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外伝P1-03-09 現代生活の基礎知識2

 どの世界の人にでも、温水洗浄便座は人気が高いですね。

 そして、自動洗濯機に感動したサリーでした。

 確かに自分で洗濯してくれるとは何て便利な道具でしょう。

 もっと探検してみましょう!



 本物語は当初本章で公開されていたお話になります。

 外伝として、こちらに移動しました。


 本編 パラセル - 俺が異次元娘の身元引受人になった件

 https://ncode.syosetu.com/n5859gc/


 公開時にあった場所

 1-03-08 現代生活の基礎知識 に2話に分けて続く形で公開されていました。 その1です

 https://ncode.syosetu.com/n5859gc/11/



 俺にとっては常識の事であっても、サリーには未知の知識ばかりだ。

 少しでも早くこの世界で生活ができるように、なるべく詳しく説明をしようと思っている。



 まずは生きていくために必須となる水回りの説明が良さそうなので、トイレに続いて簡単そうな水道の使い方だ。


 この部屋の水道蛇口からでる水は、そのままでも飲めることを教える。

 必要であれば、いつでも自由に水を使ってよい事を話す。

 日本の水道水は概ね浄化されており、そのままでも飲める水である。


 そして、キッチンの水道の出し方、止め方を教える。

 ここの蛇口は、シングルレバーを上げると水が出る。

 一番上に上げるとたくさんの水が強くでる。

 レバーを下げると水は止まる。


 また、これは混合水栓なので、レバーについている色が青い側は水道水がでる。これはエコ水栓なので、レバーが中央にあるときは水がでる。


 冷たい水が出るほかに、冷たい水を温めたお湯、2種類の温度の水がこの1つの蛇口から出ることを説明する。

 このお湯は、部屋の外に火で湯を沸かす給湯器という機械が有り、それで作っているので、最初のお湯が来るまでには少し時間がかかることを説明する。


 シングルレバーを中央より赤い側に回すと、沸かしたお湯がでる。

 レバーの位置で冷たい水と熱いお湯が混ざるので、自分がちょうどよい温度や水量にレバーの位置を調整すると良いことを説明する。


 蛇口の先端にあるボタンを切り替えると、水流がシャワーになり、更にそのシャワーコックを掴んで引き出すと蛇口のホースが延びる。


 温水器のスイッチは普段から入っているが、もしお湯がでない場合温水器の電源が切れていないかを説明する。


 お湯は、沸かすのに結構お金がかかるので無駄には使わないように、水道水も小さな金額であるが、有料であるということも説明する。

 この世界ではエコロジー、略してエコという、環境に対する配慮の考えがあることも説明する。


 ふぅ。

 水道の説明が一番簡単そうだと、たかを括っていたが、こうして自分で説明しようとすると、日常的な物であっても今の技術が沢山詰まっていることを実感した。


 生活で使用する物については、面倒だが説明しておく必要がある。



 続いて風呂場に行き、最初に脱衣所の洗面台の蛇口のハンドルを回すタイプの水道栓について説明する。

 ここはハンドルが2つあるタイプだ。

 青いハンドルをひねると水、赤いハンドルを回すと熱いお湯が出る。

 このタイプはお湯を使う場合は熱いので、水を回して温度を調整する必要がある。

 水とお湯は混ざって一口の蛇口から出るので、自分で水温を調整する。

 またお湯が出るのには少し時間がかかるので、お湯を使う場合、ちょっと待ってから温度を調整する必要があると説明する。

 また、ここの水栓の洗面ボウルには、排水栓を操作するレバーがあるので、水の流れの操作方法を説明する。


 更に、風呂場の水栓の説明。

 横にあるレバーを下に回すと蛇口から水が、回し加減ででる水の量が変わる。上に上げると、シャワーから水がでる。

 ここで、シャワーの水が少しかかるのはお約束。

 また風呂場の水栓は温度調整機能がついており、水とお湯の温度は自動で調整される。

 しばらくは温度のハンドルは触らないように伝える。

 ここでも、お湯がでるまでしばらくかかるので、手で触って水温が上がってからシャワーを使うように教える。


「どうしてこんなにたくさんの種類の水道があるの?

