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同級生

「あ、もう熱は下がったの?、カリンちゃん...」


 心配そうに近づいてきたのは、黒髪眼鏡の地味子だった。


 私のことを心配していたそうなのだが、オドオドしているのでこちらが心配になる。


「もう、リタったら、そんなんじゃカリンちゃんがまた病気になっちゃうよ!」


「ご...ごめんなさい...」


 黒髪地味子の名前はリタというらしい、できれば覚えておこう。


「なにぃ!、カリンが登校してきただと!」


 教卓の上に飛び上がって、こちらを見下ろしてくる人影が一つ。


「フハハハハ!、それでこそ我がライバルだ!、さあ、後で俺と魔法勝負だ!」


 調子の良い黒髪の男の子が私の方を見て挑発してくる。


「あー、あいつはいいや面倒くさいし...」


「面倒くさいとはなんだ!、ヤヨイよ...俺に少し冷たくはないか?」


「トウマが暑苦しいだけでしょ、カリンちゃんを見習いなさい!」


「グヌヌ...、俺は名門の出だぞ!、ヤヨイなどとはスケールが違うのだ!」


「はいはい、あんなのは無視していいから」


 無視をしてもいいと言われても、これから同級生になる人物を無視などできない。


「ごめんなさい...、私ちょっと病み上がりで記憶が曖昧で...、トウマ君でいいんだよね?、これからよろしくね!」


 私は出来るだけ子供らしく、精一杯の笑顔を送る。


「お...そうなのか...、仕方ないな、それならば魔法勝負はしばらくお預けだな...」


 彼は寂しそうな表情を私に向けてきたが、魔法の使い方など知らないのでこれでいい。


「カリンさんがきたって!?、僕のことは覚えているかな?」


 赤髪のイケメンが私に話しかけてくる。


 顔は幼いが、イケメンだということに変わりはない。


 こういう人種とは話したことすらないので緊張する。


「ごめんなさい...、実はここにいる全員のことを何も覚えていないの...」


「それって私のことも!?」


 ヤヨイが一際大きな声で叫んだので、私は軽く頷いた。


「ヤヨイさんのことも忘れているなんて、重症のようだね...、僕でよかったらいつでも力になるよ...」


 イケメンにそう言われると、心臓がばくばくする。


「は...ひゃい!!」


 おかしな声が出たので、彼はクスクス笑っている。


 私は顔を真っ赤にしながら、顔を下に向ける。


「おい!、カリンの態度が俺の時と全然違うのだが...、どういうことだ!」


 一連の出来事を見たトウマが、癇癪を起こして教卓を蹴り倒した。


「まあ、あんたとフレイ君とじゃあ差がね...」


「グヌヌ...、クラスの女子はフレイにばかり注目しやがるな...、カリン!お前も同じなのか!」


 どうやら、このクラスで一番力があるのはフレイ君のようだ。


 困ったことがあれば彼に相談しようと思う。


 クラスの皆と話し終わると、先生が教室に入ってきた。

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