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お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか  作者: EPO
番外 卒業後

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祖父母の家に行こう13年目……2

「ばあちゃん、来たよぉ」

「「「ばあちゃん、きたよぉ」」」

「おお、よく来たな。中に入って涼みな。

 京子さんも葛西さんもいらっしゃい。

 えーっと、真琴の婚約者さんかな?よく来てくれたね。さあ、入って入って」


 中にはじいちゃんもいて、まずは真琴がじいちゃんとばあちゃんにあいつをきちんと結婚するからと紹介した。2人共喜んでいた。

 直もまだ結婚していないし、真琴の性格から結婚できないだろうと思っていたみたいだ。

 あいつは自己紹介して、自分で作ってきた焼き菓子を渡していた。


 そして、宮崎の息子の直樹を紹介した。


「宮崎くんの息子さんかい。よく来たね」

「おせわになります」

「よく出来た子ね」

「お父さんがそう言えば、よく出来た子だと思ってくれるからなって言ってました」

「宮崎らしい教え方だな。最後は言わなくていいよ」

「えへへ」


 宮崎よりよく出来た子だよ、別の意味で。世渡りが上手いかもな。

 まぁ、これからうちの子や他の子と付き合うようになれば変わってくるとは思うけど、余り変わらないで欲しい。面白いから。


 冷たい麦茶やジュース、僕謹製のパウンドケーキを出し、しばらく休憩する。

 その後はどこに行くかはまだ決めてないけど、どうしようかな?


「正直くん、神社に行こう!ちゃんとお礼を言わないと。それに子供達を会わせてあげないと」

「そう、そうですよ、お兄ちゃん。大輝くんや英子ちゃんを神さまに紹介しないと」

「??まぁ、京子さんが出産の時神さまの加護があったというのは信じるけど、葛西さんまで……

 どうかしたの?」

「「どうもしないよ。ねぇ?」」


 何か怪しいけど、まあ七五三のつもりで行ってみるか。




 と、京子さんと葛西さんの希望でまずは神社に行くことにした。その後はそのまま夕飯の食材を買いに行こう。

 ちょっと暑いかもしれないけど、水分もちゃんと確保してあるし、保冷剤もあるから大丈夫だろう。


 ちなみに真琴達はじいちゃんばあちゃんとゆっくり話をするらしい。

 そろそろ母さんも来るだろうから、3人でいろいろ聞くことになるだろう。頑張れ。


「夕飯は何がいい?あと明日の朝ご飯も」

「「「夕飯はハンバーグがいい!」」」

「じゃあ、夕飯はハンバーグにキャベツの千切り、ポテサラ、味噌汁でいいか」

「「「うん」」」


 京子さんも葛西さんもいるし、そんなに手間はかからないな。

 今は僕だけで作らなくてもいいのがいい。


「朝ご飯は?」

「「フレンチトースト!」」

「ホットケーキがいい」


 英子がホットケーキをご所望なのですが?どうします?


「直ちゃんホットケーキがいいよね?ね?」

「……うん」

「じゃあ、ホットケーキで決まりだね?」


 そういうことしちゃうんだ。京子さんが怒るよ?

 ちゃんと良いところを伝えて懐柔しないとダメだよ?


「エーコ!そんなことしてると勇さんみたいになるよ!」

「そんなのやだぁ」

「だったらちゃんと分かってもらって、乗り換えてもらいなさい」

「はーーい」


 勇みたいにってなんだろ?

