1月13日 (土) 共通テスト1日目……1
ついに共通テストの初日、理系の科目はないけど国語や英語、その他の科目を僕達は受ける事になっている。
京子さんは今日の方が1教科多くなっているけど。
ちなみに、うちの担任の受けれるだけ受けとけという雑な指導の元、皆結構な数の科目を受けることになっている。
朝のバイトは今日明日と休みを取っているので、朝はゆっくり京子さんと寝た。
いつもより早く起き、一緒にお昼の弁当のためにサンドウィッチを作っていく。試験の時間に頭がフル回転するようにということも考えて、早めに起きて調理をしている。
消化にいい具材で、いつものように多めに作って持って行く。
「「おはよう」」
「おはようございます、大輔さん、優子さん」
「おはよ、お父さん、お母さん」
大輔さん達が起きてきたし、サンドウィッチも準備できたので朝食分をテーブルに出して、京子さんに紅茶やコーヒーを出してもらう。
朝食を食べてもらってるうちに、弁当用の分をまとめて袋に入れて持っていけるように準備した。
さて、僕達も食べますか。
「「いただきます」」
「正直くん、いつもの事だけど美味しいよ」
「ありがとうございます。いつもの具ですけど」
「正直くん、それでいいのよ。いつもいつも朝ご飯やお弁当なんてそんなにいろいろ作る必要はないのよ、うちでも」
そう言ってくれるのは嬉しいね。
家族として扱ってくれてるわけで、僕もそうなっていきたいから考えを改めないとね。
共通テストの日だけど、普通の話をして朝食の時間を過ごす。
京子さんも精神状態は今のところ問題はないようだ。
僕の方は……ちょっと緊張してる。もう合格してるんだから気にしなくてもいいはずなのに。
時間まで僕と京子さんはゆっくりして過ごす。
ゆっくり過ごしていると時間が来た。着替えて玄関で待つ。
一昨年の冬に京子さんに見立ててもらった一式に、プレゼントしてもらったデイバッグを装備し、お弁当の保冷バッグも担いで。
京子さんも一昨年の冬に一緒に見立てた装いで玄関まで降りてきた。
「一緒だね」
「うん、前の冬に一緒に買った服だもんね。
勝負に正直くんの加護があるかと思って」
「そう?あるといいね」
それから駅前まで安全に気を付けて歩いて行った。
駅前にはすでに待ってるクラスの人がいた。大戸とその彼女さんと委員長だ。
「「おはよう」」
「「「おはよ」」」
「ちゃんと眠れた?みんな」
「まあなんとかな」
とりあえず大丈夫そうだ。今のところ特別酷い状態の人はいない。
みんなにラムネを一袋ずつ渡しておく。
「何、このラムネ?」
「脳みそのエネルギー源。脳はブドウ糖しかエネルギーにならないんだって。
だから、ほとんどブドウ糖のラムネを食べることでエネルギー補給するんだよ。
うちの勉強会の定番だよ」
「「へぇー」」
そうしていたら武田が来て、更に高橋さんが西川と来た。西川はすぐに帰ったけど。
他にも3人来てこれで全員だ。
会場は僕が受かった大学が使われるので、迷うこともなくバス停に行き予定通り会場に到着した。
自分の席を一度確認して、まだ時間があるのでコインロッカーを探して弁当の保冷バッグを放り込んだ。
時間まで京子さん達と集まって話をして、緊張を紛らわす。
京子さんは女子達と、僕は大戸や委員長、武田と話す。
「委員長、1年の子と連絡取り合ってんの?」
「まあね。今は電話だけだけどほぼ毎日」
「服部。何、その1年の子って?」
「年明けにアイススケートに行ったんだよ、妹達の友達も連れて。
その中の子が委員長を気に入って連絡先を交換したんだよ」
「へぇ、委員長良かったな。大学受かればゆっくり付き合えるな?」
早いとこ受験を終わらせてゆっくり付き合いたいよな、委員長も。
でも、まだ未成年だから節度を守ってね?
