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第13攻略 仕返しは酷いです

シュバルツ一行はバウダウに到着し、街へと下る。

ただえさえ、疲れていた皆に追い打ちをかける。

飴と鞭で言うところの、ムチだけを食らってるようなもの。

シュバルツは当然!!っと言わんばかりに、ピンピンしてた。

スキル、「道は続くよ」のおかげである。ちょっとネーミングセンスを疑う名前である。

それはさておき、宿に着いたのが、夕日がヤマにかかる時。

宿を取らないと、野宿になる。

魔物や獣が居ないとはいえ、人による被害が怖い。

例えば、ネジ盗まれたりとか。

「シュバルツ〜。私もお、つかれたぇー。」

「シュバルツさぁーん。僕も疲れましたぁ〜。」

「シュバルツはん、わいも疲れました。」

「宿取ってくるから、少しだけ待ってて。急ぐから。」

シュバルツはそう言って、駆け出していく。


皆は、その場で戦意喪失状態。

いくらか待っている。みんなは、ぽかんと上を見てる。

そんな時、森から影がいくつか出てくる。

獣の影ではない。人型である。

人型の影は、指で合図を出し散開する。

馬車を取り囲む。

そして、ジリジリと馬車へ近寄る。

音を立てずに‥‥‥気配を消して‥‥‥。


モントラーシュは、足の音に気がつく。

彼はドワーフ‥‥‥といっても、異なる才を持つ。

この世界のドワーフよりも耳がいい。そして、魔力も持つ。

大概の種族が魔力を持つ。しかしながら、持ってるだけである。

そこを伸ばせば、魔法が使える。そんなかんじだ。

魔力を使う人や魔物、獣が放つ魔力は限界まで抑えられる。

しかし、全ては抑えられないのだ。

シュバルツは何故か、出ていない。何故か疑問に思っていた。


この場で、皆を守れるのは自分しかいない。

シャルも、ミアもぼぉっとしたり、寝たりしているからだ。

モントラーシュは、バックから取り出した、短刀を手にしている。

()()()()()()()である。


ジリジリと近寄るさなか、馬車の積荷の覆いの一部がめくれ、男が出てくる。

格好はドワーフ。体型は人族。魔力は、人並み。

全て、異を持つものである。

「何もんだ。俺らになんか用か?」

吐き捨てるように、モントラーシュが話す。

いつものモントラーシュとは、違う。

守るという、強い意志がある。そして、本当の自分がでた気がする。

影は何も言わない。一言も‥‥‥。


すると突然、ひとつの影がモントラーシュに向かって切り込んでくる。

相手は、刃渡35センチくらいの刀を振りかざす。

モントラーシュは、軽々と避ける。

何回も、何回も。

相手が、刀の振りが大きくなった時、手を合わせる。

いただきますや、祈る手とは異なる。

拳と拳を合わせていた。

「準、地の利。隆起!」

モントラーシュが拳同士をぶつけ、右拳を地面に打ち付ける。


その瞬間、地面が少しだけ隆起する。

その瞬間に、敵にゼロ距離まで詰める。

そのまま、足を切り込む。


準、地の利。隆起は、足止めの為の魔法である。

地面を隆起させ、足を固定する。

モントラーシュの魔法は完全体ではない。

まだ、多くの魔力を操ることが出来ない。

しかし、ドワーフとは、違う身体能力を保持しているので、カバーすることが出来る。

とはいえ、刃物の使い方も曖昧なモントラーシュ。

切り口が浅い。自由を奪うことには、少し遠い。

何人もの影を切っていく。


シュバルツは、走って宿に着く。

そして、直ぐに気を感じた。そう。モントラーシュの気だ。

いつも以上に大きい。何事かと思い、全て終わると魔法をかける。

「骨格系、神経系、筋肉系、肉体強化ボディーストレージング。」

シュバルツは、駆け出していく。地面を蹴りあげる。蹴りあげた地面はえぐれており、足跡がついている。

待ってろよ、モントラーシュ。


魔力と体力の消費が激しい。もうそろそろ、やばいかも。

危ない。2人に危険が及ぶ。これだけが彼を動かす原動力。

体には浅いとはいえ、幾多のもの傷がついている。

彼の体は各所で悲鳴をあげている。

影の中の一人が、構えた。一際、黒光りしていた。

その瞬間、道の奥から、どどという、音が聞こえる。

影も、モントラーシュも、道の方を向く。


肉体強化ボティーストレージングアルファ。」

先程の音より、大きくなり、風が飛んでくる。


そこに現れたのは、シュバルツである。

モントラーシュは、安堵したのか、そこに座り込む。

シュバルツは、彼を見て、スピードを上げた。


「速の利。神速ノ理(しんそくのことわり)


スピードにのり、体重も乗り、その掌底で顎を砕く。

もう、誰にも、止められない。

猛スピードで、敵を屠る。

敵も、こんな奴が出てくるとは思っておらず、撤退を余儀なくされた。

辺りに、魔力はない。この、襲撃は乗り切ったようだ。

シュバルツは、モントラーシュに駆け寄る。

「モントラーシュ!!」

「すみません。シュバルツさん。無理して。」

「ほんとだよ。もぉ。無理すんなって。」

涙目のシュバルツ。そして、少し笑顔のモントラーシュ。

「そう言えば、シュバルツさん。技が結構決まりました。」

「進歩だ。進歩。」

そう言って、シュバルツは彼に回復魔法(ヒーリング)をかける。

モントラーシュの傷は塞がり、肉体的にも、精神的にも回復した。

精神的なことは、(シュバルツ)がいたからであろう。


そんな中、シャルとミアが出てくる。

「なんかあったの?シュバルツ。」

「なんかあったの?モントラーシュー。」

2人は目を擦りながら出てくる。

「「なんもないよ!」」

2人の声がハモる。2人は顔を合わせた。

そのまま、笑いだした。


宿に着くと、その辺に足跡がついていて、市民が困っているのは余談である

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