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トウマVSフレイ

 今日は学校が早く終わったので、早く帰って魔法の研究をしようと思っていたのだが。

 校庭のいるフレイとトウマがなにやら不穏な空気を出しているのを見たので近づいてみると...。


「おいフレイ!、いつもお前ばっかり女子にちやほやされていてずるいぞ!!、抜け!今日こそどっちが優秀かを教えてやる」


 その言葉を聞いた私は、止めなければと言う使命感にかられ、仲裁に入ろうとするのだが、フレイは片手をこちらに向けて静止してくる。


「大丈夫だよカリンちゃん、いつものことだから」


 爽やかなイケメンフェイスをこちらに向けてくるが、トウマが本気で相手をしようとしているのは見ていればわかる。

 彼の魔法が武器を生成する危ない物だと、この前の授業で知っているので、やはり危ないと思うのだが、フレイの余裕のある態度は私を安心させた。


「いつもの模擬戦でいいんだよね、トウマ...」


「ああ、先に傷の一つをつけた方の勝ちで、途中で降参もありのルールな!」


 トウマがニヤケながら武器を生成して身構えると、フレイも炎を纏始める。

 彼の姿が、人というよりも魔人と言った方が当てはまるほどの変貌を見せた時、二人の戦いが始まった。

 まず先に動いたのはトウマだった。

 授業では手を抜いているのだろうか?、普段見せないような動きでフレイの背後を取る。

 私が遠くから見てようやく見える程の速度なので、早くも決まったかに見えたが。


「簡単には、決めさせないよ」


 フレイは一歩も動く事なく、炎の尾で剣を受け止める。


「チィ...、それズリィよな...」


 舌打ちしながら彼は一度距離を置いた。


「離れると...、こうなるよ!」


 フレイが手を伸ばすと、トウマが立つ場所に亀裂が入る。


「げげっ!!、まずい!」


 慌てて彼が飛び離れると、次の瞬間に地表から多量の熱が放出された。

 子供のお遊びだと思ってはいけない、小学生だといえどこの子達は魔法使いなのだ。

 そう思わせるのに充分な程、二人の戦いは凄まじいと感じる。

 何とか危機を脱した彼だったが、辺りを見回すとさっきの亀裂がところ狭しと入っている。

 それを見た彼は冷や汗をかきながらフレイの方を見た。


「チェックメイト」


 フレイがそう言うと、彼はその場に倒れこんだ。


「クッソ〜!、また負けた...」


 悔しそうな彼を見たフレイが笑みを浮かべた。


「でも、トウマ君の速度も見事なものだったよ、もう少し早ければ初手で勝っていたかもしれないね」


「へっ...、この前もそう言ってたじゃねーか...」


 フレイは片手を出してトウマもそれに応じて笑いあっていた。

 それを見た私は静かに「いいなぁ...」と声を漏らしていた。





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