3月2日 (木) 最期の打ち上げ。実は結婚報告会では?……2
服部Side
「「「「「「「いらっしゃーい」」」」」」
「またか。委員長達にも言ったけど、特に何もないぞ?期待しているようなことは」
「それでも期待したいんだよ、なぁ」「「「「「「「うんうん」」」」」」
また同じ事を聞かれるんだろうけど……
「婚姻届の書類の提出の時ってどうなんの?」
「へ?そんな事が聞きたかったのか?」
「いや、まだまだあるが?」
それならまだいいか。将来のために参考になるからな。
「普通に婚姻届を書いて身分証明書と出しただけだよ。
戸籍謄本が必要な場合があるけど、うちの親達の本籍地はここだし、ここに住んでるから不要だって」
「学生なのに何も言われなかったのか?」
「学生って驚かれはしたけどな?成人年齢だったし特に何も言われてないよ。おめでとうって言われたくらいで」
「「「「「「「そんなもんなのか?」」」」」」
君たちが結婚出来るようになれば通る道だけど、書類さえあれば何もなくあっさり受理される。
せいぜい、誤記入とかあったら訂正して下さいって言われるかもしれないくらいだ。
「簡単なんだな?結婚の手続き」
「お役所だからな。ちゃんとしていれば簡単に終わる」
「「「「「「「で、その後は?」」」」」」
「その後って?」
「「「「「「「そりゃあアレに決まってるだろ?初夜なんだから」」」」」」
「してないよ。普通に一緒にベッドで寝てただけだから」
「服部はもうしてるから、初夜とか関係ないんだよ」
「大戸、何言ってんだよ?」
そりゃあ、京子さんとはもういたしてはいますけど、大っぴらにすることじゃないだろ。
秘め事なんだから。
「「「「「「「何ぃ、服部の裏切り者!」」」」」」
「裏切り者とか言われてもなぁ。なあ、大戸」
「何だよ、何が言いたい、服部」
大戸、自分ももうしてるくせに。
僕だけこの飢えた野郎共の生贄にするつもりか?
「何時なんだよ?」
「……1年前だな。2年の時は一人暮らしだったしな。親が戻ってくる前に……」
「連れ込み放題かよ?」
「前にも言ったはずだけど、そんな事してねぇよ。それに京子さんはうちに3回しか来てないし」
誰もいない家に何度も連れ込んだら我慢出来なくなるからな。
だから、いつも京子さんの家に入り浸ってたんだよな。
「それで服部の家でナニしてたの?」
「え?京子さんはうちでエロマンガを探してただけだけど」
「「「「「「「え?エロいことしてたんじゃなくて、エロマンガ探してた?何で?」」」」」」
「男の子の部屋にエロマンガがあるはずだって」
「服部の家に無いの?」
男なんだからエロマンガくらいある。そりゃあもう、あるさ。
ただね……
「無かったんだよ、物理的に」
「は?どういうこと?」
「デジタル化してるんだよ。そのくらい常識だろ?」
「「「「「「「いやいやいや、常識じゃあねぇよ!」」」」」」
「まぁ、それで見つからないから何回も探してたんだよ。
それに母さん達が帰ってくるギリギリまで我慢してたんだよ」
「「「「「「「マジか?」」」」」」」
いつも言ってるけど、出来ちゃったら困るだろ、京子さんが。
普通の高校生活が送れなくなってしまう。
「でもこれから一緒に暮らすんだろう?羨ましいなぁ」
「冬休みから一緒だけどな?夏休みもほぼ一緒だったけど」
「「「「「「「マジか?もう服部死ね」」」」」」」
「やだよ、京子さん残して死ねないよ」
野郎共は女子と同じように新婚初夜に夢があるようだけど、初めてじゃないからね。
それにもうお互いの家で結構暮らしてるから、普通の生活なんだよ。
新鮮味がないのかと言われるとどうなんだろうね?
