6月14日 (火) 岡田さんが学校に来た……
昨日は岡田さんのお母さんが言っていたように、岡田さんは休んだ。
大事を取って休ませると言っていた通りになった。
吉村さん達には心配しているだろうから、昨日の岡田さんの様子を伝えた。
大分元気にはなっていたけど、岡田さんのお母さんに休ませるかもって言われたって伝えたら安心してた。
ついでに雨降って気温が低いのにテラス席でお茶するのは止めるようと言っておいた。
「ははぁ」とか言って平謝りされた。
昨日のうちに「明日は大丈夫」と連絡があったので、教室で待っていると岡田さんが入ってきた。
「おはよう、京子さん……いや岡田さん」
「おはよ……!」
周りが一瞬ざわめいた。特に吉村さん達が。ついでに山田達がにやにやしているのが見えた。
……岡田さんも顔を赤らめていた……
他にも一部男子を中心にざわめいていた。岡田さんを好きだった奴らかな。
「体調はどう?顔色はちょっと赤いけど、まだ熱があったりする?」
「ううん、大丈夫よ。学校で『京子さん』て呼ばれたから……ちょっと……ね」
「ああ、ごめん。日曜に何回も呼んでたから」
「いやぁ、いいんだけどね。急に呼ばれると恥ずかしくなっちゃって」
こちらも気を付けないとね。
とりあえず岡田さんも体調はいいみたいだし安心だ。
それより吉村さん達や山田達の方が気にかかる。まだニヨニヨしてやがるし。
吉村さん達は岡田さんに任せてからかわれてもらうとして、山田達の方は……自分がイジられるしかないか……
服部Side
「よぉ、『京子さん』だって?また随分仲良くなっているようですな。ねぇ、武田さん」
「そうですね、下の名前呼びって随分親密ですねぇ。ねぇ、西川さん」
「そのようですね、日曜日に行くとこまで行ったというところですかな?ねぇ、服部さん」
「なわけあるか!岡田さんの両親にうちでは『京子』と呼ぶようにって言われたからだ!
日曜に岡田さんが具合が悪いってんで見舞いに行って、ずっとそう呼んでたから出たんだよ!!」
仕方がないだろう、呼び慣れちゃったんだから。
でも、学校ではまだ『岡田さん』で通したい。でないとまたイジられたり一部の野郎に睨まれたりしかねないし。
なるべくなら今の生活に波風立てたくないからなぁ。
「まぁいいや、見舞いに行ったんだって?土曜は確かに調子悪そうだったしな」
「その後遊んでて悪化したらしい。日曜日に遊ぶ約束もしてたから見舞いに行って、昼と晩飯作ってきた」
「そりゃまぁ、すごいな。また山田んちで遊ぶ時に作ってくれよ」
「泊りのときな。夏休み中に泊りでやるだろ?」
「「「だな」」」
それよりも岡田さんとの夏休みの予定も決めておきたいな。
ほぼ毎日宿題片づけに行くし、週3でバイトもすることにあってるけど。
岡田さんSide
「京子ちゃーーん、なんですかね?あれは」
「そうですな、もう下の名前呼び合う仲ですかな。ねぇ、高橋ちゃん」
「そうみたいですね。もう随分と進んでしまったんですね、岡田さん」
「まだ服部くんの下の名前で呼んでないし、全然進んでないよ」
やっぱりからかわれてしまった。皆こういう話には飛びつくんだもんなぁ、どうしよう。
「服部が見舞いに行ったんだよね?土曜に具合が悪くなったって伝えといたから行くとは思ってたけど」
「ん、聞いてる。チャットにも残ってた。
遊びに来る予定だったからって来てご飯作ってくれた」
「これは『あーーん』とかしてもらったんですかにゃ?」
「『熱いからふうふうして冷まして』ってやつですか?」
「そんなことしてないよ」
確かにやってもらいたかったかも。でもちょうど食べやすい温度だったから、全然そんなこと思いつきもしなかったよ。
さすがに次はいつになるかも分からないから、惜しかったなぁ。
「京子、惜しかったなぁって顔してるぞ」
「えぇぇ、そんな顔してる?」
「「「うん」」」
「まぁ、確かそうだけど。でも作ってくれたおかゆとかがちょうどいい温度だったから、そんなこと全然思いもしなかったよ」
「そのうちまたチャンスがあるよ、多分」「「どんまい」」
ううう、恥ずかしい。
そのまま昼の休憩まで授業を受け、時々岡田さんと話をしてた。朝の「京子さん」が効いてるのかしばらくざわついているのが気になる。
さすがに突然呼び方を変えたり、学校でいつも一緒にいるのはやっぱり恥ずかしいよね。
そなこともあって、昼はいまだに山田達と一緒に食べて過ごしていた。岡田さんは吉村さん達と一緒にいるし、放課後になればまた一緒にいることができるし。
休憩時間が終わるにはまだ時間があるがちょっと席を立ってトイレに……
その帰りに廊下で同じクラスの確か大戸が廊下にいた。一人だけなんで誰か待っているんだろうか。
しかし、その前を通過したときに声をかけてきた。
「服部、ちょっといいか?」
「ええと、大戸くんだっけ?いいけど、何か用?」
