚げ物とかだし。ちょっとした物は京子さんに任せられるようになってきたから、全部作ってるわけじゃない。
「そんなに昼飯や夕飯作ってるの?いいなぁ。私も食べたい」
「「確かに」」
「え?そんなに食べたくなるほど服部の料理って美味いの?」
「普通だって」
「うちのお父さん達はおいしいおいしいっていって食べてる」
「「確かに」」「麻婆スパとフレンチトーストだけですけどおいしかったです」
「俺も食べてみたい」
「そのうちな」
スーパーの話は適当にごまかして終わらせた。
また、僕の料理を食べたいという話になったけど、そんなに常習性のある何かが入ってるのか?
普通の料理なんだけど。麻婆スパなんかそれこそ市販品だけなんだけど。
多分珍しいだけなんだよね、男子高校生が作る料理が……
遅いお昼だけでなく3時のおやつのデザートまで食べてファミレスを後にした。
急に呼んだ大戸にはまた京子さんと仲がいいところを見せてちょっと悪いことをしたかもしれないけど、他の女の子とお近づきになる場を提供したという事で我慢してもらおう。
大戸には「また何かあったら呼ぶかも知れない」と言ったら、「早めに連絡くれ」と言われた。
次があるとしたら花火大会かな。一応山田達と行くことになってるからどうなるか分からないけど。
今日も通り京子さんの家までお店をのぞきながら帰る。また、何か買ってしまわないように腕をロックされたけど。
そのまま仲睦まじそうに帰り、夕飯をごちそうになることになった。
その夕飯中……
「あなたたちスーパーで『高校生夫婦』って噂されてるんですって?」
「そうみたい」
「昨日スーパーの店員さんに直接聞きましたし、渡辺さんの方もその噂聞いてるみたいで」
「そうなのか、それならもう……」
「……お父さん」
通例になりつつある京子さんのお父さんのからかいを、京子さんが無理矢理止めて終わった。
まだ結婚できる年齢ではないし、その時になってから考えても……ねぇ?
誤字訂正
69行目:「どのみち行ってみない分からないって、京子」
→ 「どのみち行ってみないと分からないって、京子」
2025/09/02
現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。
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