13 珍客騒動 2
感想、評価、ブックマークありがとうございます。
10日間くらい忙しくて書けなかったら、ストックが尽きて来た。頑張って書き溜めるよ。
固有名詞の修正です。内容に変更ありません。
「お金は、私がとりあえず出します。」
私は、取り合えず私が出すと宣言して、お政さんの心配を消そうとした。
「後で母親から、ちゃんと回収すんだよ。」
それを聞いたお政さんは、私にそう言った。確かに私が支払うと、今後こう言ったことがある度に、支払らうことになっちゃうか。
「お金、足りなかった?薬買えない?」
私とお政さんのやり取りを見て、女の子は心配そうに聞いて来た。
「大丈夫だよ。足りない分は、取り合えず私が、立て替えるから、心配しないで。サキちゃん。」
「うん、あ、そう言えば、お姉ちゃんのお名前、なに?」
「私は茜だよ。よろしくね。」
「うん。茜お姉ちゃん。」
「えへへ。」
茜お姉ちゃんと言われたことに、思わずニンマリしていると、お政さんが口をはさんできた。
「なに、気味悪く笑っているんだい、茜。しかも、名前も名乗らず、サキちゃんから名前を聞いてもいなかったんだろ、まったく、どこの誰だかも知らないのに、話してたのかい。」
「だって、ちっちゃな子が一生懸命話してくるから、ついこっちもそのまま色々細かいこと聞いちゃって…。」
私は、言い訳をしようとしたが、それが言い訳になっていないのに気づき、口籠ってしまった。
「まぁ、いいさ。サキちゃん。お母さんとお父さんの名前はなんて言うんだい?仕事は何しているんだい?」
「お母さんは、ヨシ。お父さんは、シン。お母さんは、薬草採りをしてるの。お父さんは神様にお話をしに行っちゃて、会えないの。」
「お母さんは、ヨシさんで、薬草採りをしているのかい。お父さんは、そうだったのかい…。」
あー、お母さんしか稼せげないのに寝込んじゃってお金がないのかな?サキちゃんは、寝込んでる間ご飯を食べてたのかな?
「サキちゃん、お腹すいてない?」
「お腹すいてるの。サキ、昨日からご飯食べてないの。」
「お政さん、おにぎり上げていいよね?」
昨日から食べていないだけなら、お昼に用意したおにぎりで平気かな?そう考え、おにぎりを食べさせていいかお政さんに尋ねた。
「ああ、さっさと持っておいで。お茶も忘れるんじゃないよ。」
そんなこんなで慌ただしく、サキちゃんにご飯を食べさせていると、お妙ちゃんが、竜馬さんを連れて戻って来た。
「急に呼び出して、どうした。」
「鳳屋、すまないが、この子の母親が家で寝てるんだ。すまないが見てやってくれないか?症状を聞くと風邪っぽいのだけど、風邪にしては、治るのに時間が掛かっている。」
「わかった。で、家はどこだい?」
「その子、サキちゃんが案内するんで、飯を食べ終わったらついてってくれ。茜と妙も付いて行きな。何かあったら、妙は私に知らせてくれ。」
おや、連絡要員はお妙ちゃんですね。私はどうもこの街の構造に慣れずにちょくちょく迷うので、連絡要員から外されたようです。それでは、私は、向こうでどうしたらいいんでしょう?聞いてみましょう。
「私は、何をなにをしたらいい?」
「そんなの自分で考えな。同じ獣人同士でサキに懐かれているんだ。面倒を見てやればいいだろ。」
あ、私もそう言えば、獣人でしたね。この世界は姿見も一般的でないので、着物を着るときに尻尾を意識する時以外、あまり今までと変化が感じられないので、忘れてましたよ。
でも、サキちゃんが懐いたのは、同じ獣人と言う事だけでなく、私のお姉ちゃん力によってですよと声には出さず主張した。
サキちゃんが、ご飯を食べ終わると、私達はサキちゃんに連れられ、佐加里の街の職人町に該当する区画に連れられて来た。
私は、歩いてる途中に竜馬さんにも、お政さん達にした病状の説明とその他聞いたことを伝えた。
「ここ、お家。お母さん、お願い助けて。」
お家と言うより、殆どあばら家ね。
「ああ、任せておけ。では、入らせてもらうぞ。ごめん。失礼する。」
竜馬さんは、そう言って、木戸を開けて中に入った。
「ゴホ、ゴホ、どちら様で?」
「お母さん!咳、大丈夫?」
「サキかい?」
「うん、薬屋さんを連れて来たの?」
「お邪魔するよ。俺は、鳳屋竜馬と言うものだ。それと後ろの二人は茜と妙だ。」
竜馬さんの紹介に、私とお妙ちゃんは頭を下げた。
「私は、サキの母親で、ヨシと言います。サキが無理を言ったようですみません。来てもらって申し訳ないけど、ご覧のとおりのぼろ屋だ。薬代なんて払えないよ。」
サキちゃんのお母さんも、咳込みながら、体を起こすとそう言って来た。
「そこは今は気にするな。風邪にしちゃ、ちょっと長引いてるのが気になるからな。上がらせてもらうよ。」
「で、でも」
それでも言い淀むヨシさんに竜馬さんは、説得を続ける。
「ヨシさん、このまま寝続けていて万一のことがあったら、サキはどうなる。」
「わかりました。お願いします。」
ヨシさんも、サキちゃんのことを言われて、観念したようでそう言って、犬耳を項垂れるようにして頭を下げた。
竜馬さんは、脈を診たり、口の中を診たりした後、ヨシさんにいくつか質問した後、こう聞いて来た。
「ここ最近、寝込む前に苦い物を食べた記憶があるか?」
「苦い物ですか?薬草採集を仕事にしているのですが、そこの一門衆で一日一回食事が出るそこの食事が二日程苦くて、皆で苦情を出したことがありましたが?そう言えば、その一日目に耳鳴りが酷くなって、二日目に寝込んでしまったんだ。」
「その二日間、皆同じ食事を摂ったのかい?あとサキは、それは食べてないのだな。」
「二日とも来ていたのは、五人程でしょうか?うちの一門衆は、他に手に職を持っている者も多いので。それと、そこで出されるのは大抵汁物なので、サキは食べてませんが?」
「よし、なら、その五人の家はわかるかい?」
「二人は友人ですのでわかります。おツウさんとおハツさんです。他はちょっと。それが何か?」
「サキも分かるかい?その二人の家は。」
「ええ、時々そこの子達と遊んだりしていますから。」
「よし、まずは腹ごしらえだな。ヨシさん食事は食べられるかい?」
「ええ、でも生憎食べるものを切らしてまして。」
「何かわかったの?竜馬さん?」
私は、心配そうにしているサキちゃんを抱きかかえながら、そう尋ねた。
「確証がないので、後二人の家も回る。治療はそれからだ。他の二人の家も同じになっている可能性が高い、お政さんに握り飯をとりあえず十人分程用意して貰うようにお妙ちゃん伝えてくれ、頼む。」
「はい、すぐ伝えてきます。」
そう言うと、お妙ちゃんは、駆け出して行った。
次回のあらすじ
茜達は、病気の治療のため、サキちゃんのお友達の家をめぐり、治療をするのですが、そこから犯罪が明らかになり、その対処に悩むのでした。 次回 第14話 珍客騒動 3、是非読んでください。




