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カリンちゃんは良いよね...

「待って!!」


 私がそう叫んでも、彼女が止まってくれる雰囲気はありません。


(仕方ないな...、ここは魔法を使って追いつこう、ていうか私が追いつけないってパニラの足早っ!!)


 駆けっこも同年代の中では割と早いこの体ですが、それよりも早い彼女の体はどうなっているのでしょうか?。

 聖人の子供よりも素早く動ける王族の子もいるんだなんて思いもしなかったです。

 こういうことも異世界にはあるんですね。

 そんな事を言っている間にプラム先生から教わった技法を使い、効率よく二つの魔法を発動させました。

 一つは魔法を足に集中させ一気に加速させる魔法。

 もう一つは、以前に習得してあった肺の強化をする魔法。

 この二つを同時にコントロールする事で子供とは思えないほどの速度で走ることができるようになります。

 以前の私であれば、どちらか一つしか使えなかったのですが、毎日の研鑽により同時に使うことができるようになったのでした。

 この二つを巧みに扱って彼女に追いつきます。

 流石に魔法を使った私の方が早いので、あっさりと追いつき、そして追い抜きました...。

 ...。


(って!追い抜いたらだめじゃん!!)


 思わず自分で自分をツッコンでしまいました。

 とりあえず追い抜いてしまったので、わき目もふらず一心不乱に走ってくる彼女を優しく受け止めます。

 何かにぶつかったような表情で私の顔を見あげて来る彼女を見ていると少し面白いと感じました。


「えっ!?、なんでカリンちゃんが前にいるの!?」


 びっくりしたような声をあげて私を見て来たので「捕まえた」と静かに呟きます。

 どうやら観念したようで、私にこう語ってくれました。


「さっきはごめんね...、けどどうしてもカリンちゃんが羨ましくってさ....」


「なんで私が羨ましいの?」


 なんとなく察しますが、ここは敢えて聞いてあげることにしました。

 まあ、あれだよね、姫さまが城を抜け出して祭りに遊びに来るなんてこれしかないでしょ、てかこれで確定でしょ!。

 そう思いながらワクワクして話を待ちます。


「...、カリンちゃんは良いよね...、私は一国の姫として自由がないんですもの...」


(ハイ!、王道展開入りました!ご馳走様です!!)


 どんな世界であっても、やはりこの王道展開は破れたりしないのだなと思う私。

 いろんな小説を読んで来たが、王国と来て姫さまが一般の祭りにお忍びで参加となるとこれ以外考えられないのは、私がラノベ中毒者だからだろうか?。

 いや、例え私がラノベ好きでなくてもこの展開は全員が読めるだろう、てか読めない雑魚おる?。

 私が一人で盛り上がっている中、彼女は続けて喋り始めていました。

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