 ああならないようにしつけは必要だけど。


 結局、英子が折れてフレンチトーストになった。

 そして直樹に謝っていた。

 うんうん、英子はいい子だね。


 話をしつつ歩きながらメニューが決まって良かった。

 でも……


「京子さん、英子に『勇みたいになる』って言ってたけど、何なの?」

「英子は今のところ直樹くんが好きなのよ。でも、あんな事してたら勇さんみたいに好きな人と結婚できなくなるからねって」

「へぇ、そういうことなんだ。でも、勇が優しかったとしても結婚してなかったと思うよ。

 それにしても、直樹が好きなんだ」

「直樹くんに嫌がらせしちゃあダメだよ」

「しないよ。直樹と結婚してもいいと思ってるよ。昔の僕を見てる感じだし」


 結構要領がいいし大人受けもいい。賢いというか小賢しいと言おうか今後が楽しみな所が。

 いずれ大輝と一緒に料理も仕込もうとは思ってる。

 英子と結婚するかは将来に任せるけど、いい大人になれるようにいろいろ教えたい。




 家の前の道を歩いて行くとお寺とかに行く細い坂道があって、それを登っていく。

 一旦お寺に入り、うちのお墓に線香とパウンドケーキを供えてから神社の方へ向かう。


 神社は相変わらず常時人が居るわけではないけど、綺麗に掃除はされている。

 周囲は木々に囲まれているけど鬱蒼としているような感じではなく、静かで静謐な雰囲気がいつもする。

 うちの家系は必ず1回はここでゆっくりとお茶をするくらい滞在する事になっている、偶然かもしれないけど。

 僕も真琴も母さんも叔父さんもそうだった。ばあちゃん達のは聞いていないから分からないが。


「パパ、遊んできていい?」

「英子、まだダメよ。正直くん、大輝と英子と一緒にお社を一周してきて。

 直樹くんも一緒に行ってきてくれる?」

「前に僕が消えたってやつだよね?」

「そうだよ。英代さんも言ってたけど、戻ってこれるから気にしなくていいよ」


 前々から叔父さんや直にも言われてたけど、意識してやるのは怖いんだけど。

 京子さんはその神さまの加護があるから信じてるんだろうけど。


「母ちゃん、消えちゃうってホント?ホントに消えるならすげぇな?」

「大輝、怖くないの?」

「怖くなくはないけどわくわくするじゃん」

「だいちゃんはそんなんだから、直くんは気にしても仕方が無いよ」

「……うん」


 という事で僕は子供達と目の前の社の回りを回ってくることにする。

 わくわくして落ち着きのない大輝に、冷静で大人のような振りをしてる英子、おっかなびっくりして大輝と英子に掴まってる直樹と三者三様の子供達を率いて、社の回りを歩き始めた。




京子さんSide

 正直くんと子供達が社の回りを回り始めた。


「京子さん、行きましたね」

「そうね。しばらく戻らないだろうから座ってお茶にしようか。正直くんのパウンドケーキとあの子のフィナンシェがあるから食べよ」

「はい。変なことが起きないといいですね」

「……うん」


 多分起きるけど、問題なければいいなぁ。




 社の回りを歩いて裏側に来ていた。前もこの辺りで僕は消えたらしい。

 そこに来ると山というか森の中に続く道が見える。

 子供達もそばにいるから僕は消えていないのだろうか?それとも4人で消えているのだろうか?


 森の中から続く道を巫女服を着た子が歩いてくる。子供達はそれを珍しそうに見てはしゃいでいた。

 近くまで歩いて着た子が遊ぼうと言ってきた。子供達は僕の方を見て遊びたそうにしているのが分かる。

 「余り長く遊べないからな?」と伝えて、遊ぶのを許可した。


 ……でも、どこの子なんだろう?この先に人が住むような建物はないはずなんだけど。

 記憶ではおかしいと思いながらも、ダメだと言えない。僕も昔ここで遊んだことを覚えているから。

 仕方が無いからここで待つことにしよう。手持ちのパウンドケーキを一緒に食べるように渡しておいた。


 ……10分……20分……30分……時間が経つが皆元気に遊んでいる。しかも、ここは意外に涼しい。熱中症になる心配もなさそうだ。

 ……40分……50分……60分……随分京子さん達を待たせているので、そろそろ終わりにしてもらおう。


「大輝、英子、直樹。そろそろ終わりにしよう。そこの子もそろそろ買い物に行くから終わりにしてもらっていいかな?」

「「「まだ遊びたい!」」」

「お母さんがそろそろ怒るぞ」

「「「うっ、じゃあ帰る」」」

「そのうち、また遊びに来るからな」

『……大丈夫だよ』


 その子がそう言った途端、英子とその子が重なったように見え、その子がいなくなった。

 どこに行ったんだろう?


「さっきの子、どこに行った?」

「さっきまでそこにいたよ、父ちゃん。その後は分らん」

「うん、急に消えた。というか英子ちゃんと重なった感じ」

「英子、どうなんだ?」

「私は何も見てないよぉ。急にいなくなった感じはしたけど」

「なんともないんだな?」

「なんともないよ?取り憑かれたの?」


 分らん。特に問題はないみたいだし、このまま様子を見るか。

 京子さんなら分かったりするかな?


 とりあえず社の回りをさっさと回り終わろう。

 もう1時間は経ってるし、京子さん達も暑い中調子が悪くなってるかもしれない。

 大丈夫かな?




