23歳秋 結婚式とみんなのその後……1
大学も留年することもなく、成績も問題なく無事卒業出来た。
京子さんも、大戸も彼女さんも、委員長も、ついでに勇も。僕の弁当にちょっかいをかけていたあのチャラい男は留年してまだ卒業出来ていないけど。
就職もあの教授の研究室でお世話になって、気に入られていたこともあり、就職活動はそれほど苦労することなく終わった。
そんな大きい会社ではないけど仕事に困らないし、楽しいことをやっている所だ。
春から務め始めだいぶ慣れた所だ。
京子さんの方も同じように無事大学を卒業した。
一応教員資格を取るため小学校の教育実習に行った。子供に懐かれて楽しかったようだ。近所の出身校に3週間ちょっと通っていた。
ただ、子供に「彼氏いるの?」って質問されて、「結婚してる」って答えたら大いに驚かれたそうだ。担当の先生からもいろいろ聞かれたらしい。
でも、先生にはならず、大輔さんの仕事を手伝うことになった。
今まで事務をしていた女性の方が、彼氏の転勤とそれを機に結婚して着いていくそうで辞める事になった。
その代役として京子さんが事務を担当することになった。
大輔さんや優子さんとしては、これなら京子さんに子供が出来たとしても出産前後ある程度の期間バイトを頼むとして、その後は優子さんが子供の面倒を見ることも出来ると考えていた。
僕としては助かりますけど、いいんでしょうか?
優子さんの負担が大きくなりません?
とまぁ、こんな感じで半年ほど働いて今日になる。
今日はというと、実は僕と京子さんの結婚式の日だ。
本当はもう少し半年程度先にと思っていたけど、うちの母さんが我慢できなくなり……
……半年ほど前の話。
「お金出すから早く結婚式をしなさい。綺麗に着飾った京子ちゃんが見たいのよ」
「僕はどうでもいいのかよ」
「うん、普通にスーツで面白くないから」
「英代さん……突然どうしたんです?元々来年の予定だったのに」
「友達に子供の結婚式の写真を見せられたのよ。羨ましくて」
誰だよ、その友達って。迷惑な。
大学時代のバイト代と就職して1年程の給料で結婚式の費用を貯める計画だったのに。
それを半年前倒しにしろということか。
結婚式の費用を出してくれるとは言っても、ちゃんと返すよ?
自分達で準備するからね。
大輔さん達にも相談して、うちの母さんの案が通ってしまった。
大輔さんも優子さんも早く結婚式を、京子さんのウエディングドレス姿を見たかったらしい。
そりゃあ僕も見たいけど。
まぁ結婚式は親のためにやるって話もあるし、お金を借りるということで自分に折り合いを着けよう。
それからは結婚式の準備に忙しくなってしまった。
会場の予約から、宮崎達地元を離れた友達の予定を確保、プランや内容の詳細を決めたり。他にもいろいろやる事があった。
ウエディングケーキはあのパティシエ志望だった彼に任せることにした。
製菓の専門学校に通って卒業後、こちらに戻ってケーキ屋に就職したそうだ。まだまだ就職したばかりで見習いだけど。
ついでにいえば真琴と付き合ってるらしい。しかも尻に敷かれて。
休みの日や終業後に結婚式の打ち合わせがあったりで忙しい日々が続いた。
それも明日で終了だ、受験じゃないけど。
今日も京子さんはプランに付けたウエディングエステに行っているので、後で迎えに行かないといけない。
エステはうちの母さんが京子さんの反対を押し切って、追加したオプションだった。
「ただいま」
「おかえりなさい、正直くん。京子はエステに行ってるわよ」
「はい、この後迎えに行ってきます」
「おお、正直くん、おかえり。明日は京子の事をよろしくな」
「はい。といっても入籍の時によろしくされてたと思いますけど」
「気分だよ、気分。娘を嫁にやる時の」
今更ですけどね。
それにまだここを出て独立はしないので、まだしばらくマスオさんのままですよ。
その後、京子さんを迎えに行って帰ってきた。
それから夕食をみんなで食べ、食後のお茶の時間となった。
明日は結婚式だからしんみりとした雰囲気になっている。
別に明日から独立するわけじゃないんだけど、雰囲気だけが湿っぽくなっている。
「お父さん、お母さん…………まだ明日から当分うちにいるんだからね?
もういなくなるような雰囲気作らないでよ」
「いやあ、娘が出来た時に、結婚式の前日はしんみりとした雰囲気になるんだろうなって話してたんだけどね」
「そうね、結局正直くんがうちに来てくれたから、そんな雰囲気にならなくても良くなったんだけど、ねぇ?」
「せっかくの覚悟が無駄になっちゃったよ」
「もう、お父さん」
ずっとそうなると思ってたことが必要なくなっちゃったら、まぁ気が抜けるよね。
多少なりとも娘をからかいたくもなるか。
変に気落ちしていなくて良かった。
そのまま寝る時間までみんなで話を続けた……
結婚式当日……
それぞれ別々の部屋で着替え、化粧を施す。僕は軽く、京子さんには念入りに。
僕は先に教会の方へ移動する。
教会の方は2人の両親や親族、真琴や健吾、直もいるのが見える。
宮崎と吉村さん、山田と渡辺さん、西川と高橋さん、大戸と河野さん、委員長と彼女ちゃん、橋本さんと彼氏くんがいる。武田は大学院に行って研究職に就いて、運悪く今教授に連れられ海外の学会に出席中で来られない。
葛西さんやその両親、勇や三宅のおじさん達、山田のおばあさんと鈴木の兄ちゃん、元1年生組の坂口さん、藤井さんにも来てもらった。勇は招待しなくても来そうだけど。
あと、僕の会社の上司や先輩が数名来ている。
入口で大輔さんがスタンバイしていた。
「正直くん、格好いいぞ。京子のことを頼むな」
「それは入籍した時にも言われましたよ?」
「気分だよ、気分」
「じゃあ……京子さんは必ず幸せにします。僕の命にかけて」
「なんか死亡フラグっぽいな?ははは。
死なないで幸せにしてあげてくれ。いいな?」
「はい」
死亡フラグとか僕や山田とSLGを時々やるようになって、オタクに毒されてきてるな、大輔さんも。
先に僕が祭壇の前にまで進み、京子さんを待つ。
しばらくして、京子さんが大輔さんにエスコートされてヴァージンロードを歩いてくる。
そして、大輔さんと僕が交代し、神父さんのありがたいお言葉をいただく。
お互いの指に指輪をはめる。指輪は結局新しく買わなかったのは内緒だ。
最後に誓いのキスをする。
京子さんのベールを上げて、京子さんの顔をまじまじと見る。
「京子さん、すごく綺麗だよ」
「正直くんもすごく格好いいよ」
「一緒に世界一幸せになろう」
「はい」
…………誓いのキスをした…………
### 続く ###
新作始めました。
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2025/09/03
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