3月4日 (土) 最期のSLG大会……2
さて夕飯を作ろうかという時に、山田家からこちらがキーマカレーなんで一緒に作って欲しいと言われた。
山田家も元々カレーの予定だったから。
しかも、今日は鈴木の兄ちゃんの一家も来るから、子供用に甘口でと頼まれた。
ひき肉とさつまいもを追加で買ってきてもらう事にして、じゃがいもと人参、玉ねぎと1cm角くらいの角切りにしていく。あとから買ってきたさつまいもも同じに切る。
その後はじゃがいも、人参、さつまいもを電子レンジで火を入れておく。
「服部、さつまいもはどうすんの?」
「山田の甥っ子のに入れるんだよ。
玉ねぎが結構入ってるから普通より甘めなんだけど、さつまいもを入れてランダムに甘さを感じさせるんだ」
「へぇ、小さい子ならそれはいいか」
ひき肉を油を敷いた鍋に入れて、よく焼く。しっかり焼くことで旨味が出るらしい。
その後、おろししょうがとにんにくを入れて、じゃがいも、人参、玉ねぎを入れてよく炒め、塩コショウをしておく。
ここで山田の甥っ子用に少し別の鍋に分けておく。こっちにはさつまいもを入れて炒めておく。
炒めた具が入ってる鍋にカレールーを割り入れて溶かしたお湯を入れ、しばらく煮込んで完成。
カレールーは半分くらい普段より辛いルーを入れると、普通のカレーと同じくらいの辛さになるかな。玉ねぎが細かくして入れてる分、甘く感じるみたいだ。
ご飯は炊いてあるので後は盛り付けるだけ。
まだ鈴木の兄ちゃんの家族は来ていないので、先に僕たちが食べる事に。
ご飯はたっぷり炊いてくれているのでいっぱい食べた。
「文化祭で終わった時に食べて美味かったけど、腹一杯は食べられなかったんだよな」
「そうだよな。自分の家で作らないからまた食べたかったんだけど」
「うんうん、ここを離れる前にまた食べれてよかったよ」
「そうか、よかったな。送別会はいいのを作るけど、お前らも持ち寄りだからな」
「「「分かってるって」」」
山田のお母さんには温め直して食べてもらうように伝えた。ついでに簡単にレシピも伝えて。
飲み物を追加して部屋に戻る。2回戦の始まりだ。
2回戦は因縁の対決といこう。
ネオ・ジオング対その他だ。何を使うかは自由。墜とされたら次は別の機体にしてもいい。
ネオ・ジオングは隣接するヘックスに止まらないと、ビーム兵器を無効にできる。だけど、ネオ・ジオング自体それなりの移動ができるから、簡単に隣接するヘックスに止まれない。
そうなると実弾兵器を持つ機体を選ぶ必要がるけど、大抵古い機体が多いしビーム兵器より威力が落ちるためネオ・ジオングにダメージを与えにくい。
ハズレはしないんだけど。
機体の選択は西川がネオ・ジオングで、他の3人はその都度選んでいく。
「何にするかなぁ。ケンプファーにするかな」
「服部はケンプファーにするのか。じゃあ、ゼク・ツヴァイにするか」
「俺はデンドロビウムにするか」
「武田、デンドロビウムだと大量のミサイルの判定が面倒なんだけど」
「眠くなる前に撃ち尽くせよ」
そんなことを言ってたけど、撃ち尽くせるのかね?あれ。
ちょっと京子さんに電話するから外に出た。
「京子さん、こんばんは」
「こんばんは、正直くん。そっちはどう?」
今日放っておいてしまった京子さんと電話がつながった。
「1回戦が終わって晩御飯を食べたとこ。
今日は山田のお姉さん夫婦も来るらしいんだけど、カレー作るの頼まれたよ。山田の甥っ子用に甘口でも更に甘めのを作ってあげた」
「正直くんは子供好きだよね。すぐに優しくしてあげるし」
「年下の子には優しくするように、叔父さんや鈴木の兄ちゃんに刷り込まれたからね。泣かれるのも嫌だし」
「正直くんの前で泣いてる子って、そういえばいなかったね。
やっぱり、いいお父さんになれるよ」
