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異世界放浪記 狐人の錬金譚  作者: 日比野 麻琴
第1章 迷宮都市細腕繁盛記
11/77

11 魔法を習おう

感想、評価、ブックマークありがとうございます。

 そして、錬金作業に明け暮れた四日後、私とお政さんは、再び迷宮を訪れ、第三階層に向かった。私も今回はお金を払わず、階位証を見せて、記帳台で名前、目的階層、目的を記入して、迷宮に入っていった。

 ふっふっふ、今日からは、お金を払って入るお客さんではないのだよ。

 目的の第三階層に着くと、正面の平原に何人かが三つ程の集団に分かれて立っていた。


 「あれが、魔法を習ってる連中だよ。思ったより人数が多いね。私達もあの連中の先に行くよ。」


 「あれで多いのね。」


 お政さんの説明では、生活魔法以外の魔法を習う者は、貴族、士族、探索者くらいしかおらず、魔法を習いたい者は、魔法を教えることを許された魔法使いの元を訪ね、素質が認められた者が弟子入りをするという形で指導が行われるとのことです。指導料は、最低でも、月に銀貨5枚からとお高くなっているそうです。

 なので、探索者の場合、その都度覚えたい魔法により、お金を払って覚えていく形の人が多いそうです。授業料が高いですものね。

 もっとも、覚える人もそれだけ少ないから、高いが適正な価格らしいですけど。


 私は、そんな費用が掛かるのに、ここでも、またお政さんに、甘える結果になっていたのでした。ありがたや。

 そして、佐加里では、ここで魔法を習得することになり、ここでは、それぞれが、会話などが聞こえない一定の幅に離れて、誤射等を避けるため、同じ方向に魔法を放つという決まりがあるそうだ。


 一通りの習得にかかる期間は、素養や覚える魔法の数にもよるが、大体短い者で一カ月、長い者だと十年かかるそうだ。私は、お政さんが言うには、毎日の訓練とはいかないから、下位、中位の魔法を中心に教えて、三、四カ月程習得にかかるだろうとのことだ。

 そして、習得が終わると、使える魔法と誰に教わったかを迷宮探題に登録しないといけないらしい。しかも、有料で、銀貨1枚も取られるらしいですよ。

 危ない攻撃魔法とかを使えるのだから、国が管理をしているとのことなのに有料だなんてね。

 ただ、新たな魔法を使えるようになった場合の報告は、無料らしい。

 それと、更新などの作業もないそうです。


 まぁ、顔写真がある証明書を発行するわけではないから、更新の必要もないからでしょうけれどね。本人確認は、魔力紋の登録によって行われるそうです。

 因に、秋津藩で魔法を取得した九重さんは、藩の見回り組にそれらを届け出たとのことでした。


 また、魔法を教えるためには、三人の魔法を教えることの許された魔法使いから、許可状を貰い、それを届け出て初めて、教えられるようになるらしいです。当然、許可状を貰うための魔法の指導が必要になり、その三人にかなりのお金を支払う必要があるそうです。お金、お金で世知辛いお話でした。


 では、一端の魔法使いを名乗るために、まずは最初の魔法を習得しますか。記念すべき最初の魔法は何だろう?もっとも、どんな魔法があるのかも全く知らないのだけれどね。


 「最初は、炎系の派手なのを教えてもいいんだけど、実際、外や迷宮で役立つ、魔物や動物、人の反応を探れる探査魔法を覚えてもらおうかね。」


 「はい、お願いします。」


 うん、役立つだろうけど、確かに地味だね。魔法って呪文を唱えるのかな?あまり長くて恥ずかしい呪文だと嫌だな。

 

 「魔法使いが使う魔法も所詮、生活魔法の延長だ。難しく考える必要はないよ。生活魔法を使う時、手の魔力を指先に集めたり、手のひらに纏わせたりしただろ。」


 「はい。」


 「それを体中の魔力を動かして集めて使う感じだ。探査魔法の場合、その魔力を火や水に還元せずに周囲に放って、他の魔力とぶつかったとき戻ってくる反応を拾うんだよ。ここは、見晴らしがいいし、魔法使いが結構いるので、返ってくる魔力反応も大きい、その返ってくる反応と見える位置にいる人で距離感を覚えるんだよ。」


 「レーダーのようなイメージでいいのかな。」


 「レーダー?」


 お政さんは、私の発したレーダーの単語が分からなかったらしく聞き返してきた。


 「これも翻訳されないようですね、ははは。気にしないでください。では、やってみます。」


 カタカナで書く単語は、やっぱ一部翻訳されないな。すべてのカタカナ言葉が翻訳されない訳ではないけど、あと概念的単語も日本語でも通じない物があるんだよね。

 まぁ、取り合えず魔法を使ってみましょう。

 生活魔法と同じで、特に呪文を唱える必要はないようね。シャイな日本人には、大変ありがたくて、良かったです。

 では、まず、全身の魔力を動かして認識。手の魔力の感知を全身で感知して行えばいいのね。わかりますよ、魔力の感覚が、確かに動いてます。簡単、簡単。そして、それを今度は魔力をそのまま外に出す感じで、ポーンと発射。お、外に抜けていきました。そして戻って来ました。強くて速いのは、方向から、一番近いお政さんのか、次は、魔法使いさん達がいる方から、たくさん、間隔がほぼなく四つ、次に少し感覚が空いて、五つ、最後に三つ。なるほど。この反応と距離を覚えて位置を把握するのか。でも、ちょっとこれじゃ、方向や数だけでなく、距離まで把握するには、忙しいな。