やっぱり2人で暮らすようになるとまたガラッと気分が変わるんだろうな。
その時が楽しみではあるけど。
京子さんSide
「本当の所はどうなのかな?」
「本当に昨日は何もないよ」
「京ちゃん達はもう経験済みだから、初夜だからって気にしてないんだよ」
「そうだな、多分2人だけで暮らすようになった夜が本当の初夜になると思うぞ?」
「ナベちゃんに吉村さんはもう」
確かにそうかもね。子供が出来てもいい状況になれば……だと思う。
それまではコソコソとしてるかな、ちゃんとして。
「でも、岡田さん、あ、もう服部さんか。
服部くんはいいよね。料理は出来るし優しいし、後輩とかの面倒見もいいし。
もっと早くに知ってれば告ってたのに」
「「「「「「「うんうん。告ってたね」」」」」」」
「だよね。だから2年の文化祭の時に告ったんだもん」
「それだと早くない?文化祭の準備を一緒にしてたって、まだそんなにどんな人か分からないよね?」
文化祭の時も優しかったけど、それだけで決めるには不安だよね。
でも、前から知ってたから。
「ほんとはね、前から優しいのは知ってたんだよ。1年の時に困ってる所を助けてくれたから。
正直くんは覚えてないけど」
「その頃からリサーチしてたの?それじゃあ勝てないわ」
「エヘヘ」
思い初めてからは2年半くらい。もう結婚するとは思わなかったけど、一緒になれて良かった。
特にお父さん達にすぐにバレるとは思わなかったし、正直くんがすぐにお父さんに気に入られるとか想像もしなかったもん。
やっぱりいろいろ運が良かったし、もしかしたらそうなるようにあの神社の神様が運命付けてたりしたのかもしれない。
なんか不思議なタイミングが重なった様な気がするよ。
「服部さん、結婚指輪見せて」「「「「「「私も私も」」」」」」
「それ、正直くんのバイト代6ヶ月分だからね?就職したらちゃんと給料3ヶ月分でまた買うとか言ってるんだよ?どう思う?」
「優しいとは思うけど、服部さんがこれで納得してるなら生活費に回した方がいいんじゃない?」
「だよね?」「「「「「「「そうそう」」」」」」
その辺はきちんと正直くんに言っておこう。ほんとに買っちゃいそうだし。
嬉しいには嬉しいけど、2人の生活の方に使った方がやっぱりいいよ。
「服部さん、今後の生活ってどうすんの?」
「今のところ2人とも学生だから、うちで生活する事になってるよ。学費も生活費も両方の親から出してもらうから、正直くんがうちに下宿してる感じかな」
「ふーーん、やっぱりそんな感じだよね。いきなり2人で部屋借りるとかするのかと思った」
「流石にそんな話はしなかったね。正直くんがいきなり私が居なくなったら両親が寂しく思うだろうからってうちに来ることにしたし」
「服部くん、やっぱいいやつだね?」
「うん、うちの両親が喜んでたよ。特にお父さんが。
ただ、就職して2年くらいはお金貯めてその頃に独立する予定」
「そこまで考えてるんだね、服部くん。でも、服部家は?」
「妹の真琴ちゃんがいるからいいだろうって。それに正直くんのお母さんも真琴ちゃんも頻繁にうちに来るだろうから問題ないってさ」
「ほぉー、一応自分の親のことも考えてるんだね」
高校卒業の打ち上げのはずが、僕と京子さんの結婚の報告会となってしまった。
その後もいろいろ聞かれてては、問題ないことには答えた。
特に女子は結婚に夢見てる所が多かった。野郎共は結婚にエロい夢を見ている所が多かったけど。
みんなが落ち着いたところで、男女が混ざってカラオケが始まった。
このクラスで2年間過ごしたけど、なんだかんだあったけど楽しかったな。
京子さんとのことで怨嗟の声をよく聞いたけど、まぁ気のいいやつも多かったし気にはしてない。
これからはほとんどの人が地元を離れる。
僕には京子さんがいるからまだいいけど、1人で親元を離れる人は寂しいだろうな。他に山田達や大戸、委員長も身近にいる僕は恵まれてる方か。
離れていく人は頑張ってほしいな。
打ち上げも夕方になり終了した。
2次会に行く集団が離れていき、僕は山田達と4日のお泊り会の打ち合わせを軽くして別れた。
京子さん達も他の女子達と話し終わって別れ、僕達はお店を見ながら家に帰った。
「「ただいま」」
「おかえり、京子。卒業の祝いに来たよ」
「おばあちゃん、正直くんもいるんだけど」
「いいんだよ、そんな奴は」
「正直くん、卒業と大学合格おめでとうね」
「ありがとうございます。大学の方は運良く受かりました」
「そうだね、あんたは運で受かったんだよ」
「……おばあちゃん」
玄関先でいつまでも話していても仕方が無いので、中に入り自分の部屋で着替えて降りてくる。
リビングに優子さんの方のおじいさんとおばあさんが居て、相変わらずおばあさんは僕を敵視している。おじいさんの方は味方なんだけど。
お茶を飲みながら話をしていて、大輔さんがとうとうあのことを話し始めた。
「正直くんが正式にうちの息子になったんですよ。なんで、うちで暮らすようになりました」
「何ぃ?何を言ってるんだい。わたしゃ認めないよ!」
「いえ、もう市役所に婚姻届を提出しましたから、京子さんと僕はもう夫婦になりました」
「お前ぇ、何をしてくれたんだい?」
「おばあちゃん、2人でちゃんと決めて結婚したんだから」
「くっ」
悔しがってる、悔しがってる。おじいさんの方は「おめでとう」って言ってくれてるのに。
おばあさんだけが四面楚歌の状態なのに、まだ認めたがらないみたいだ。
そろそろ諦めて下さいよ。僕と京子さんはこんなに幸せなのに。
それでも、子供が出来れば完全に認めないわけにはいかないはず。まぁ、すぐにはそうはならないから、また時間をかけて……
今後も京子さんと幸せっぷりを見せつけてあげよう。
2025/09/03
現在次世代の話を連載中です。興味がある方はご覧いただければ幸いです。
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