そんな話をしながら、2人の未来予想図を描いていってた。
京子さんとの通話を終えて振り向くと、ちょうど鈴木の兄ちゃん達山田の姉夫婦がいた。
僕達の話が聞こえていたらしく、その甘々な会話に学生時代を思い出し甘酸っぱい気持ちになったとか。
ちょっと恥ずかしい。
お姉さんは「いいもの聞かせてもらった」と言って、子供と家の中に入っていった。
鈴木の兄ちゃんが残り、しばらく話をする。
「大学受かったんだってな。おめでとう。
うちの教授が会って、やっぱり面白そうな奴だって言ってたよ」
「うちの奥さんも後輩になるよ。あの先生には研究室を見せてもらったけど、楽しかったよ。
その研究室に入るかは分からないけど」
「は、奥さん?結婚したのか?お前もデキ婚か?」
「違うよ、まだだよ。入籍しただけ。
子供は就職して落ち着いてからだよ」
自分は高校生の時に子供を作っておきながら驚くとは。
ちゃんと健全に人生設計してるよ。
そうしないと京子さんの学生時代を満喫させてあげられない。
「そうだよな。知ってると思うけど、俺は高校の時に作っちゃったから、いろいろあったんだ。
奥さんにも大変な思いをさせたから、幸せにしてあげなきゃと思って頑張ってるよ」
「奥さんも子供も幸せそうにしてるからいいんじゃないですか?そんなに思い詰めなくても。
山田の両親やおばあさんも怒ってる感じでもないし」
うちの親達も早く孫の顔が見たいって言ってるけど、山田の両親達も喜んでそうだからいいと思うよ。
まあ、うちの担任が一番わりを食っただけの話で。
「そういえば、おばあさんと仲がいいみたいだけどなんで?」
「僕の叔父さんが山田の叔父さんと友達で、よく遊びに来てたそうですよ。
僕が料理してるのを見てそっくりだって」
「へぇ、瑛太さん、こんなとこまで来てたんだ」
「叔父さんも僕と同じ高校2、3年の頃に通ってたみたいで。時々昼飯とか泊まりの時に飯を作ったりしてたそうです」
「相変わらずなんだな。俺も飯作ってもらったもんな、小さい頃」
うちの叔父さんも子供に結構餌付けしてるから、結構覚えられてる。
宮崎も鈴木の兄ちゃんも、ついでに勇も小さい頃に餌付けされている。
「今日、キーマカレー作っといたから食べて。お子さん用に甘いのも作ってあるから」
「そうか、ありがとな。
就活も早く終わりそうだから、そろそろ教授の研究室にいることが多いと思う。何かあったら相談にのるよ」
「うん、たまに行ってみるよ」
流石に3月で暖かくなってきたとはいえ、夜はやっぱり寒い。
そろそろ中に入ろう。
「長かったな。電話でエロい事でもやってたのか?」
「するか!電話の後に鈴木の兄ちゃんと話してたんだよ」
「兄さん達来たのか。来るのは聞いてたけど」
「ちょうど来たよ」
そんな話をしてたら、ドタドタと階段を上がってくる音がした。
誰だろうと思ったけど、あんなに音を立てて階段を上がってくるのは山田の甥っ子くらいだろう。
バターンとドアが開いて入ってきた。
「おーちゃん」
「おお、来たか。飯の時間までここにいるか?」
「あい」
「みんな、ちょっと待ってな」
山田が甥っ子を可愛がりまくっていた。テレビを見せながら、2人でキャッキャしていた。
「山田、渡辺さんにはその子を紹介したのか?」
「してないよ。うちにまだ来てないし」
「渡辺さんの親には紹介してもらったのに、自分の親は紹介しねえの?」
「わらなべさん?」
「甥っ子が名前を覚えるかな?そうしたら鈴木の兄ちゃんにペロッと喋るかもな」
「やめろ!変なこと教えるな!」
「この兄ちゃんな、付き合ってる人がいるんだぞ?」
「つきあってるひと?」
「お前らなぁ」
そんなことをしてたら下からご飯の声が聞こえたので、山田が下に甥っ子を連れて行った。
甥っ子が下手なことを口走らないといいな?