「……ただいま。随分待たせたと思うけど」

「「「ただいま!」」」

「おかえりなさい。まだ10分位しか経ってないよ。

 お茶飲みながらお菓子食べて葛西さんと話してたから」

「母ちゃん、お菓子ちょうだい」

「はいはい、待ってね」


 たった10分位か、そんなはずはないんだけどね。


「直樹、いつも観てる怖いテレビ位の時間は経ってたよな?」

「はい、あの怖いの観てる時くらい遊んだ」

「正直くん、子供に何を観せてるの?

 向こうに行ってる時間はこっちで経った時間よりすごく長いらしいよ?」

「そうなんだ、やっぱり。前もそうだったし、そうかなぁとは思ってたけど」

「で、何かあった?」


 葛西さんも心配そうだけど、京子さんはある程度何か知ってるんだよな?

 神さま絡み?

 じゃあ、英子のこともそうなんだろうか?


「森の方から来た子と1時間くらい遊んでて、帰ろうとしたらいなくなったんだ。

 ただ、英子に重なって消えたように見えたんだけど」

「そっか、大丈夫じゃない?神さまが正直くんが困るような事はしないよ」

「ならいいんだけど」

「正直くんもお茶飲んで、それから買い物に行こう?」


 そうだね。そろそろ買い物にも行かないとね。

 夕飯はハンバーグで、朝ごはんはフレンチトーストだ。ばあちゃん達のは豆腐ハンバーグがいいか、京子さんのも。

 しっかり買い込まないと。


「はい、お茶とフィナンシェ。あっ、もうほとんどない。

 大輝、食べ過ぎだよ。おやつのスイーツ無しだからね」

「えー、母ちゃん。ごめんて」

「ははは」


 ちょっと休憩して買い物のためにスーパーに向かう。

 神社を出る直前、英子が手をつないでいる京子さんに何か言ってるように見えた。




京子さんSide

 神社を出る直前、英子が手を繋いできた。いつもと変わりがないんだけど。

 でも、手を繋いだ途端ピリッと来た。


『母上、よろしくの』


 えっ?言葉使いが違う?やっぱり、神さまが何かしたんだ。


「ママ、どうしたの?」

「ううん、なんでもないよ」


 大丈夫みたいね。完全に英子を乗っ取るようなことをしたわけじゃないよね?

 もし、そんな事してたら正直くんが悲しむからね?

 変なことや危ない事はさせないでくださいよ?母親として怒りますからね?

 ちゃんと英子や大輝、直樹くんを守ってくださいね?




 神社に来てプチ神隠しにあって、多分神さまと会って、多分英子に神さまが降りているっぽい。

 でも、人格が変わったりしているわけではない。今までのままだ。

 親としても英子が迷惑に思ってないなら許容するけど、迷惑に思うようなら神さまであろうとどうにかして排除する。親としての責任だ。


「パパ、早く買い物に行こう?」

「ああ、行こう。

 ……直樹、英子のことを見ていてくれるか?変なことをしてるようなら教えてくれ」

「はい、服部のおじさん。英子ちゃんは僕の家族と一緒ですから」

「頼むな。何もないといいんだけどな……」



 僕は誓おう。

 家族みんなを世界で1番幸せにしたい。悲しませたりしない。

 これから先何が起ころうとも、僕は京子さんや大輝、英子のために頑張ろう。大事な家族のために……


『……わらわのために頑張るのじゃぞ……

 …………何かあれば助けてやるがの………………』


*後書き

これで完全に終了です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


最終話は、ちょこちょこと入れていた高校3年の夏からのSF(少し不思議)な設定を完結させた話になります。

本編でも特別何が起こったわけでもないですが、これまで服部正直を見守っていた神さまが一部娘に降りて生まれ変わりの準備をしたという感じです。

高校3年の夏の話を書き始めた時に、「夏だから心霊話とか入れたい」と思いつつも怖い話は雰囲気に合わないし、不思議程度に収め、2人の子供の話で収束させようと思った次第です。

今考えれば、神社に行くたびに声が聞こえてましたが、セクハラ発言でからかうようにすれば良かったかもしれません。


あと、全く本編に関係ありませんが、服部正直と岡田京子が霊的にも相性が良かったという、本編に一切絡めなかった裏設定です。


ちなみに、英子が悪霊や妖怪を退治するような次世代編は、今のところ考えていません。もし書いたら「お家デート?いえ、友達の家で私は悪霊退治をしています。なぜじゃ?」となるのかも。



2025/09/03

現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。

「 遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?」

https://ncode.syosetu.com/n0014kk/


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