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苦手な先生

「ほら!早く問題を解くのよ!」


 私の目の前で偉そうにしている小学生低学年...、もとい先生に視線を移す。


「...」


 この人は私の担任兼家庭教師的な人で名前をプラム先生と言います。


 正直言ってこの人が苦手なのですが、反応が面白いので「ロリババア先生」と私は呼んでいます。


 一応身内なので多少のアダ名はいいと思いますが、自分でも少し言い過ぎかなと思う時は正直ありました。


 でも...、この先生の反応が本当に面白いので思わず...。


「はいはい()()()()()()()


 と言ってしまうのでした。


 それを聞いた先生はにっこり笑いながら私の頭にちっちゃな手でチョップを繰り出してくるのでした。


「だ〜れ〜が〜ロリババア先生だってぇ〜?」


「はっ!?、しまった!つい本音が!!」


 私は口に手を当ててすぐ様声を飲み込んだのだが、しっかり聞かれてしまったようで...。


「聞こえてるわよカ〜リ〜ン〜?」


 凄く圧迫感のある声で私に顔を近づけてくるロリババア先生に気圧される私。


「ひっ!!」


「勉強時間1時間追加!!」


「そんなぁ〜!!」


 せっかくの休日がこれでは勉強だけで殆ど潰されてしまいます。


 それに対してふてくされていると、プラム先生はため息を吐きながら私の手を取りました。


「カリン...、あなたねわかっているの?、貴女の母親エルカが力を失って早数年、新しい賢聖候補として貴女が選ばれている事に自覚はないのかしら?」


「むっ...」


 私はその言葉を聞くと少し声のトーンが低くなり、気分が下がっていきます。


「そんな事...、分かってるけどさ...、やっぱり実感ないんだよね、私が賢聖候補に本当になっているんだって...」


 もじもじそう呟く私に先生は冷たい瞳でこう呟くのでした。


「貴女はそんな弱気じゃいけない、この国を背負って歩く者にならないといけないのよ」


「...、そんな事言われたって...」


 そう...、まだ子供の私にはイマイチピンとこないのです。


 国を背負って立つ者?、賢聖候補?、それってつまり...。


「私が母さんの代わりって事だよね?」


 その言葉を聞いた瞬間、先生の顔色が変わりました。


「カリン!!、誰もそんなこと思ってないかしら!」


「思ってるよきっと...、ロリババア先生はともかく、皆は...」


「皆?、皆って一体...」


「ごめん話過ぎた、頑張って勉強する...」


 私はそう言うと再び机に着き、ひたすら勉強を続ける。


 その姿に何処と無く違和感を感じる様な表情で見てくる先生を尻目に、私はただ鉛筆を動かすのでした。






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