こっちは2回戦の準備を始める。
西川がネオ・ジオングを、武田がデンドロビウムを、配置した。この2つは通常のユニットの4倍サイズででかい。
ゼク・ツヴァイもでかいけど、せいぜい寸法修正+2だから大したことはない。
山田が戻って来て始める。
ターゲットはネオ・ジオングで、弾薬庫であるデンドロビウムをメインにどこまでやれるかだ。
ケンプファーとゼク・ツヴァイはバズーカを持って参戦している。
ネオ・ジオングはほとんど動かないので、まずはそっちまで移動するさせる。
デンドロビウムだけ先行して移動し、接近した。
皆かなり離れた時点で確認しているため、接近した時には追尾となり確認に失敗しない。どのみち寸法修正+9だから失敗しないけど。
先行したデンドロビウムのミサイルを連発していく。大量のミサイルを撃ち込んでいくので判定は皆でしていった。
威力は低いためそうそう貫通することはないが、運良くバーニアにでも当たれば誘爆も狙える。でも、下手したらバーニアの方が装甲が厚く、貫通しないため誘爆させることも出来ない状態。
逆にネオ・ジオングからデンドロビウムへの攻撃は、デンドロビウム側もIフィールドを持っているためビーム兵器は効かない。
「あんだけミサイルを撃ち込んだのにほとんどダメージなしかよ」
「あのミサイルは普通の量産MSなら十分な威力があるけど、あの巨体なら効かんだろ」
「多少ダメージ付いただけとかどうすんだよ」
どんどんミサイルを撃ち込んでなくなった後、バズーカやクラブ、シュツルムファウストの登場となった。
この辺りになると、ビーム兵器に効果のないデンドロビウムよりケンプファーやゼク・ツヴァイに攻撃をしてくる。
ケンプファーとゼク・ツヴァイのバズーカやクラブ、シュツルムファウストの攻撃は当たるが、いい所に当たらない。ダメージはミサイルより大きかったけど、貫通して誘爆するような所に当たらないと意味がない。
結局、先にゼク・ツヴァイが墜ち、次の機体を考えている所に甥っ子が食事を終えまた部屋にやって来た。
山田は使う機体を考えながら、甥っ子をかまっていた。
ケンプファーも結局のところ火力不足なのは否めず、攻撃がいい所に当たらないまま弾薬が尽きた。
どうせこのままだと効かないので、接近戦に持ち込むことにした。
移動量の少ないネオ・ジオングに対し推力全開で接近を試みる。
ネオ・ジオングの射界に入らないように、なるべく背後を取るように移動し、ビームサーベルを振るうが何度か当たるも結局いい所に当たらず。
当然全て射界外に移動できるわけもなく、何度かビームキャノンを喰らい墜ちた。
「くっそー、やっぱ接近戦は無理だよ、向こうの攻撃を避けながらなんか」
「ははは、ネオ・ジオングは無敵ぃ」
「むてきぃ」
「真似しちゃダメだよ」
その後はデンドロビウムが大型クローとビームサーベルでの攻撃を仕掛ける。
巨大MA同士が正面衝突して攻撃を始める。
デンドロビウムのコンテナとかの無駄なパーツが多かった。その部分もミサイルも撃ち尽くしていたため、誘爆する箇所が少なくて破壊されてもどうにかなった。
ネオ・ジオングもノーガードで受ける事に。こちらは余計なパーツは既に破壊されていたりで当てられる場所が減っていたので、ようやくいい所に当たり始めた。
最終的にシナンジュの胴体に大型クローが当たり、破壊して終了となった。
「ネオ・ジオングはやっぱ普通のMSじゃあ墜とせんなぁ」
「デンドロビウムぐらい実弾兵器が有って、Iフィールド持ってないと無理でしょ」
「まぁ、でも墜とせたからいいか。これで心置きなくここを離れられる」
「そんなんで離れられなくなるのか?武田は」
「冗談だよ」
「じょうだんだよぉ」
山田の甥っ子が真似たりして楽しんでるよ。
とりあえず2回戦も終了していい時間になってきた。
山田の甥っ子も御眠の時間になり下に運ぶ。。
僕たちはこのまま菓子をつまみながら、話をすることにした。
*後書き
作中の「ボードのSLG」はツクダホビーから販売されていたボードゲームです。
昭和の時代にガンダムなどサンライズ作品やマクロスなどのロボット物のSLGが販売されていました。
出てくるMSは全て自作のデータで遊んでいる設定になっています。
デンドロビウムは始めて出て来ますが、これも巨大でIフィールド持ってるんですよね。
誤字訂正
198行目 僕たちはこのまま菓子をつまみながら、話しをすることにした。
→ 僕たちはこのまま菓子をつまみながら、話をすることにした。
2025/09/03
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