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...なんでわかったの?

「え..、あっ...ふ〜ん...」


 私はそわそわしながらも答えを言いません。


 もしここでそうだよ!と言ってしまうと負けを認めたみたいで嫌なのでした。


「私の妹の名前は!?」


「餅月正華」


「私の元いた住所は!?」


「〇〇県〇〇市〇〇町...」


「それ以上はやめて!!」


 私は息を乱しながら大声で叫びました。


 それを見た彼女はクスッと笑いながら続けます。


「私の初恋の相手は...」


「ぎゃ〜!!!」


 私は思わず駆け出して彼女の口に手を置きました。


「それ以上は言わないで!!」


「そう?、貴女の顔が面白くてつい口走っちゃったかもしれないわね」


 その時の感情に気がついた私はすぐさま気を取直しました。


「ま...まああ貴女が私の秘密を色々と知っているのは分かったわ」


「そうね...、例えばこれとかね」


 彼女は腰につけた白く輝く刀身を持った剣を見せびらかしてきましたが、私には思い当たる節がありません。


「なに?その剣って以前私とアアルの魔法をことごとく弾き返した剣よね?、それが私と何か関係あるの?」


 まじまじと剣を見つめましたが、やはり心当たりはない。


「そう...、貴女はまだ知らないのね...」


 そう言って剣を鞘へと納め直す彼女に問い詰めました。


「まだ?、それが私になにするか分からないけど、貴女まるで()()()()が見えてるみたいよね?」


 その答えに満足したのか、彼女は笑みを浮かべながらこう返してくれた。


「そうね...、その答えは遠からず正解だと思うわ」


「ふ〜ん...」


 ジト目で彼女を見つめると、それが可笑しかったのか更に笑い声をあげる彼女。


「なにその顔...、本当に貴女って面白いわね...」


「面白い?、貴女が私って言うんだったら自分の顔で笑っている事になるんだけど...」


 なんとも言えない不快感に苛まれながらも、なんとか切り出した言葉がこれである。


 それでも彼女は笑うのをやめない。


「ふふ...、そんな顔ができる時代の私はきっと貴女みたいな子だったんでしょうね...」


「そんな時代?、貴女も私なんだったら同じ時代で同じような生活を送っていたんじゃ...」


 新たな疑問を口走った瞬間、またあの光が差し込んだ。


「ほらっ、お目覚めの時間よ...、早く家族の元に行ってあげなさい...」


 空中に浮かび上がる自身の体をなんとか踏ん張らせるがやはり抗えない。


「さあ...お行きなさい...、もう2度と後悔しないように貴女が自分で選ぶのです...」


「選ぶってなにを!?」


「そのうち分かりますよ」


彼女の意味深な言葉が終わると、光が世界に溢れ、自身の瞳が開くのを感じました。


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