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歩く天災・お母さん!!

 母さんが魔法の犠牲者が出ない様に、兄と父さんに辺りに生き物や人がいないか見てもらっている。

 父さんと兄さんには、とあるスキルがあって、それを使えば広範囲にいる生き物の正確な位置がわかるらしい。

 と言うか、犠牲者が出るかもしれないほど強力な魔法ってことなのか?。


「準備できた〜?」


 母さんが父さんと兄さんに声をかけている。


「OK、こっちには生物はいない」


「こちらも同じく」


「カリンちゃん、よく見ててね、お母さんの魔法♪」


 2人が答え終わると、母さんは詠唱に入る。

 初めて見る母さんの魔法を息を飲みながら見つめる。

 何だろう...少し肌寒い気がする。

 いつもの母さんのはずなのだが、なぜか怖い。

 魔力の渦の様な物を肌で感じているのだろうか?。

 空気が震えながら、大地が揺れ始める。

 母さんの周りによく分からない魔法陣が何重にも重なり会い、複雑な術式を組み始めている。


「世界に住まう精霊達よ...、今一度理を紐解き、我の願いを聞き入れよ!、煉獄生成魔法!!インフェルノ!」


 母さん魔法を唱え終わると、大気が震えた後に凄まじい爆炎を起こした。

 花火だとかいう次元ではない、この威力はまるで学校で習った核の様な物にさえ思える。

 さっきまで平和そうな草原だった場所は、在ろう事か戦後の荒地の様になってしまった。

 草木の焼ける匂いがここまで臭ってくる。


「だいたい6割くらいに抑えたけれど、どうだったカリンちゃん?」


 少し心配そうに私の方を見てくる母さん。

 母さんが私に自分の魔法を見せたくなかった理由がわかった。

 そりゃこんな破壊力のある魔法を扱える母さんなんて、怖くて近寄れなくなると思うと思っても不思議ではない。


「ちゃんと後で元に戻すから安心して、お母さん治す方が得意なの」


 母さんがさっきと同じ口上で違う魔法名を唱えると、さっきの草原へと徐々に戻っていく。

 兄さんと父さんはやれやれといった様な表情で母さんを見ている。


「母さんの魔法はいつ見ても凄いけど、破壊力ありすぎて実験もできないんだよな...」


「ローシュ、それは仕方ない事だ、エルカの能力が高すぎて、今の技術力では測りきれないのだから...」


 少し皮肉そうにいう2人だったが事実なのだろう。

 私だって、毎日こんな魔法を近所でぶっぱなされたら堪ったものではない。

 すぐに苦情を出しに行くに決まっている。

 母さんの凄さは理解したが、それと同時に確かな恐怖を感じた。

 この人は出来るだけ怒らせない様にしようと思える。

 これだけのことをやっておきながら6割?頭おかしいんじゃないかと思うのだが口には出さないでおく。

 そもそも母さんの魔法が見たいと言い出したのは私なので、責任は私にある。

 このことがきっかけで母さんとの関係を悪くするつもりは毛頭ない。


「お母さんすごい!、今度私にも魔法を教えてほしいな!」


 軽く言ってみると、母さんは少し嬉しそうにした。


「分かったわカリンちゃん!、でも今のは難しいから初級魔法からね」


 今の魔法をいきなり教えられても困るのは分かりきっているので、簡単な魔法から教えてもらうつもりである。


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