 「ほう、魔力は飛ばせたみたいだね。」


 「はい、返って来た反応もわかりました。ただ反応の数が多いと、これだと大変です。」


 「いきなり、そこまでできたのかい。反応が早く返ってきて大変なら、飛ばす魔力の速度を遅くすれば、戻ってくる魔力も遅く戻ってくる。後は、繰り返しで、常に同じ感覚で魔力を飛ばせるようにと、返ってきた間隔で距離を把握できるようにすれば、この魔法はお終いだよ。」


 「なるほど、魔力をゆっくり飛ばすのですね。わかりました。やってみます。」


 「ああ、そうだ。ここだと居るのは魔法使いばかりだ。茜の飛ばした魔力に気付く者が数人いる。こっちを今見ているのが気付いたものだろう。」


 私は、魔法使いがいる方も見ると、五人程こちらを見ている。


 「結構見られてますね。」


 「魔法使いは、魔力に敏感なものも多い。探査魔法を使う際は、相手に魔法使いがいるとこちらのことも気付かれる可能性があるので、よく考えて使うのだよ。あと、この練習場で使う時は、魔法を使う準備をしている魔法使いがいる時は、魔法を打ち終わってから使うように、魔力に驚いて、魔法を失敗してしまうこともあるからね。」


 「もう、そういう注意は、最初に言うものですよ。わかりました。気を付けます。」


 もう、周りを確認せずに使っちゃったよ。取り合えず、周りから怒られないよう、お政さんを非難して自分に非がなかったことを明確にしておこう。


 「久しぶりの指導で、うっかり忘れていたよ。ごめんよ。」


 お政さんは、悪びれずそう言って謝った。

 私は、改めて周囲を見回して、魔法を使おうとしている人がいないのを確かめると、魔力をぽ~~~んと発射した。

 返ってくる反応もゆっくりで、これなら、数と相手のいる方向もしっかり把握できる。

 あとは、戻ってくる速さとその距離をうまく把握できるようにすればいいのね。

 これを数回同じ場所で繰り返し、距離感を覚え、また、移動し距離を変え、また数回魔法を使い距離感を覚えを繰り返した。

 さすがにここでは、人と魔物、動物の違いによる反応の違いは確認できないので、その辺は、もし実戦で使うなら、そこで改めて確認し、把握するようにと言われた。

 まぁ、見た目は地味だし、生活魔法との違いは、体の一部の魔力を難しく考えないで使うか、全身の魔力を考えて使うかの違いだそうです。

 あまり、差異を感じられなかったけど、めでたく、最初の魔法を失敗せずに初めから行使できた上、初日で使いこなせるようになりました。今度は、派手な攻撃魔法を使ってみたいな。えへへ。




 このようにして、魔法の訓練は、午前中で切り上げ、午後は、帰りながら薬草の採集という感じで行いました。

 そして、三日、魔法を習って、四日間錬金術の修行とお仕事との繰り返しで、魔法と錬金術を上達させていきました。

 お休みは、ないですけど、ずっと仕事という訳でもないので、疲れません。街に外出も結構自由にさせて貰ってますしね。


 魔法の訓練は、一日続けても平気なくらい魔力があるのですが、そう言ったことも知られない方がいいということで、半日訓練、半日採集ということになっています。


 また、途中、息抜きで、九重さんか竜馬さんがいる時に、投擲術と素養にはなかったが、素養がある、なしの違いを知るため、剣術を空いている時間に教えてもらっています。お妙さんも、一緒に店番の護身用にと槍術を習っています。


 投擲については、先の尖った長さ15cm太さ1cmくらいの鉄の棒を武器として使う訓練をしました。着物の袖口や採集着の手甲に仕込んでも邪魔にならない物ということで、選んでもらいました。結構重いので何本も持てないですけど。こちらについては、素養もあって、すぐに10m離れた的にも当たるようになったのですが、剣術については、三カ月掛かって、基礎の型をいくつか固めるのがやっとでした。


 竜馬さん曰く、才能がなさすぎるとのことですが、小学校の頃、剣道をやってたんだけどな。おかしいな。


 しかし、九重さんは、兎も角、竜馬さんは、行商をするだけなのに、この辺の武器の指導をできるということは、扱えてるということだよね、すごいです。実は旅をするのは、そんな危険なことなのかな?


 そんな話を竜馬さんに聞いてみると、たまたま、剣術と槍術、投擲術を習っていたそうです。あの仕込み刀は、魔法武器で、魔力の通し方で、仕込み武器が、槍と刀に変化する物だそうで、それに合わせて、剣術と槍術、後、遠距離への対処のため、投擲術を習得しているとのことでした。 


 旅の危険性については、一人旅は、野盗や野生動物にも襲われやすくなるので、当然危険とのことでした。やっぱり、地球でも、夜一人で女性が出歩ける場所なんて限られてましたものね。こちらの文明度的にも仕方がないことかな。




 こうして、魔法の指導については、順調に進み、一通りの低位から中位の魔法を取得し、高位魔法も自分の最もイメージのしやすかった火属性の攻撃魔法を習得したのでした。

 そして、迷宮探題にて、魔法使いの登録証を行い、私も晴れて魔法使いを名乗れるようになったのでした。


次回のあらすじ


 次回のあらすじ


 錬金術と魔法を習得した茜は、錬金術でお金を稼ぐ方法を模索するが、うまくいかず。気分転換のため店番をしていると獣人の少女が店先に現れたのでした。 次回 第12話 珍客騒動1、是非読んでください。

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