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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
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5 迷宮都市へ

 

 一緒に街に向かう二人、九重さんは、仕えていた侯爵家が取り潰されたため、いずれは王都で生活するため旅を始めたとのこと、龍馬さんは、薬の行商で九重さんが仕えていた侯爵と侯爵の跡取りが亡くなったと聞き、流行病ではないかと向かおうとしていたが、九重さんから事情を聞き、そうでないとわかったため引き返すことにしたそうだ。

 九重さんは、路銀を稼ぐのと迷宮探索の実績を作るため、しばらくこの先の迷宮都市に留まるそうだ、龍馬さんは、迷宮都市を拠点にそこや、周辺の村を巡回して商売をしているらしい。


 そして、この世界には、魔力があるので、魔法が存在するとのこと。

 私が失神した時、盗賊の腕が切り落とされたのも、九重さんの魔法による物とのことだった。

 その他にも、お妙さんの服についた盗賊の血を取ったり、盗賊の死体を埋めたりも魔法でしたらしい。


 魔法は、この世界の人は誰でも使えるらしいが、普通の人は、発火や水の汲み上げ、汚れの除去にくらいしか使えないらしいけどそれでも十分便利だよね。

 九重さんは、魔力量も多いらしく、先ほどの風による切断や穴掘りにも使ったらしい。

 私も、この世界に引っ張られてこられたのだから、魔力量は問題ないはずなので、魔法の適正はあるだろうから、魔法の知識を覚えれば、いろいろ使えるらしいとのことだ。

 ただ、この世界の魔法は、無から有を作り出したりはできないらしく、水魔法は、水があるところでないと本来の威力で使えないとかなど制約があるとのことだ。


 それと、先程お妙さんと話した魔力溜まりは、誰も見つけていない物なら、発見報酬が得られるかもしれないとのことだった。


 また、これから目指す街は、この武蔵野王国にある四大迷宮の一つ「佐加里」がある王領の街で、竜馬さんの話にもあった錬金屋を営んでいるお政さんと言う人が漂着者についても詳しいとのことと、私の今後の身の振り方についても相談に乗ってくれるらしい。


 それと魔法についても、適性があればお政さんが教えることができるそうです。

 やっぱ異世界と言えば魔法よね。習得が楽しみだ。


 この武蔵野王国の制度としては、王政と封建貴族制度で成り立っていて、領地を持たない貴族が王都の政治を行い、国王が任じた公爵、伯爵、侯爵が州や郡を治めていて、その下に子爵、男爵がその中の直轄地以外の街や村を治めると言った体制により統治を行っているようだ。

 他にも国家があるらしいが、武蔵野王国は、四方を海に囲まれており、他の国家行くのに、最低でも二週間近い航海が必要らしいので、この島(大きさが話からはよく分からないので一応島と認識)の唯一の国家だそうだ。


 ちなみに、この国の貨幣は、小銅貨1枚が最低基準で、小銅貨10枚で銅貨1枚、銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚、あと一般的でないが豪商や貴族とかが使う、金貨100枚で聖金貨1枚と1,000枚で焔金貨1枚という単位があるらしい。

 九重さんは、仕事で聖金貨を見たことはあるらしい。


 そんな話をしていると関所に到着した。

 簡単な木柵と門があり、柵の左右に記載台、その脇に役人の詰め所と馬が2頭繋いである厩があるだけだった。

 関所では、通行税のような物は徴収されておらず、人の出入りの記入と荷車や荷馬車の荷物の記載のみを行っているらしい。


 私は、何気に関所の門に掲げられた看板の文字を見ると、日本語ではないようね、でも、読める。そう言えば、あのへんなタンポポやセリも、タンポポとセリと認識していたわね。先ほどの川辺でのことを思い出しながら疑問に思いつつも、知らない人もいる関所付近であるため、これに関しては口にせず、関所についての感想を口にした。


 「私の知っている関所とあまり変わらないのね。」


 「そりゃ、関所なんてどこもこんな物だろ。」


 「でも、これなら、関所を避けて越えるのも楽そうだけど。」


 「なんでも、魔法だかなんだかで仕掛けがあって、そこを人が通るとその人の魔力を利用し、関所に知らせが来るらしい。魔力が少ない人はそれで気を失しなってあいまったり、最悪魔力枯渇で死んでしまうとのことだ。」


 「それに魔力がある者が、仮に突破しても、その者固有の魔力紋というものが記憶され、追われる身となる。街では、極秘に魔力紋が収集されているし、村では、見知らぬ者が滞在すれば噂になるので長くは居られない。そんな仕組みがあるので、余り無理をする者は居ない。」


 「私の世界だと罠や見回りくらいだけど、それ以上にしっかり対策されているのね。」


 ここで、龍馬さんは、盗賊の討伐の報告と盗賊の所持品の精算、魔力溜まりの報告を行い、その間私と九重さんが私の手続きを行うこととした。

 龍馬さんも私も手続きは、関所を通過する人が少なかったこともあり、すんなりと終わった。


 「茜さん、結局九重の旦那の何で通行したのですかい。」


 「何って、義理の妹ですよ。龍馬さん、そっちは終わりました?」


 「奥方の方が怪しまれないのに。まぁ、換金は、街になるが、殺しちまったのと武器もなまくらで、くず鉄代にしかならなかったが、それでも街で一ヶ月生活するぐらいになったかな。それと魔力溜まりについても、未報告ということで報奨金が出た。」


 「ここでは貰えないのね。」


 「こんなところに大金なんておいておけるか。犯罪者の身柄や荷物を関所で預かり、金は町で渡す仕組みになっている。この佐加里の街の場合、迷宮を管理している佐加里迷宮探題でこの証文を換金する必要がある。」


 「迷宮探題って?」


 「各五大迷宮を管理する街にあり、迷宮やこの付近の魔力溜りの魔物の討伐、迷宮などに出入りする探索者の管理、迷宮近郊の治安維持を行う組織だ。今回は最後の治安維持のため盗賊を退治した報償賞金の支払いが、迷宮探題の仕事というわけだ。」


 たぶん、教科書で習った六波羅探題みたいな物ね、それが何だったかよく覚えてないけど。

次回のあらすじ


 茜は、迷宮都市を訪れ、錬金術を修めるお政と出会うのでした。次回 第6話 迷宮都市にて 是非読んでください。

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