第15攻略 時に豪快に行こうぜ!
廃坑に入り、側面の壁を頼りにし、進んでいく。
たとえ、光があったとしても、穴がくらいので、途中の分かれ道でも気づかなかったりすることが多い。
特に、それを見落としたせいで、迷うことや、襲われる事も度々あるのだと言う。
シュバルツのバットスキルの方向音痴が裏目にでる。
シャルなどがしっかりしているため、フォローはカンペキ!!
「ん?ゴブリンについてか?」
「うん」
シュバルツに質問を投げたのは、ミアである。
「ゴブリンはな。種族的には、1つ。でもな、2つの派閥に分かれる。」
そう。ゴブリンにも派閥がある。
他の種族との交流は少ないが、危害を加えようとしない「平和公準派」
そして、他との種族より略奪、侵略を繰り返す「略侵公準派」
平和公準派のゴブリンは、農業・商工業などの細かい作業に従事している。理由としては、細かい作業に向いているからだ。
なので、家などもある。
しかし、略侵公準派は移動しながら略奪・侵略を行う。
よって、家はない。廃坑、洞穴があればそれを巣とする。
それを叩きに来ている。
「なるほどぉ。2つに分かれるのか。めんどくさいねぇー。」
「ミア。棒読みで言わんでくれないか?」
「棒読みじゃないよー。」
棒読みのミアに対して、ツッコむシュバルツ。
その瞬間。シュバルツが、何かに気がつく。
「まて!トラップだ。」
「「「?!」」」
皆が驚きながら止まる。
「シュバルツ、トラップって?」
「危なかった。引っ掛かってたら死んでたかもな。」
「「「え?」」」
皆、ぽかんと口を開きながらボケェーってしてる。
なんだ、この顔は。マジだぞ?嘘ついたみたいになってんじゃねぇーか!!
「説明するな。このワイヤートラップ。引っ張ると、上から石が落ちてくる。ついでに、このワイヤーは、めんどくさい。輪っかになってるだろ?足が入ったら締め付けて、取れないようにする。そしたら、解こうとするだろ?過剰な力が掛かって、上の扉を開くための、杭みたいな抑える部分を引き抜くんだ。そしたら、あとは重さで落ちるだけ。」
説明長かったけど、ついてきたかな?
「ねね。モントラーシュとミアは分かった?」
「まぁ、死ぬってことなら分かりました!」
「うん!死ぬこと!」
え?死ぬことしか分かってないの?まぁ、それだけでもいいけど。
「そう言ってるシャルは?」
「私はある程度分かりましたよ!これでも冒険者なんで!」
ふん!っとドヤ顔をキメている。
「皆、気をつけるよーに」
「「「はぁーい。」」」
まるで先生と、やる気のない生徒の会話みたいだ。
臭いがきつくなっていく。近い。近いぞ、近いぞ!
グルルルルルルル。ギャイン、ギャーギャー!!
現れた!この数やばいかも。
影で見ただけでも300を超えてる。
「シャル、モントラーシュ、ミア。やばいかも。」
「まさかの棟梁がいるの?!」
「あぁ。ゴブリンの数が300超えてる。」
実際、影を見なくてもスキルでわかる。
ここに居るのは、452匹。規模としても中の上くらい。
数だけだけど。
そのスキルの名前は、「頭数カウント」。
いる分の頭数だけを数えてくれる。
「ミア!俺と一緒に戦うぞ。モントラーシュ、強化魔法で地盤を固めてくれ!シャルは後ろを頼む!」
ミアは初の実践。できるだけ無理はさせたくない。でも、やらなければ死ぬかもしれない。
「分かりました!やるしかないんですね!」
「シュバルツさん、任せてください!やれるだけやります!」
「シュバルツ、後ろは任せて!」
采配は幸を奏す。
攻撃をする前に、モントラーシュが地面に手を当てる。
強化魔法、岩盤の壁と、詠唱する。すると、壁に幾何学模様が走る。
岩盤が崩れることは無い。
「ミア。落ち着いてな。大丈夫だ。」
「はい‥‥‥。大丈夫ですよね!」
「無属性創生魔法、無性の撃墜ノ槍!!」
続いて、ミアも詠唱を行う。
「無属性創生魔法、無性の衝撃ノ波」
2つとも、命中。しかし、倒れたのは全線の30数体。
まだあまり入る。
「あぁー。もぉ、キリねぇー!ここで叩く!ミア、モントラーシュ、下がってろ!」
シュバルツは魔力を集め始める。
そう、シュバルツは初めてのことに挑戦している。
それは、「ゲーム内の技を使う。」
「玉天の無性魔法!黄昏ノ爆憐!!」
手から1発の小さな玉がゆっくりとゴブリンに向かっていく。
ゴブリンは、舌を出し大笑いしている。
これは、そうでも無いと。
しかし、シュバルツは瞬間的に、2つの魔法を展開していた。
「無属性強化魔法!物理壁強化
無属性防御魔法!!天心の魔防」
2つの魔法。ひとつは、物理的な物の強化。今回は強化物を指定済み。そう、廃坑の壁。
2つ目は、魔法を防御できるもの。魔法影響のある物は全てダメージカット!
ゴブリンに着弾した瞬間。見たことも無いような光と音、爆発を食らう。
シュバルツ達は、魔防によって防がれている。
そのため、中で何が起きたか分かった。
着弾した一瞬で、体が消えた。いや、正確に言うと消滅した。
「いやー。終わった!帰ろーか。」
「そうだねぇー‥‥‥じゃねぇーだろが!!!」
シャルが突っ込んでくる。
「え?何が?」
「え?何がじゃないよ!どんな魔法使ってんの?!あなたは魔王ですか?」
「いえ。違います!!私はただの人間です。」
「人間業じゃねぇーんだよな。てか、ホントに農村生まれ?」
「まぁな。過去の事情はあるらしいんだけど。聞いたことない。」
残りふたりは、驚くいて動けない。
何やかんやあって、帰ってきた。
皆、なんかわちゃわちゃしてるな。あんまり情報漏らすなよ?
大変だから。処理が。
皆、夜がふけても寝れなかったのは余談である。