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なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!(実質完結済み)  作者: ルシェ


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馬鹿!

 俺が目を覚ますと、そこは夕日が差し込む広場であった。

 身体中が痛く、立ち上がれそうにない。

 そんな俺を覗き込んで来た人がいた。

 カリンだ。

 少し焦ってしまい、俺は顔を背ける。


「おい、そんなに見つめるな...」


 そう言った俺に対して彼女はこう返して来た。


「馬鹿!、もう少しで死んじゃうかもしれなかったんだよ!兄さんが居なかったら今頃きっと...」


 俺はゾッとした。

 確か俺はあの化け物どもに針串刺しにされたんだった事を思い出す。

 だが、不思議と血はもう出ていない。

 きっとカリンが傷を魔法で癒してくれたのだろう。

 その証拠に彼女は未だに魔法を使ってくれている。

 彼女の優しさに俺は心を惹かれる。


「...悪かったな...」


 目を背けながら俺はそう呟いた。

 結局の所、俺はあの時から何も成長していないのだと思ってしまう。

 また彼女に助けられたということはそういうことなのだ。

 しばらくの沈黙を破るようにフレイがすまなそうな言葉を発する。


「...カリンさん、僕が彼を誘ったんだ、だから彼は悪くないよ、本当にごめん...」


 驚いたような顔でフレイの方を見るカリンを見た俺は何も言えなかった。


「そう...だったんだ...」


 小さく呟く彼女。

 違う...、フレイは嘘を言っている。

 今回の件も俺からフレイに言ったことなのに、俺は彼に助け舟を出されているのだ。

 そう思うと胸が熱くなり、涙が一筋だけ溢れた。


「まあいいじゃねぇかカリン!、にーにがいて2人とも助かったんだからな!」


 カリンの兄さんがどうにか明るい雰囲気を作ろうと四苦八苦しているが、どうにもそんな感じにはなりそうにない。


「嘘だよね?フレイ君、いつもトウマから挑戦しているの私は知ってるよ...」


 真剣な眼差しで見つめられたあいつは目をそらしてしまった。

 それを見た彼女の表情は険しいものとなっていて見ていられない。


「今目をそらしたよね?、それって自分の発言に自信がない現れだよね?」


 空気に耐えられず俺は自分が提案した事を言う。


「違う...、フレイは悪くない、俺が全部提案して実行した!俺が悪い!」


「トウマ...」


 分かっている、あいつが俺を庇おうとしてくれた事くらい。

 でも、俺たちの関係を知っているカリンには意味がない事くらい馬鹿な俺でもわかる。


「...嬉しい、トウマは嘘をつかないでくれたんだね...」


 本当の事を言ってしまえば彼女は納得するだろう。

 事実、そこには彼女の笑顔があった。

 嘘をついてもろくな事がない事くらい今の自分でも理解できる。

 いや、むしろ嘘をつけば彼女はきっと涙を流していただろう。

 彼女はそう言う性格であることはよく知っているのだから...。

 俺が恋したカリンという女の子は、眩しいくらいの笑顔を俺に向けてくれていた。

 俺が1番見たくないものは、お前の泣き顔だからな...。


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