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第3侵略 城下町に降りれば人気者。

彼‥‥‥アルヴァーニ。

彼はこっちの世界。異世界に来てから、城から1歩たりとも出てはいない。外には出てはいる。試験の時くらいである。

城下町は最近、魔王が降臨したとお祭り騒ぎである。

そんなことをよそに、公務をしていたアルヴァーニ。

たまには、気晴らしと調査の為に城下町に降りよう。

と、考えている間に何故か格好が‥‥‥。

あれ?いつもより、魔王感が増してる。

あれ?城下町に降りるだけでこれだけ?

「魔王様。本日は凱旋の人なっておりますゆえ、この様な格好になられたという訳です。」

「そうか。ならよい。」

少しおどついてるアルヴァーニを見た執事が対応をした。

「では、参ります故この車にお乗り下さい。」

「分かった。」

外には大きなオープンカーみたいな馬車が置かれていた。

馬‥‥と言うよりかは、骨馬であろう。骨しかないし。

それはそれでおもしろい。

「ゆくぞ。出すがいい!」

アルヴァーニの声とともに、誰も乗らない馬車が出発した。


一方、街の中心街では人が集っていた。

「おい!魔王様がやって来るってよ!」

「新しい魔王様は、異世界から来たと言われてるわ!」

「魔王様早くみたい!」

街の人々‥‥‥。いや、なんと言おうか。骨や、獣等の人外が多い。

なんせ魔界だからな。と、言っても考えとか行動は人間とさほど変わらない。

「皆の者!中央を開けよ!」

兵士の者共が声をかける。網で中心を削るように進む。

なんか、底引き網みたいだな。

兵士が通り過ぎ、民衆の前に立ち壁を作る。といっても、均一の長さに並び、立っている。

高らかなラッパの音が鳴り響く。それまで、ざわついていた民衆も一言も喋らず、その眼差しを音のする方へと向ける。

すると、どこからともなく鎧を着た兵士が骨馬に乗り現れたのだ。


何人が過ぎると、ようやく魔王、アルヴァーニの登場である。

道の果て。目の先には、いつもの城ではなく高くそびえ立つ塔があった。

あくまで、これまで住んでいた城は官邸みたいなもの。いわゆる、公務をこなすのではなく、住む()()の城である。

この世界の魔王はリッチである。


アルヴァーニは、反応に困る。

仕方なくね?だってさ、皆が真剣な眼差しでこちら見てくるんだもの。何すればいいの?てか、凱旋パレードみたいじゃないの?


「おい、何をすれば良いのだ?」

「いえ、何をしなくとも良いのです。」

「そうか。」

コソコソと、話をする。

打ち合わせもなく突如として連れ出されたのだから。仕方ないことである。てか、何もしないが1番困るんだよね。

長い中心街を抜け、より高貴な建物が増えつつあった。

ここでは、先程とは服装の違う者共がいた。

この世界で言う貴族である。貴族といえども、その種族をまとめている頭領核と、それに準ずる者が集まっている。

なんせ、高貴なため、道も一段と違う。

アルヴァーニは、その光景を見て、ローマとなんかしらの共通点を見つけていた。


そこからはさほど時間はかからなかった。

塔に着くや否や、ある程度の高さのある階まで登らされた。

それも、自力で。足パンパンになるかと思った。てか、前世だったらパンパンだったであろう高さ。

アルヴァーニの頭の方が直ぐにパンパンになってしまったのは、余談である。


その階には、椅子等のセット。そして、外に出れるようにベランダのようなものがあった。

「魔王様。今から、就任宣言をして頂きますゆえ。直ぐに、外にお出下さい。」

「わかった。」

魔王って就任制なんだな。それは、知らんかった。

入れるがまま、ベランダもどきに出ると、外‥‥‥地上には沢山の民衆がいた。バリエーション豊かである。

「只今より、魔歴3万5301年。第560代魔王の就任式を執り行います。」

え?結構歴史あるやん!ついでに言うと‥‥‥一人あたり約63年計算ですけど?え?

「先代は持病で亡くなられました。勇者は進行もせず、ただ、悪戯に時が過ぎました。」

え?呆気なくね?持病で死ぬとかやばすぎ!

「そして、今日。新しい魔王が誕生致す。」

「魔王、アルヴァーニ・サタン=テーフェル!」

名前を叫んだ瞬間、完成がドワッと押し寄せてきた。

アルヴァーニは1歩前に出て、マイクを持つ。

「民よ。我がアルヴァーニ・サタン=テーフェルである。我は先代とは異なり、我からより魔界より出て、侵略いたそう。それが世の望みであり、我の望みでもある。民よ。立ち上がれ!民よ。さけべ!民よ。燃え上がるのだ!」

最後の一言を言い終わると、先ほどより強い歓声が上がる。

手を振り、中へ入っていく。

「魔王様。とても素晴らしい演説でした!本日はおめでとうございます!」

「あぁ。では、新たな世を築こう。」

「はい!魔王様。仰せの通りに」

アルヴァーニも職に慣れてきたのか、普段通りに接し話せるようになった。進歩である。


少しほっとしたのは束の間だった。

その後、会見やら食事会やら、写真撮影だったり、会議だったりと大忙しだったのである。

あくまで、彼は魔王である。



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