何かあったら、橋渡しをした僕達も寝覚めが悪いし。
といってもまだ先のことだろうけど。
「やっちゃって捨てたりするなよ、委員長」
「ばっか、そんな事するか!」
「冗談だよ」
「大戸がそんなことしなかったんだから、委員長もしないだろ?」
「なっ、服部。何言ってんだ!」
「何だ大戸、河野さんとそこまで進んでるのか。試験頑張らないとな?」
「うっせ、言われなくても頑張るよ」
武田は精神統一し、僕と大戸、委員長3人で静かに軽口を叩いてると、そろそろ時間になりみんなで席に戻る。
京子さん達が僕達の方を見て不思議そうな顔をしてるけど、話は聞こえていなかったようだ。
試験は午前午後各2教科受ける。今日は京子さんも一緒。
5時前くらいまでかかる。
それでも模試よりは早く終わるだけ楽だ。
京子さんとは受ける教科が違うため教室が違っている。
お互い午前の2教科をこなす。
午前の試験が終わり、男共は同じ教科を受けていたので一緒に教室を出る。そのまま、京子さん達女子のいる教室を回りお昼にする。
途中売店に寄り飲み物や食べ物を買って、空いてるテーブルを探す。
ようやく人数分の空いてる席を見つけ座り、持ってきたサンドウィッチを広げた。
他の人も自分の弁当を広げ食べ始める。
「多めに作ってきたから食べてもいいよ。後、パウンドケーキも用意してるから」
「服部、助かるよ。売店の弁当だけじゃ足りそうにない」
「大戸に同じ。あんまりいいのが残ってなかったしな」
「いいよ、食べてくれ。消化に良さそうなのを作ってきてるから。ポテサラ、タマゴ焼き、焼きそばだな」
「「私達もいいの?」」
「いいよ。ほんとに多く作って来たから。ね、正直くん。パウンドケーキも美味しいよ」
「服部くんのパウンドケーキは人気があるんだよね。だから、ほとんど食べれないんだよ」
そんなに人気があるのか。本職にするつもりはないけど嬉しいね。
サンドウィッチを美味しそうに食べてくれてる。
「チョコのパウンドケーキだけど、チョコは集中力アップやストレス軽減の効果があるんだって」
「そうなんだ。明日はチョコを持ってこようかな」
「食べ過ぎには注意してね」
「鼻血が出るやつ?」
「あれは都市伝説だよ。チョコ食べて血管が切れるようだったらヤバイよ。
病院に行った方がいい」
「「「「「「「確かに」」」」」」」
そんな話をしながら昼食を取っていると、どこからか知らないチャラそうな男が女子がいるテーブルの方に寄ってきた。
しかも、こちらが許可もせずサンドウィッチを手に取り食べ始めた。
「手作りは美味しいね。誰が作ったの?」
模試の時もそうだがなぜかこういうやつが寄ってくる。
1年生組と一緒の時もだけど、女子が多いと特に寄ってくる事がある。
「それか、作ったのは俺だけど?
お前さんは男が作った手料理が好きなのか?」
「「「「「「「ブフッ」」」」」」」
みんな吹き出した。
女子の前に置いてあれば女子の手作りではないのだが……
「そういえば、前に模試の時も俺の手作りおにぎり食べてただろ?」
「うっ、そういえばそんなことが……」
「やっぱり男の手作り料理が好きなんだな?」
これでチャラそうな男は立ち去り、その友達らしい男が謝りながらついて行った。
「じゃあ僕は大丈夫だね。いただきます」
「次は誰だ?」
今度はまた別の誰かがこっちのテーブルに近付いてくる。
こっちにいないはずなんだけど見覚えのある奴がいた。
「勇か……」「勇さん!」
「「「「「誰?」」」」
「大戸は知ってるはずだぞ。小学校の時に僕の親分みたいのがいただろ」
「えーーっと、三宅さんだっけ?」
「そう、そいつ」
「そいつとは失礼な」
高橋さんも花火大会に来てたから知ってる。
こいつも許可する前に口に入れていた。まぁいいけど。
「なんでこっちにいるんだ?」
「自由登校だしこっちの大学受けるから、共通テストもこっちで申し込んでもらったから」
「そうか、なら食べてもいいよ」
しかし、わざわざこっちで受けなくても高校の近くで同級生と一緒に受けた方が気楽だろ。
更に言えば、自分の昼食は持って来ていないのか?
まぁ、元々みんなに振る舞うから多く作って来てるし、勇らしく相変わらずなんだけど。
「服部くん、そちらの人を紹介してほしいんだけど」
「あ、ごめんね。
こいつは幼馴染の三宅 勇。中学までこっちの学校にいて、高校は県外の全寮制の女子校に行った」
「「女子校?」」
「うん、女だからね。別に女装させられて放り込まれたわけじゃないから」
「「女の子?」」
「そう、男子っぽい外見で中学の時も女子にすごくモテてたけどね。それで幼なじみで近くにいた僕が女子に目の敵にされてたんだけど」
「それはご愁傷様です。でも、今ならあの会とその女子とで揉めそうだよね」
ああ、あの会か……
あの会なら僕と京子さんの味方をしてくれるから、何かあると体育館裏で揉めてそう。
### 続く ###
誤字訂正
157行目 こいつも許可する前の口に入れていた。まぁいいけど。
→ こいつも許可する前に口に入れていた。まぁいいけど。
2025/09/03
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