 皆、どうやって迷わずに使えているの?」


 確かに……だね。

 簡単そうなんて、侮っていました。 スミマセン。



 気を取り直して、次に調理関係の説明だ。

 一人ででも、安全にご飯は美味しく食べてほしい。

 キッチンに戻り、ご飯作りに必要なガスコンロの紹介だ。

 ちょっと難しいかもしれないが、覚えてほしい。


 話がそれるが、このマンションのキッチンは電気ではなくガスだ。

 というより、俺の学生時代は自炊していたので、その時憧れであった、火力が強い3口ビルトインタイプのガスコンロが使えるこのマンションをわざわざ選んだ。

 のだが、いざ勤め人となるとなかなか料理まで手が回らず、ほとんどお湯を沸かすくらいとなっていた。



「サリー、火をつけるときにはこの丸いボタンをぐっと押し込むと、ボタンが飛び出てきて、その後自動で火がつきます。

 この飛び出たボタンを回すと、このように火の強さの調整が出来ます。

 こちら方向に回すと火が強くなり、ボタンの周りで光っている数が多くなります。

 反対に回すと弱くなります。

 飛び出したボタンをもう一度押しこむ、火が消えます。

 これは、ガスという燃える空気が中から出ていて、それに火がついて燃えています。

 火が消えた状態で、ガスが出続けるととても危険なので、何かおかしなことがある場合、直ぐにボタンが押し込まれた状態にして、ガスを止めてください」


 最近のガスコンロはマイコン制御で、以前のノブを回して自分で点火するタイプより安全で、火加減も使いやすい。


「では一度実際に使ってみよう」


 サリーにコンロの火をつけさせる。

 火をつけるという行為は、やはり少し怖いものだ。

 恐々ボタンを押すと、[カチカチカチ]と音がして、ボッと火が着いた。


 ついでにヤカンやフライパンなど調理道具の説明をして、実際に少しお湯を沸かせてみせる。

 本当に簡単にお湯が沸くことに驚いている。



 次に電子レンジの説明

 俺は原理はわかっているが、それをサリーを説明するのは難しい。

 これこそ、魔法の箱である。

 多分現代人でも、使い方を知ってはいても、その加熱原理を説明できる人は少ないのではないかと思っている。

 まあ、不思議な加熱という意味ではIHもあるな。

 とりあえず、食べ物を暖めるときに使う機械とだけ言っておく。


 そう言えば、電子レンジにはタイマーの設定があるが、サリーの世界の時間はどうなっているのだろう?

 早くこの世界の時間感覚に馴染んでもらうしかないな。


 次に、冷蔵庫の説明。

 昨日食べ物の買い物をこの中に仕舞ったが、冷蔵と冷凍について説明する。


 いろいろ説明していて思うが、これら現代の機械って、まるで魔法だな。

 水やお湯など使うとお金が必要で、あとから請求されることを話したが、物を使うとお金がいる事は、さすがに商人の娘、馬に歩き方を教えるなといわれた。

 多分釈迦に説法みたいなことわざだろう。



 あと、現代生活で必要な知識として特に重要な事に、電気の存在がある。


 サリーの世界には電気の概念がない。

 なので説明が難しい。


 雷という自然現象は存在するようなので、雷を人が使えるようにしたものだというと、怖いものですねと言われた。


 確かに電気も感電すれば怖いものには間違いないが、今の生活には無くてはならないものとなっている。


 スイッチとコンセントを見せて説明をし、天井のLED電灯を点けて説明したら、驚かれた。

 特にリモコンでついたり消えたり、また明るさや色合いが変わることが面白いみたいで、何度もリモコンボタンを押し、どこがおかしいのかわからないが、笑い転げている。


 まだ早いかなと思ったが、リモコンを教えたついでにテレビを説明する。

 やはりというか、当然と言うべきか、驚きは大きかった。

 リモコンを渡すと、頻繁にチャンネルを変えるので、内容などわからないと思える。


 しかし、目の前に訳のわからない現代の知らない物がたくさんあると、すでに感覚は麻痺してしまっているようだ。

 なんと、サリーはテレビという現代の科学技術よりも、テレビから流れてくる、様々な音楽という文化への驚きの方が大きかった。

 チャンネルを変えるのは、CMなどで音楽が変わるのが楽しいようだ。


 サリーの世界では、音楽は歌中心であり、簡単な打楽器はあるようだが、今の音楽とは全く異なるそうだ。



 いろいろやっているうちに、午後もかなり遅くなってきた。

 もうランチ時間は終わっていると思うが、何か食べよう。

 サリーは昼御飯は食べないと言っていたが、俺はおなかが空いてきた。



「肩の痛みは取れてきた?」


「そういえば、今は痛くないわ!」


 驚いた顔をしている。


「やはり、慎二は医術が使えるのね」


「さっき飲んでもらった痛みを抑える薬がそろそろ効いてくる頃なので。

 買い物に出るから、靴下と靴をはいてね。

 君の靴はその中」


 と言って、下駄箱を指差す。


 俺はスマホと財布を持ち、まずはさっき検索したショップに行くことにした。


 思っている以上に人間は知らないことに対してでも、すぐに受け入れられるものですね。

 そして、一度楽な事に慣れると、戻れなくなりますよね。


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