「ああ、いきなり聞くけど岡田さんと付き合ってんの?」
「ん?もう1か月くらいになるね。文化祭の最終日から付き合ってるよ」
「そうか……やっぱりか……」
大戸くんが目に見えてがっかりしてるのが分かる。岡田さんが好きだったんだろうな、やっぱり。
僕から岡田さんに告ったわけではないから仕方がないのだけど、なんかごめん。
そのくらい大戸くんが落ち込んでる。
「もしかして……」
「ああ、今年同じクラスになってからな。ちょうど席が近くでね」
「ほうほう、文化祭までに告ろうとは思わなかった?」
「ちょうど最終日にと思ってたんだけどな……」
「それはタイミング悪いな。もっと早くに告ってればもしかしたら……」
「どうだろうな。文化祭のちょっと前程度だと無理だろ。振られるだけだ」
まぁそうか、文化祭の準備の時に岡田さんのことを手伝ったりしてたのが好印象だったからなんだけど。
文化祭の準備もそれなりに長い時間を取ってったから、準備を始めた頃にでも告ってないと厳しいか。
「文化祭の準備で岡田さんを手伝ったから優しい人認定で好きになったって言われたけど……」
「文化史の手伝いしてりゃあまた違ったのか?放課後そんなに手伝わなかったからなぁ。その時点でだめだとか?」
「かもな?」
まぁ、それだけではないとは思うけど、僕に告ること自体は遅らせることができたかもしれない。
そうすれ大戸くんにもチャンスはあったかもしれないのは確かだと思う。
もう今更だけど。
「そっかーーーーー。今日朝下の名前で呼んでたけど、どこまで進んでんの?」
「山田達と同じようなこと聞くなぁ
映画に行ったり、岡田さんの家で試験勉強したりくらいだよ。日曜も調子が悪いみたいだからお見舞いに行ってご飯を作ってた」
「ご飯作ってた?っていうかもう岡田さんの家にお邪魔してんの?日曜だから親もいるんじゃねぇの?」
「うん、ご両親に許可を貰ってるよ。それで一緒にご飯食べてきた」
「……もう親公認か……」
また落ち込んだ。
僕もこんなに早く親公認になるとか思わなかったんだけどな。そういうところでもごめん。
「そっか、分かった。ありがとう。諦めつくわ」
「そっか、なんか悪いな」
「別にお前が悪い訳じゃないだろ。俺の運が悪かっただけだろ。
あ、あと聞きたかったことがもう一つ……」
最後に聞きたいことについて話が終わるころ、午後の授業開始のチャイムが鳴ったので2人して教室に戻った。
放課後いつも通り岡田さんを家に送り、さらにいつも通り岡田さんのお母さんに茶に招かれた。
その後、京子さんの部屋で話をしていった。
「昼休みに廊下で大戸君と話をしてたけど……」
「ああ、あれね。2件ほどちょっと聞きたいことがあるって言われて話してた」
「聞きたいことって……聞いてもいいことかな?」
「問題ないと思うよ」
流石に丸々話すと大戸に迷惑をかけてしまうのでいくらかごまかさないと。
「朝の『京子さん』発言のことで、それが気になる男子を代表して僕と京子さんの関係を聞きに来たんだよ」
「ええーー、男子の方でも話題になってるの?」
「仕方がないんじゃない?京子さんは可愛いから気になるやつが多いんだよ」
また真っ赤になってる。
でもこれで大戸が岡田さんを好きだったことがごまかせただろう。
「なんか早く告ってればよかった、とか言ってるやつもがいるらしくて、大戸がじゃんけんで負けて聞きに来たんだって。
文化祭の準備で僕が岡田さんの手伝いをしたからって話をしたら、文化祭の準備もっと手伝ってたらワンチャンあったのかもて言い出しそうだって大戸が笑ってた」
「そうなんだ。準備にもっと参加してる人が多かったら楽だったのにね。(でも、実はそれだけで服部くんを好きになったわけじゃないんだけどね)」
後の1件は……
「実は大戸と小学1,2年の時よく遊んでたんだって話。
別の学区に転向したんで会わなくなってたんだけど、高校で同じクラスになったときにそうなんじゃないかって気になってたんだって」
「服部くんは気付かなかったの?」
「向こうが気付いたのは、僕の背が相変わらず大きかったからだから。
大戸は昔は結構背が高かったけどそんなに背が伸びなかったみたいだし、あと完全に忘れてた」
「くすくす」
話も大体終わって帰ろうかと思ったら夕飯をどうかと岡田さんのお母さんに言われたけど、あまりお世話になるのも悪いんで今日は帰ることにした。
でも、晩御飯は何にするかなぁ。
誤字訂正
156行目:「そうなんだ。準備にもっと参加してる人が多かったら楽だったのにね。(でも、実はそれだけで服部くんを好きになったわけじゃ人だけどね)」
→ 「そうなんだ。準備にもっと参加してる人が多かったら楽だったのにね。(でも、実はそれだけで服部くんを好きになったわけじゃないんだけどね)」
2025/09/02
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