狭間の茶会
プラムはどこか分からない謎の空間で優雅に紅茶を楽しんでいた。
ここは誰にも侵入されることのない、彼女だけの場所。
ここで長い時を本を読んで過ごすのが私の願いだ。
色んなおもちゃが窓の外を歩き回り、どこか奇妙だが楽しくなれるこの空間の居心地が私はたまらなく好きなのだ。
「プラムお姉ちゃん!」
前言撤回、この子だけは特別だ。
「エルカ...、ここはもう私の部屋なのだから勝手に入ってこないでくれる」
私の妹である彼女が空間を切り裂いて無理やりに干渉してきたのだ。
「だって〜、もう帰ってきてるなんて一言も言ってくれてないじゃない、どうせ帰ってくるんだったら一緒に住みましょうよ〜」
相変わらずの性格に私はため息を吐いた。
「悪いけど、私は一人で暮らすのが性に合ってるの」
自分の妹が大人になっても子供らしさを出しているのが恥ずかしい。
これではカリンの方がずっと大人に思える。
「それに、私はあんたに呼ばれたんだから帰ってくるに決まってるでしょ」
「あれ、私が呼んだっけ?」
私はつい拳を握りしめ威嚇するような素振りを見せてしまいそうになったが、平常心保ちながら本を優雅に読む。
「あんたの要件はわかってる、カリンを学校でも見ておいて欲しいのよね?、なんでかは知らないけど...」
私は視線を彼女に送る。
「そうそう、あの子にはプラムお姉ちゃんみたいな優秀な魔導師に教えてもらうのがいいと思って私がお願いしたのよね、今思い出したわ!」
パラパラと興味なさげに本をめくりながらも疑問点を突きつける。
「別に教えるだけなら家庭教師のようにしても良いと思うのだけど、なんで学校で教師になれなどと言い出したのかしら?」
彼女がう〜んと頭に手を置いて馬鹿なフリをしているのが無性に腹がたつ。
そして思い立ったかのように指を振る。
「そうそう、お姉ちゃんっていつも一人じゃない?寂しそうだったからかな〜?」
「それは私がボッチだと言いたいのかしら?」
正直この子とは馬が合わない。
今回の件も彼女からこの部屋という報酬を貰っていなければ絶対に引き受けなかっただろう。
今も笑顔で私を見ている彼女は子供のようだ。
もう二児の母になったと言うのにも関わらず、今でもこのような冗談を言い合っているのには呆れてくる。
まあ、それが姉妹という物なのだということは分かっている。
「冗談はここまでとして、せっかく来たのだから紅茶でも飲んで行く?」
「頂くわ!」
私はその返事を待っていたかのようにカップへ紅茶を注いだ。




