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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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8 店番候補

いつも読んで下さりありがとうございます。ブックマーク、評価等もありがとうございます。

 次の日は、町での生活用品の買い出しと、迷宮に行くための装備の購入に使い、更に七日間は、生活用の魔法の習得と、錬金用具の取り扱いについて学ぶこととした。

 初日は、魔法についての理解や発動手順を学びながらだったので、やっと一つ、発火の魔法を発動させるだけだった。

 だが、その後は、一度発動の仕組みを会得してからは、順調に魔法を習得していけるようになっっていった。

 二日目も生活魔法を習っていると、店のほうから、来客の声がした。


 「ごめんください。こちらに茜様は、いらっしゃいますでしょうか。」


 私に客?あの声は、確か。店先の声に聞き覚えがあった。こちらの世界に来た時、最初に会ったお妙さんだ。私は、慌てて、お政さんと店先に向かった。


 「お妙さん?どうしたの。」


  私は、店先に出るとそう、お妙さんに声をかけた。


 「茜様、居てくださって良かった。この間のお礼に伺わせていただきました。」


 お妙さんは、私に気づき、そう言って自分の畑でとれた野菜を差し出した。

 私は、野菜を受け取ると、竜馬さんと九重さんは、九重さんの階級試験のために、薬草の知識を得るため迷宮に実地で習いに行って、不在であるのと、隣の店主であるお政さんを紹介した。


 「ありがとう。今日は竜馬さんも、九重さんも生憎迷宮に行っていて不在なの。こちらは、ここの店主のお政さんです。」


 「お政様ですか、初めまして、三日前山賊に襲われたところを茜さん達に助けていただいたお妙と申します。客でもないのに店先から、申し訳ありません。」


 「改めて、茜から紹介のあった、錬金屋のお政だよ。よろしくね。若いのに礼儀正しいね。ここは、夕刻に薬種商や薬師達が来るくらいだから、もっと砕けて話しても構わないよ。」


 「私は、今お政さんにお願いして魔法と錬金術の勉強を始めているの。お妙さんは、野菜売りの帰り?」


 「いいえ、私も、もうすく成人を迎えるので、今度の農閑期に村をでて、奉公に出る予定なのですが、竜馬さんに籠を売った時、頂いたお金で余裕ができたので、素養調査をして奉公先を決めようと、今日はそのために街に来たのです。ですので、これから、口入屋に行く予定です。」


 「そうなの。いい奉公先が見つかるといいね。」


 「なら、お妙ちゃん、ここで素養調査をしていくかい?」


 「こちらで出来るのですか?」


 「ああ、素養調査の紙はここで作っているし、私の署名も公の、まぁ、口入屋と同じ効果があるからね。数日前、この茜もここで素養を調べたよ。」


 「そうなのですね。では、お願いしていいですか。」


 「じゃあ、この紙のここに村名と名前を書いておくれ。」


 「はい、緊張しますね。」


 お妙さんの結果は、算術、話術、槍術、裁縫だった。


 「これは、どうなのでしょう?」


 お妙さんは、結果の見方が分からず、お政さんにそう尋ねた。


 「悪くないんじゃないかい。商家ならどこでも、雇ってもらえるだろうし、それと縫子として働き口があるよ。」


 「本当ですか、ありがとうございます。」


 お政さんの回答に、お妙さんは、嬉しそうにお礼を述べた。

 そして、お政さんは、お妙さんにここでの奉公を勧めた。


 「それでだ、お妙さんは、この店に奉公に来る気はないか。丁度人を探していてね。条件は、泊まり込みで、月に銀貨5枚だ。条件的には、中の上くらいだ。口入屋に午後に依頼に行くから、あたしと一緒に行ってくれれば、そこで雇い入れてやるよ。」


 「本当にそのような条件で奉公出来るのですか?やります。やらせて下さい。」


 お妙さんは、驚きと喜びを合わせて、お政さんに、詰め寄るように返事をした。

 後でお政さんに話を聞くと、農村からの住込みの奉公人は、無給かよくて銀貨1枚が相場らしい。そして、商家等からの奉公人が銀貨2枚から6枚、暖簾分け、独立を前提にした雇い入れで金貨1枚から金貨3枚ということらしい。なるほど、お妙さんも大喜びするわけだ。


 物価については、昨日買い物をした感覚だと、小銅貨1枚は日本円で10円から100円くらいの価値がある。葉物野菜や穀類は、安いが、調味料や日用品はそれに比べかなり割高に感じたからだ。


 「ただ、親元には、住込みで月銀貨1枚と銅貨50枚とさせてもらうよ。仕送りはしても、借金がないなら年でぜいぜい銀貨2枚にしな。うちがそんな高給な奉公先と知られたくないし、仕送りをそれ以上送っても村では使いきれないだろうから、碌なことにないからね。」


 「分かりました。その条件でも十分な奉公先ですし、親も安心するでしょう。仕送り額についても確かにそうですね。」


 お妙さんは、お政さんの言葉に少し考え、そう返事をした。


 「なかなか賢そうで安心したよ。詳しいことは口入屋で詰めようか。」


 「お政さん、どうして口入屋を通すの?私の時は即弟子入りになったのに?」


 「茜の身元を引き受けている、九重殿もここにいるから、問題ないが、お妙は親御さんが心配するから、雇入れの書面を交わして、あたしと親御さん、口入屋でそれぞれ保管しておくのさ。何か問題があった時のためにね。」


 確かに、雇入れ条件より不遇であった場合とか問題にならないよう第三者を入れたほうがいいのか。

 あれ、私は、弟子入りが迷惑になるとかの話になってしまい、弟子入りの条件を聞いてなかった。ここでついでに聞いてしまおう。


 「ちなみに、弟子入りの時金銭の話はなかったのですが、私は無給なのでしょうか?」


 「あはは、うっかりしていたね。修行以外に自分でやってみたい錬金素材を買ったりできるように月金貨1枚だすよ。売り上げに貢献できるようになったら、また、考えるよ。本気で取り組むとそれでも足りなくなるかもだが、その時は相談をしなさい。」


 「ありがとうございます。」


 金貨一枚、日本円にして、最低でも10万円くらい、実際には買う物にもよるけどだいたい30万くらいかな、錬金素材がどれくらいかわからないけど、住込みでそれだけもらえれば、十分すぎるね。

 実際には、大して娯楽もない時代なので、町人であっても銀貨3、4枚稼げれば、月を楽に越せる、金貨1枚はもう少し価値があるのだが、この世界に来て間もない茜には分らないことだった。

 いや、竜馬から、二週間で銀貨3枚と銅貨50枚あれば宿を取って生活できると聞いていたはずだから、もう少し考えればわかるはずであった。


次回のあらすじ


茜は、お妙さんとお妙さんが店勤めと生活のための買い物に出かけたのですが、次回 第9話 街への買い物 是非読んでください。

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