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魔神の能力

「では参りましょう...、我らを虐げてきたクティル王国を破壊するのです」


 僕がゼルギニス様にそう呟いたのですが、彼は「待て」と重たく声を出しました。


「まあ少し待て、先ずは我の力を全員に分け与えてやろう...」


 魔神様はそう呟くと黒い魔力の塊を全員に降らました。


 それを受けた我らの魔力はみるみる内に急上昇し、まるで聖人の如く力を得たように感じます。


 元が聖人である僕には、あの賢聖エルカにも勝るとも劣らない程の絶対的能力値が与えられました。


 まるで生き返ったかのような感覚を得ていると、すぐにでもクティル王国を陥落させる事が可能だと言うことに全員が気づきました。


「行け...、我ゼルギニスが命ずる...、クティル王国を破壊し悠久の魔女の奪還を急げ...」


「「「「「はっ!!」」」」」


 魔神率いる輪廻教徒VSクティル王国の火蓋が切って落とされた。


 〜クティル城下町〜


 まずは城下町に準備していた合成獣達を一気に解き放つ。


 数万の怪物達が現れ街は大パニックになっているのが遠目からでも確認できた。


 多くの場所から火の手が上がり、どす黒いまでの煙が視認できる程に...。


 多くの騎士達が向かっている為城内が手薄になる。


 手薄になると言うことは?。


 そう...、賢聖は必ず王を守る為に城内に待機する。


 そこを...僕たち全員で叩く。


 勿論魔神様も含む6人がかりでだ。


 何年にも及ぶ入念な下準備のお陰で上手く事が運び、我らはクティル城の王の間へと足を踏み入れる。


 そこには賢聖エルカの姿と、その娘カリンの姿もあった。


 剣聖となったローシュは町の防衛に向かっているようなので好都合である。


 いくら賢聖が強力な魔法を扱えるとは言っても、それは何も守るべき者がない場所での話...。


 ここは彼女にとってそういう物が多すぎる場所なのである。


 それに...、我々輪廻教徒は魔神様のお力添えによって全員が魔人と化しているのも大きい。


 勝利できる要素が多いこの現場の状況に満足した僕は静かに笑う。


(今日で女神を頂点に据える聖人の統制は終わりを告げる...、これからは魔女様を頂点とする魔人の時代が幕を開けるのだ)


 周りにいた雑魚どもを蹴散らし、賢聖エルカとの最終決戦が幕を開けるのだった。








「えっ...?」


私は絶句していました。


自分の受験番号を見て、もう一度自分の合格番号が書かれていないかPCの画面越しに確認したのですが書かれていません。


「どうして...?」


あんなに頑張ったのに...。


◯と離れたくない一心でこれまでにない程必死に勉強して余裕で合格ライン達する事ができるだけの頭は持っているのに...何故?。


でも...、そんな事はどうでもいい...。


問題なのは、◯はこの時期に色んなラノベを読んでいたのに合格できて、私は出来ていない。


その事実による苛立ちの様な物が私の中に大きく膨れ上がり嫉妬が生まれる...。


(嫌だ...、◯のいない学校になんて絶対に行けない...!)


そう考えるだけで私の額に変な汗が滲み出る。


呼吸は乱れ息苦しさを感じる...。


「◯◯入るよ?」


「!?」


私は咄嗟にPCの電源を落としました。


「なに?」


私の慌てた様子に謝る彼女。


「ごめん、何かしてたの?」


「ううん...、なんにも...」


「具合でも悪いの?、なんだか顔色悪いよ?」


「...」


今は彼女の優しさが痛い...。


「ごめんなさい...、ちょっと寝たいの...」


「えっ?、でもまだ朝の10時だよ?」


不思議そうな顔をして私の方を見てくる彼女にこう叫んでしまうのでした。


「いいから出て言って!!」


普段大人しい私の大声は彼女を二歩ほど退かせました。


「えっ...?、ああごめんなんかしてたんだね...、出て行く...」


「あっ...」


つい言いすぎたと思ってももう遅い。


私は咄嗟に手を伸ばしたのですが、彼女の背中は扉の奥に消えて行ってしまう...。


「行かないで...」


私は1人部屋の中でそう呟くのでした...。


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